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50 卑劣なSNS(2)0.01%の挑戦

「解決するのはほぼ不可能な問題だとは思いますが、一応科学者である爺に聞いてみてはいかがでしょうか。まあ、爺の科学力をもってしても難しいとは思いますが」


爺は研究室に閉じこもったまま研究に没頭しているので、シャトーに初めて来た時一度会っただけで、その後は一度も会っていないのであった。


プリンセスは研究室に行くと

「爺、今困っている問題があって相談に乗って欲しいんだけど」


「今は研究中でダメです」

「いつなら相談できるの?」

「6ヶ月後なら1時間くらいは」

「6ヶ月?それじゃ間に合わないわ。すぐにでも相談に乗って欲しいの。爺、お願いよ」


「いくらお嬢様の頼みでも研究を中断することはできません」

「爺、お願い。でないと、私、ううう」


 爺はプリンセスの涙に弱いのだった。

「仕方ありませんな。では5分だけ、一応お話を伺うだけですよ」


モンちゃんが入れてくれたミルクティーを飲みながらプリンセスはクラスメートの麻子が苦境に陥っていることや、彼女を何とか救いたい旨を情熱的に話した。


爺は一通り話を聞き終わると

「難しいですな」

「難しい?じゃあ不可能というわけではないの?」

「一つだけ方法はありますが、不可能に近いです。この件は諦めるしかありませんね」


「1%でも可能性があるのならやってみるわ」

「いや、0.01%です」


「それでも爺、お願いよ」

「やはりそうなりますか。不可能と断言してしまえば良かったかな」


「さあ、早速説明してちょうだい」


「最近取り組んでいる装置に電子変換装置というのがあります。まだ試運転さえしていないのでうまく作動するかどうか分からないのですが。


この装置を使って誰かコパンの一人にコンピュータの世界に入ってもらうのです。そしてその麻子さんという方を誹謗中傷している大元のSNSの世界に入り込み、電子回路を通り、電子の道を辿って大元のパソコン回路に忍び込み、それが誰のパソコンかを特定するという、極めて難易度の高い、しかも命に関わる危険な作戦です」


「私が忍び込むことはできないの?」


「人間の体は複雑ですし電子回路を通ることはできません。私が作ったコパンの中でも、パピヨンを除いて最も小さいハリネズミ君ならやってみる価値はあるかもしれません」


「ハリネズミ君、かなり危険なミッションだけど、私の友達のためにやってくれる?」

「もちろんです、お嬢さま」


爺は暗い顔つきをしていたが、プリンセスの情熱に負けたとみえて気持ちの整理がついたようだった。


爺は研究室に入るとハリネズミ君を電子変換装置の上に載せた。装置のスイッチを入れるとオレンジ色の光がハリネズミ君に当たり、しばらくすると彼の体が分解されて粉々になったようにみえた。


次の瞬間パソコンの画面にハリネズミ君の姿が現れ、爺がキーボードでコマンドを打ち込むと麻子のSNSの世界が広がり、ハリネズミ君はその中に消えていった。


どこをどう進めばいいのかなどを爺が打ち込んでいるコマンドが指示しているようだった。次の画面ではハリネズミ君が電子回路上をものすごい速度で進んでいくのが見えた。


しばらくするとある場所でハリネズミ君が止まった。


「誹謗中傷の発信場所が分かったようです。GPSと連携させてみましょう・・・うーんと、あっ、分かりました。ここです」


「モンちゃん、行くわよ」

「はい、お嬢さま」

プリンセスはモンちゃんにヒラリと飛び乗るとあっという間に空中に舞い上がり、ものすごい速度で飛んで行った。

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