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44 あずき族お萩ちゃん(4)

するとガキーンという大きな音がして4メートルくらいのロボットが登場した。そして黒マスクの男が叫んだ。


「ふははは。このロボットには盗んだ大量の小豆が蓄えられている。たかが小豆と思うかもしれないが、調理すればこの上なく美味しい小豆がこの強力な装置にかかると恐ろしい武器となるのだ。


このロボットは小豆を高速で対象に向かって放出するのだ。この威力を見よ」


そこには木製の看板らしきものがあったが、ロボットから放出された小さな粒は看板にそれぞれ突き刺さるようにしてめり込み、遂にその板を数枚の破片に破壊してしまったのだ。


「どうだ、この小豆の粒を人間の体に放出すれば人間の体などひとたまりもないのだ。まだ人間に試したことは無いから、お前たちはそのための最初の実験台でもあるのだ。さあ、ロボットよ、あの二人を殺せ!」


「マーガレット、私の後ろに来てちょうだい。さ、速く」


ギューンという音がするとロボットの腹の四角い部分が開いて何十個もの小豆が目にも止まらぬ速さで二人に向かって飛んでいった。


プリンセスの後ろにはマーガレットがいて、二人をプリンセスのフラワーバリアーが覆った。そこに高速で大量の小豆が降り注いだ。


いつもはフラワーバリアーで光線などを跳ね返すのだが、今日は違っていて、やわらかい袋のような感じになって小豆を溜め込んでいるのだ。


黒マスクの男は、

「やや、どういうことだ。小豆があの袋のようなものに溜まっていく。しかしロボットの背中には補充用の小豆袋があるから、まだまだ小豆の放出は続くぞ。どこまで耐えられるかな。フハハハ。無駄な抵抗というものだ」


するとプリンセスは

「だいぶ溜まったわね。そろそろ頃合いかしら。行くわよ。それーっ」


すると袋状のバリアーに溜め込まれていた大量の小豆が一度に空中に浮き上がり、それが一度にものすごい速度でロボットの腹にある四角い穴に吸い込まれるように流れていく。


もちろんロボットはまだ小豆を放出中なのだが、放出された小豆もプリンセスの方から流れてくる大量の小豆の勢いに負けて、飛んできた小豆と一緒に穴に押し戻されたからたまらない。


放出口はあっという間に大量の小豆が詰まってしまい、その為にロボットの回路が狂い、各機能が停止して動けなくなり、倒れてしまった。


「食べ物をこんな風に扱うなんて許せないわ」


するとマスクの男は右手の親指を二人に向け、その瞬間親指から魔法光線が発射された。プリンセスがバリアーを張ろうとしたが、さっきの戦いでエネルギーをかなり使ってしまって消耗していることをよく分かっているマーガレットは、得意の魔法光線を発した。


二人の魔法光線が交わった瞬間、大きなバチッという音がして辺りに眩しい大きな光が輝いた。プリンセスもマーガレットもあまりの眩しさに目を閉じた。


その間にサングラスをしていたと見られるマスクの男は素早く逃げ、車で逃げてしまった。


犯人を逃してしまい、やや後味の悪い結果になったという見方もあるかもしれないが、プリンセスは警察ではない。


犯人のことや盗まれた大量の小豆や製品をその持ち主に返すことなどは警察が中心になって行われた。


多くの農家や生産者を救ったことにもなるが、プリンセスもマーガレットもそんなことは全く頭にない。二人が考えていることは至極シンプルだ。


お萩ちゃんに笑顔が戻り、彼女が張り切って美味しい小豆菓子を作ってくれることだ。数日後笑顔のお萩ちゃんが精魂込めて作ったお汁粉を3人で楽しく味わった。これこそが三人にとって至福の時だったのだ。

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