ありがとう。そして
赤子の名前はレイに決まった。
そう聞かされた時あたしは腹が死ぬほど喜んだ。
だってあたしの努力が認められた瞬間と同時に、最愛の人物に名前を授けることができたから。
あたしは今、ほんとにうれしい。なずけ親になれたんだから。
そんな喜びは束の間。また異界門から悪魔がやってきた。
グググ
悪魔なはず。見た目だけだと絶世の美少女みたいな…?
あたしはまた、上位悪魔と遭遇してしまったみたい。誰もいない。
リーダーは買い出し(?)
「やっほ~!セコちゃんだっけぇ?ノクターンがお世話になりました!あははっは!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そんなテンションで異界門を潜り抜けてきたので余計おかしい。
あたしはこんな悪魔とばかりで会ってしまう。
運のない哀れな熾天使だなと自分で思っちゃった。
「あれれ?反応薄っ!ノクターンって気持ち悪いでしょ( ´∀` )あっ僕ラヴィスっていうんだけど。」
え!あたしてっきりあの狂ったノクターンの上司だと思って警戒してたんですけど。
この人っていや人じゃないや…白組筆頭格のラヴィスだったんだ。
「あ…わかりますそれ。気持ち悪くて何回吐いたかわかりません」
今でも思い出すだけで吐きそうとばかりにあたしは言った。
「やっぱめちゃくちゃ見どころあるんですけど!ノクターンの愚痴ってどうれべしか言えないのに!」
そういわれるとあたしがあのクズ悪魔よりも下としか聞こえない。
まぁ事実なんだろうけどさ。ちょっと悔しいというか…
「とりあえず。戦いに来たってわけじゃないよね?」
あたしは一番最初に確認しなきゃいけないことを思い出して質問する。
「それはさぁ回答次第かな?」
「質問は何?」
明るい空気が相手が目つきを変えた瞬間一転する。
ピリピリと流れる電流がセコには苦痛に感じる。悪魔の戦いやすい場になるフィールドだったから。
「あのさ…熾天使やめて悪魔にならない?」
ああああえ?何言ってんだコイツ。
「は?」
あたしには最近守らなきゃいけないものもできたし、熾天使を裏切るなんてことはできない。
もしまたあの世界に還れるなら、神様に会えるならとみんな信じて頑張ってるのに。
でも質問にNOとは簡単に言えなかった。
「YESって言わないと大事な人と物。そして全部壊すよ?」
あたしはレイは滅ぼしてほしくない。だけど神様も大事だし、仲間も大切。
悪魔になる理由なんか一つもないのに…今の熾天使じゃノクターンやラヴィスに勝てる気がしない。
それが心臓「核」をつかんで離さない。
仲間を信じたいのに。
「明日返事を送らせて。」
あたしはリーダーたちに相談することにした。そうしたら一番いい答えが見つかると思って。
「いいよぉ~!」
ラヴィスはハイテンションでこの場を後にした。
~異界門~
「ねぇノクターン。意外とまじめに考えてくれてるみたいだよ?」
そう声を発した先にいたのは珍しく(?)殺気にあふれ混乱し焦っているノクターンの姿だった。
「チッそうですか。親愛なる友人いえ恋人が行方不明と聞きまして焦っているので邪魔をしないでください。」
「うぇきもちわる。」
ラヴィスはそう一言言った後白組の悪魔総出で次回出向くことにした。