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 序章

 あたしが生まれたこの世界にはこんな言い伝えがある。

『十年に一度、年頃となる少年あるいは少女を町から一人選び神に差し出せ。選択が間違いでなければ、町に幸福が訪れるだろう』

 つまり、選択に間違いがあれば町には不幸がやってくる。

 なんでも前回の選出は投げやりで行われたからいけなかったのか、大飢饉となって壊滅的な状況に陥ったらしい。とにかく大変だったんだってことは、お母さんから聞いている。だけどさっぱり実感がない。当然よね。今だってあんまり豊かな生活じゃないんだもん。これが普通だと思っているあたしには、大変だ、とか、つらい、とか、そういうふうに考えることはなかった。

 ――そう、そもそもそれが、自分と関連付けて考えられなかったことが、いけないことだったのかもしれない。どこか遠いところで勝手に行われていることだと心のどこかで考えていたのが悪かったのかもしれない。



 あたしことミマナ=グラシアは、町長の見た夢が原因で、町の運命を左右するといわれる町の代表「選出者」に任命された。十六歳になったばかりの夏の出来事だった。


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