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46 嫌がらせ(2)脅されていた太田さん

マーガレットも太田という生徒が何かこのいじめの鍵を握っているような気はしていたのだが、これまで全く話したこともない隣のクラスの生徒に、ただあの場にいたというだけで疑いをかけて問いただすわけにもいかずどうしたものかと悶々としていた。


 その後のパピヨンちゃんの調査でこの事件の真相を知ったプリンセスは、プリンセスが背後で調査したりしていることを知られぬように動画をモンちゃんに渡し、モンちゃんがたまたまパピヨンちゃんから入手した動画を自分の判断でマーガレットに渡したように見せかけた。


「マーガレットお嬢さま、パピヨンちゃんがたまたま学校で撮影した動画があるというので、このメモリースティックに入れてあります。どうぞご覧ください」


「そういうのは先ずお姉さまに見せることになってるんじゃないの?」


「最近プリンセスお嬢さまはお忙しいので、妹のマーガレットお嬢さまに渡すように言われたのです。従ってこの動画の内容は撮影したパピヨンちゃんしか見ていませんが」


「何の動画かしら。まあ、いいわ。今日は暇だから見てみるわ」


動画をモニターに映してみると、何と太田という生徒が写っているではないか。それもどうも放課後に人気のない体育館の倉庫で5人の女子に囲まれているのだ。


動画の一部始終を見たマーガレットはある決意をした。


 それから二日後の放課後、またもや体育館の倉庫で太田は5人に囲まれていた。その中のボスと思われる女子が口を開いた。


「私はこれまで学年で名実共に一番の美少女と言われてきた。けれども半年前に転校してきたマーガレットの方がかわいいという噂でもちきりだ。


彼女の姉のプリンセスとかいうのもかわいいと言われているが、姉は別の学年だから気にしないのさ。


でもこの学年で一番の私よりかわいいというのは絶対に許せない。でも直接手を汚すのは嫌だから太田さん、あんたに代わりにいじめてもらっているの。


これまでどんないじめをしてきたか報告してちょうだい」


「靴底に画鋲を仕込みました」

「あとは?」

「毎日そうしています」


「バカね。それじゃ効果があるのはせいぜい初日だけじゃない。もっとヴァリエーションが必要よ。よく考えて、毎日違ういじめをしてチクチク苦しめるのよ」


「私、もうこんなことやるの嫌です」

「命令に従わないとどうなるか分かってるよね。それでもいいの?」


ボスはスマホを取り出し、画面を彼女に向けた。

「ここにはあんたが合宿でお風呂に入る時に脱衣場で服を脱いでる動画が入ってるよ。


私の部下が隠し撮りしたのさ。あんたがいじめを続ければ消してあげるけど、言うことを聞かないのなら拡散しちゃうよ」


「そんなことするなんて卑劣すぎるわ。先生に言いつけてやる」

「やれるものならやってみな。すぐに拡散してやるし、証拠が無いから先生に叱られることもない。


さあ、いじめを続けるの、それとも拡散?どっちがいいの?」


するとそこにマーガレットが現れた。そして右手の指をボスが持っているスマホに向けた。すると人間には見えない魔法光線が発せられてスマホの画面に吸い込まれ、問題の動画が消去されたのだ。


もちろんボスたちはそのことに気づいていない。


マーガレットは

「太田さん、あなたなかなか勇気あるじゃない。卑劣な動画の話は作り話に違いないわ。さあ、こんな人たち放っといて行きましょう」


するとボスは

「動画が嘘だと言うのか。それなら見せてやる。あの子の恥ずかしい姿を。あれ、おかしいな。動画がみあたらない。間違ってゴミ箱に入れちゃったのかな。ゴミ箱にも無い。おかしいな」

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