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49 卑劣なSNS(1) 根拠の無い誹謗中傷

プリンセスのクラスに久住麻子という真面目な生徒がいる。いつも笑顔で誰に対しても「おはよう」、「こんにちは」、「さようなら」と挨拶する明るい生徒で、たとえ相手が挨拶を返さず無視したとしても気にせずに、次に会ったときはまた元気に挨拶する生徒なのだ。


そんな彼女が最近は元気がない。廊下などで会ってもうつむいたままで、こちらから挨拶しても挨拶が返ってこないというほどの変わりようだ。昼休みなど時々涙を流している時さえある。


プリンセスは特に個人的に仲良くしている友達というのはいなかったが、最近は麻子のことが気になっていた。


そこでいつものように優秀な諜報部員(?)であるパピヨンちゃんに麻子に張り付いているように頼んだ。


麻子は授業後の掃除が終わると歩いて帰っていく。すぐそばにパピヨンちゃんが気づかれないように舞っている。


もっとも自分のすぐ近くで蝶が舞っていても誰も気にしないだろうが。


麻子は朝日丘団地に入っていくと、エレベーターに乗ろうとした。パピヨンちゃんも素早くエレベーター、つまり同じ箱の中というか空間に素早く入った。


そして自然な感じで彼女の部屋にも入った。一昔前は、女の子は昆虫が嫌いでも綺麗な蝶々は好んだものだが、最近は開発にともなって自然が破壊され、子供の時から自然に親しんでいない子が多いので、綺麗な蝶々でもまるでゴキブリに対するかのように嫌って追い出そうとする子さえいるが、麻子はパピヨンちゃんを綺麗な蝶々だと思ったので、部屋にいても気にしないというかどこから入ってきたのかは分からないがむしろ好ましく思っていた。


孤独な彼女にとってはこの蝶々がそばにいることが嬉しくさえもあったが、まさかこの蝶々が麻子の様子を詳細に観察してシャトーへ情報を送っているとは夢にも思わなかった。


 パピヨンちゃんは麻子の様子を本棚に止まってじっと見ていた。麻子の家は母子家庭であり、母親が帰ってくるのが夜8時くらいであり、それから夕食になるので、しばらくベッドに寝そべっていたが、起き上がるとパソコンを開き、ネットのあるサイトを開いた。


するとそこには麻子に対する誹謗中傷が書かれていたのだ。そしてそれを見ながら麻子は大声で泣きだした。


 一方シャトーではプリンセスがモンちゃんと一緒にモニターを見つめていた。モニターには麻子に対する非難の言葉が舞っていた。きっかけは最初にある人物が発した言葉だった。


「B組の久住麻子はC組堀口晶とつきあっている。堀口は久住に首ったけだが、久住は堀口に興味はない。けれども久住の家は母子家庭で生活が苦しいので、久住は堀口とつきあい、お金をもらっている」


その投稿の後にいろんな人がひどいコメントをしていた。

「あんなおとなしそうな顔して何しているか分からないものね」

「まだ高校生のくせにお金のためなら手段を選ばないゲスだ」


麻子は叫んだ。

「誰なの、こんなデタラメをネットに挙げたのは。私は堀口君とつきあってないし、もちろんお金をもらったりしてない。生活が苦しいからってそんなこと絶対しない。


でもクラスの皆んながこのデタラメの投稿を信じてて私を軽蔑しきっている。皆んなの冷たい視線が耐えられない。もう学校に行くのやめちゃいたい」


モニターの映像を見ているプリンセスの心は痛んだ。

「誰がこんな酷い投稿をしたのだろう。誰かが発したデタラメの投稿の為に誹謗中傷されて傷つき、しかも学校を辞めてしまうことになってしまうかもしれないなんて断じて許せない。


最初の投稿者をあぶり出してネット上で訂正及び謝罪させなければならない。でもこれはネット上のことなので、コパンたちに頼んでも、自分のヴァイオリン魔法を使っても投稿者を見つけることはできないわ。


けれでも早く何とかしないと麻子ちゃんが学校を辞めてしまうかもしれない。どうしたらいいんだろう。モンちゃん、これって私たちにはどうにもならないのかな?」

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