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05『悪魔の赤い実とエサ』

アイフラウ山の遭難から、ガムラ魔術学園へと帰還したキシルは…再び図書室にて本を探していた。


「えっと…コーヒーの歴史に関する記述がある本は…」

キシルが右から左へと本棚を移動していると…

「またお会いしましたね、キシルさん。」

話し掛けてきたシナモンは、軽く会釈する。


「シナモンさん、こんにちは…標高が高い山に実る、赤い木の実コーヒーに関する本を探していて…何か知ってる?」

キシルが、再び調べものしていることを伝える。


「赤い実?コーヒー?…あぁ、もしかして悪魔の果実『カフワ』のことですね…」

コーヒーの実の存在を知るシナモンの語気がワントーン下がる。

「なぜ悪魔の果実って呼ばれているの?」

コーヒーに関する新たな呼称を知ったキシルが首を傾げる。


「はい、それはですね…私達の国ウリ・バルデンを中心に普及している『クシストロス術式』とは異なる術式を使用し対立する…遠い南方にある異邦の帝国『バビロニア帝国』にいる魔術師達が好んでいる液体の原料とされているからです。」

シナモンが更に続ける。


「ウリ・バルデンでは、ヤギ等の家畜のエサの一つであるカフワに対して、なぜ興味を持たれたのですか?」

「それは…(えぇ…家畜のエサ…)」

シナモンの家畜のエサという単語に対して、キシルは驚きつつも…山中で遭難した時の話をする。


「なるほど…本当にカフワの実にそのような効果があるのであれば大変、興味深いですわね…フッフフ…本当に…」

シナモンから漂う雰囲気に不気味さが混ざり出す。


「あの…シナモンさん?」

自分の世界へと入り不敵に微笑み出したお嬢様に対して、キシルが戸惑っていると…

「実験…そうですわ、実験を致しましょう!対立国の文化を知る…興味が尽きませんわ!」

シナモンの探求心が口から溢れ出す。


「!?…あはは…(好奇心の化身だったなんて…)」

キシルの困惑を他所に、シナモンの思考は加速していく…


「…確かカフワは、炭の様に黒くなるまで加熱するっと聞いたことがあります…でも、どうやって…」

好奇心の笑みを見せるシナモンとキシルが顔を見合わせる。


「うん…加熱する前に、コーヒーの実の外皮から種子を抽出する為には、天日干しで乾燥させてから脱穀した方が良いかな…」

キシルは、転移する前の元いた世界で得た知識を披露する。


「どうして、そんなにお詳しいのですか?」

シナモンが怪訝に思う。


「いやぁ…カフワの液体も、ココアの原料であるカカオと色合いが似ているなぁっと思って…だったら、精製方法も近いかなって…」

キシルは、なんとか誤魔化す。


「確かにそうかもしれないですわね!さぁ、さぁ!キシルさんも実験にお付き合い下さい!知り合いの農家からカフワの実を少し分けてくれると思いますし!」

理性よりも探求心からくる興奮が勝るシナモンは追及することなく、キシルの腕をグイグイっと引っ張る。


「分かった、協力するから手を引っ張らないでよ~」

キシルは注意しつつも、別世界で初めて出来た賛同者との親交を快く思う。

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