いきなり出てきてこんにちは?
自分がこの部屋に越してきたのはついこの前。
東京で商社に努めていた俺は会社の方針で東北の方に支社を作るとかでこの岩手に出向してきた。
皆には「大抜擢だな」と口々に言われたが、なんてことない、体の良い左遷である。
そんな中、自分がやぐされ、疲れ切っているのはしょうがないと思う。
だから、こいつが出てきたとき、自分はこんな反応が出来なかった。
「ん?ここはどこ?、あら…こんにちは?」
「はぁ…こちらこそ?」
なぜか俺の目の前には15,6歳位の少女がいた、いや現れた。
さて、いきなりですが貴方は妖怪、または精霊というものを信じるか?
信じないなら信じないでもOK、しかし今、目の前の状況を見て信じるなと言われたらそれは無理かもしれない。
「え~っと?…驚かないんですか?」
「いや…一周回って逆に冷静になったというか…」
「おかしいですねー普通私を見る人は腰抜かしてガタガタ震えるんですけど…」
「いや、正直俺も膝ガクガクなんだけど、というか説明プリーズ」
「しょうが無いですね…いいですか?私はですね~」
つまりこういうことらしい
支社準備という体の良い労働が終わり、家で疲れ切ってテレビを見ているところに現れたこの少女。
名を座敷童子と言うらしい。
そう、あの座敷童子である。
なぜ、そんなのが俺の部屋に現れたのかというと。
「住んでるところがなくなった?」
「はい、目が覚めたら昨日まで建物があったところが無くなってて…」
「はぁ…、それでさまよっていたら俺の部屋に出たと」
「そうなんです…」
いかんせん信じられないし、信じたくもない。
しかし、あの登場の仕方を見れは信じざる負えない。
しかしそれにしても…
「あの…どうしましたか?」
「いや…座敷童子にしてはやけに現代っ子だなぁと」
そうなのだ、俺がこの子が座敷童子と信じることが出来なかった理由がこれである。
あまりに彼女が現代っ子の格好をしていたのである。
「ああ、この格好ですか、似合います?家に来てくれた人が置いていってくれたんです~」
「あ、ああ…」
「けどひどいんですよ?みんな人形とか玩具しか置いていかないんですよ~」
「まあ、座敷童子って言ったら5,6歳位だからな、そんな…何だ?可愛い女の子とは思わんだろ」
「か、可愛いとかからかわないでくださいよ~…ってそんな幼くないですよ私!」
「だよねー、どう見たって十d「200歳です!」oh…」
座敷童子が童子じゃなかった件について
「け、結構お年をめしているのですね」
「いやいやいや、私なんてまだ若輩者ですよ~」
「妖怪ってバケモノだな、あ、化物だった」
「! もしかして今、私の事化物って言いました!?」
やべ
「すまん、もしかして気を悪くs」
「やったー!やっと化物って言ってくれましたー!」
先生、妖怪の言うことはわからんとです。
「あ、言うの忘れてましたね、妖怪は化物と言われることがひとつのステータスなんです」
「さいですか…」
「ふふん、これで私も一人前の妖怪です!えへん!」
「…」
妖怪って複雑なんですね…
そんな俺と座敷童子のお話
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