総決戦
約束通り次の日異界門をラヴィスを先頭にして悪魔たちが通り抜けてきた。
「やぁセコちゃん。答えは決まった?」
笑顔を見せているも目は満ちていもう戦争の合図の目だった。
交渉のつもりだけなら、こんな総戦力で異界門を潜り抜けることはないだろう。
この目的はたぶんセラフィムとの戦争のスローガンだ。
悪魔だって地上に基地を作りたい、けれどそこを守るセラフィムが邪魔。
これはセコをただ取りに行くための戦いじゃない、悪魔の活動領域を広げるための戦いでもある。
「えぇきまりました。」
あたしはきっぱりとそういった。もう答えは決まってる。たとえ何が待ち受けていようとも。
「あたしらセラフィムはここに悪魔との全面戦争を宣言します。」
あたしは空へ向かって高らかにそう宣言した。
こんなの決まってるでしょ。神様が見ててくれてるかもしれない。
空へ思いを伝えれば神のご加護が発生するかもしれない。
そしてあたしの言葉を境にセラフィムと悪魔に殺気が宿った。
魔力弾がお互いのリーダーから発せられる。強い光を放ちながら。強い闇を放ちながら。
「セコ。ほんとにいいの?あなただけでも助かる可能性はあったのよ?」
そう優しく質問してくれたのは上のセラフィムのリエム様だった。
「えぇ大丈夫です。」
あたしはそんな優しい言葉にも惑わされない。
だって悪魔だから信用もできるわけない。それなら仲間を信じたほうがいい。
「あぁいい決断だったと思うよ。この戦いはなんとしてでもかたなければな。」
リーダは背中を押してくれた。
リーダーの目が少し輝いていたので、びっくりした。
たぶんだけど悪魔の魔法って特殊だから解剖するのが楽しみなんだろうな。
頼もしい仲間。セラフィムはあたし含めて7人しかいないけど。
セコ
リエム
リーダーのレベフェム
ユズノベム
ソサ
カリナ
ジョエ
ムって最後についている人たちが上位の3人。
この人たちを筆頭に戦いは進んでいく。セコはソサと仲がいい。
よく一緒に異界門を守っているため相棒でもある。
セカイはこれをきっかけに大きく動き出す。
~レイの部屋~
この戦いの少し前にレイは1歳の誕生日を迎えていた。
誕生日はセラフィムたちが勝手につけたりしたので少し実際とは違うかもしれない。
その時の誕生日プレゼントとやらが部屋。だった。
この部屋を守るのがカリナの仕事だった。
カリナは白でキレイな短パンと、上にはタンクトップのふちに金がちりばめられている感じの服を着ていて、金色の神が特徴的だった。
カリナもまたレイに深い愛情を抱いているものの一人であった。
今は戦争中。戦争はレイに悪影響を及ぼす可能性があるので見せるようなことはしない。
だからと言って一人で部屋にいさせるのもいろいろなことで危険なためカリナがいる。
この役は大役だ。
「私一人で守り切れるのかな…」
カリナは大役を任されてしまいプレッシャーで押しつぶされそうになっていた。
だってみんなが命を懸けて守ろうとしているものを一番近くで守る役目だから。
「チッセラフィムったらすばっしこい野郎だ!」
ラヴィスは珍しく口調がすこぶる悪くなっていた。セコに断られたことと、思った以上に苦戦しているからか、イライラしているのだろう。
この戦いは長く続く。
「悪魔のくせに聖攻撃を耐えるとか生意気すぎ!」
あたしは思いっきり不満をぶちまけた。だって悪魔は聖攻撃でやられるはずなんだよ?
だって聖攻撃苦手だもんっ!なんで?ふざけてるよ!
あっもしかして…
「もしかしてあなたたち黒組の悪魔?」
「あぁそうだよっ!じごくのくうかんからおさらばできてうれしいぜ!」
めちゃくちゃにんまり笑顔で攻撃してきながらそう答えた。
やっぱり。ノクターンの手下だったのか。ならこんな喜んでいるのも理解できる。
あとノクターンのお仕置きで聖攻撃耐性でもゲットしてるんだな。
もうやだ!なんでこんな強いの?
「ほんとに嫌い。悪魔は生意気で大っ嫌い!」
あたしは本心を思いっきり叫んだ。人間界で言う悪口だっけ。
あたしはレイが物心つくときにもいてくれたらと思い必死に勉強しているのだ。
まぁ物心ついたら人間の街に返すつもりらしいけど。
でもせめて名前を呼んでほしかった。
「ほんとにうざいわね」
リエム様もご立腹のようで殺気が丸見えだった。きれいな瞳は真っ赤に染まっていて。
その周りの悪魔はバタバタと倒れていく。
さすがだなとあたしは感心した。これは上のセラフィムになるんだと。
ってことはリーダーにはもっと期待していいってことだよね?
「どいつもこいつも期待を裏切るほど解剖のし甲斐のない魔法だ。」
そういって周りの悪魔をボコしていくリーダー。
リーダーは新たな魔法を手に入れたり解剖したりするのが楽しみなのだが、弱すぎて解剖のし甲斐がないといっている。
皆戦い方は違うけど悪魔に対して恨みを持っているのは同じなようだ。