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シスターズアルカディアSideB-Brand new Sisters-  作者: 藤本零二
第1章~Brand New Story~
7/58

第6話「束の間の日常③」

*


 5月3日。


 昨日の夕方から行われた、イツキちゃんの屋敷の地下研究施設の建造は、この日の午後まで行われた。

 兄さまとマイカ姉さま、そしてボクとマコト姉さまとモトカ姉さまとモモコちゃんはずっと地下室にこもって作業をしていた。



 その間、ボク達の知らないところでカズヒちゃん達がこんな話をしていたそうだ。




*


「うん、やっぱりサクヤお姉ちゃんのおっぱい枕は最高だよ~♪」


「あらあら、それはありがとう、と言うべきなのかしら?」


「バカズヒ、あんたまたサク姉ぇのおっぱいを枕にして…

 サク姉ぇも嫌なら断っていいのに」


「まぁ、本当に嫌なら断ってるわよ?」


「サク姉ぇがいいならいいけど…」


「そんなにサクヤ姉ちゃんのおっぱい枕気持ちいいの?

 わたしもして欲しい!!」


「では、私のおっぱい枕はどうですか?

 私のおっぱい枕もカズヒちゃんにお墨付きを貰ってますから!」



 イツキの屋敷の二階にあるプレイルーム(そこでは麻雀やトランプゲーム、ビリヤード、テレビゲーム等々様々なゲームが楽しめる)にいるのは、カズヒとサクヤとハルカとメイコとナナカ。

 カズヒは人が二人が寝転んでも余裕があるほどの大きなソファに座るサクヤの胸に頭を乗せる、カズヒ曰くおっぱい枕をしてもらってくつろいでいた。



「カズヒのお墨付きって…、あんたいつの間にナナカ姉ぇにまでおっぱい枕させたのよ?」


「そりゃもう家族(きょうだい)になってすぐだよ!

 勿論、マイカお姉ちゃんにもしてもらいました!!」


「あらあら、本当に手が早いのね」


「じゃあ、ナナカ姉ちゃんのおっぱい枕、いただきまーす!」



 そう言ってメイコがナナカの胸に頭を乗せる。



「んっ…♪

 どう?気持ちいいかしら、メイコちゃん?」


「ふぁあああ…、これ、すごい…!

 柔らかくて、ほのかに跳ね返ってくる感触がなんとも言えない…!

 それに、ナナカ姉ちゃんの匂いがして、心がやすらぐと言うか…

 カズヒ姉ちゃんがおっぱい枕にハマるのもよく分かるよ!」


「でしょ!?」


「ふふ、ありがとうございます♪」


「…そんなに気持ちいいものなの?」


「ハルカちゃんもやってみる!?」


「ア、アタシはいいわよ!」


「そんな遠慮しなくてもいいのよ?」


「サク姉ぇはもっと遠慮して!」


「ハルカちゃんも一度してもらえばハマるから絶対!」


「や ら な い!」


「頑固だな~」


「ちなみにカズヒ姉ちゃん、ナナカ姉ちゃんとサクヤ姉ちゃんとマイカ姉ちゃんのおっぱい枕で

 一番気持ちよかったのって誰のおっぱい枕なの?」



 そんなメイコの質問にカズヒは急に真面目な顔になって答えた。



「メイコちゃん、おっぱいに貴賤無し、という諺を知ってる?」


「え、知らない…」


「そもそもそんな諺無いわよ」


「おっぱいにはね、優劣なんてつけられないんだよ。

 大きいも小さいも、柔らかいも硬いも、皆違って皆いい。

 一人一人違って、全く同じおっぱいなんてないし、その日のコンディションによっても変わってくる、

 一期一会のおっぱいの楽しみ方があるんだよ」


「な、なるほど…!」


「いや、何か良いこと言ってる風だけど、ただの変態の妄言だからね?」


「あたしはね、メイコちゃん、

 おっぱいソムリエを目指してるんだよ」


「おっぱいソムリエ?」


「またなんか変態ワードが飛び出してきた…」


「おっぱいの形と感触、大きさ、そして匂いと味で誰のおっぱいなのかを正確に当てる、それがおっぱいソムリエ」


「匂いまではまぁいいとして味って何よ!?」


「そして、あたしが憧れるおっぱいソムリエの師匠、それは…!」


「…ごくり」


「もう嫌な予感しかしないわ」



 メイコが期待の眼差しを、ハルカが呆れた表情を見せる中、タイミングを計ったかのようにプレイルームの扉が開かれ、中へと一人の少女が入ってきた。



「わたくしですわ!!」


「イツキ姉ちゃん!!」


「…やっぱり」



 アニメやゲームなら「バーン!」という効果音と共に現れたであろうその少女の正体はイツキであった。



「お話は部屋の外から全て聞かせて頂きましたわ。

 メイコさん、あなたもおっぱいソムリエを目指しているのですわね?」


「あれ、そんな話だった?」


「えーっと…、ち、ちなみにイツキ姉ちゃんはおっぱいだけで、それが誰のおっぱいなのか分かるの?」


「少なくともメイコさん達も含めた姉妹全員とメイさん、セイさんのおっぱいでしたら目隠しされた状態でも判別出来る自信がありますわ」


「す、スゴい…!」


「確かにスゴいけど、要はただの変態よね?」


「やっぱ師匠は違うな~!

 あたしはまだ全員判別出来る自信がないよ。

 特にマコトちゃん、モトカちゃん、ミライちゃん、モモコちゃんの四人は遺伝子が同じ四つ子のような関係だから判別が難しいんだよね~」


「そこを判別出来てこそのおっぱいソムリエですわ」


「ははー!修練いたします!」


「わ、わたしもおっぱいソムリエになれるかな?」


「メイコはならなくていいからね?」



 と、そんな話をしていた所へ、地下研究施設の建造を終えたマイカとマコト、モトカ、ミライ、モモコが部屋に入ってきた。



「ふぃー、終わったー!」


「さすがに疲れたね~」


「でも思ってたより早く終わって良かったわ」


「うん…」


「皆、本当にお疲れ様。

 頑張ってくれた四人には何かご褒美をあげなくちゃいけないわね」


「「「「やった」~」!」…」


「…と、あら?姉妹全員揃ってるわね?

 何の話をしていたの?」


「良いことを思い付きましたわ!」


「絶対良いことじゃないと思うけど、一応聞いておくわ、

 何を思い付いたの、イツキ?」


「マコトさん達四人へのご褒美企画ですわ♪」


「…え?」



 その翌日、イツキの考えた“ご褒美企画”というのが行われることになった。




*


 5月4日。


 地下研究施設が完成した翌日、その製作のために頑張ったボク達へのご褒美ということで、イツキちゃんの屋敷の二階のプレイルームに集められたボクとマコト姉さまとモトカ姉さまとモモコちゃんだったのだが、部屋に入ると同時にイツキちゃんとサクヤ姉さまとメイコちゃんとマイカ姉さまに捕まったボク達は、何故か上半身裸にさせられ、後ろ手に縛られて大きなソファに座らされた。



「ちょ、ちょっとこれは一体…!?」


「い、いきなり裸にされて縛られるなんて…!」


「さ、さすがにボクもこっち系の趣味はないかな~…」


「何を…、企んでる…?」


「ふっふっふっ、これは皆さんへのご褒美企画なのですわ!」


「いや、ご褒美って言われても、裸にされて両手を後ろに縛られるなんて、

 その手の性癖が無い人には罰ゲームにしか、」


「話は最後まで聞いてくださいな、ミライさん」


「それならせめてこの縄をほどいて!」


「それも必要な措置なのです。

 今から皆さんにしてもらう、いえ、されることはお兄様とカズヒさんによる聞乳(ききぱい)対決なのですから!!」

 

「「「「聞乳(ききぱい)?」」」」



 イツキちゃんが聞きなれない単語を口にすると、部屋の扉が開き、目隠しと耳栓をされた兄さまとカズヒちゃんがハルカちゃんとナナカ姉さまに付き添われて入ってきた。

 ちなみに、この場にいないムツキ君は、今朝早く家にやって来たムツミさんによって早々に拉致られていった。



「ちょっとイツキ、何をされるのボク達!?」


「大丈夫です、安心してくださいなマコトさん。

 これは、お兄様とカズヒさんのおっぱいソムリエ1級認定試験のための試練であり、

 マコトさん達にとってはとても気持ちのいいご褒美タイムとなるハズですから」


「言ってることが…、一つも分からない…」



 モモコちゃんの言う通り、ボクにはイツキちゃんの言ってることが一切理解出来なかった。

 おっぱいソムリエ1級って何?



「ん~、つまり、ボク達四つ子のおっぱいを目隠しされた状態で当てられたら~、おっぱいソムリエ1級ということ~?」


「さすがはモトカさん、理解が早くて助かりますわ」


「そ、それって、つまり兄さま達が、ボク達のおっぱいを触る、ということ?」


「触るだけでなく、匂いや味も確認してもらうことになりますわね」


「味!?おっぱいの味って何!?」


「おっぱいソムリエともなれば、おっぱいの味を見分けられるのです」


「確かに…、ミライのおっぱいはマコトやモトカに比べて…、少し甘い…、気がする…」


「モっ、モモコちゃん!?」


「さすがモモコさん、あなたにもおっぱいソムリエの資格はありそうですわね」


「…これからやろうとしていることは分かったよ。

 まぁ、ボクとしても、兄さんにお、おっぱいを触られるのはき、嫌いじゃ、ないし…、

 ご褒美と言えなくも、ない、けど…」


「マコト姉さま!?」


「ボクも全然構わないよ~

 というか、そういうことなら別に~、後ろ手に縛られなくても~、別に抵抗とかしないからいいのに~」


「モトカ姉さままで!?」


「ん…、ボクも、構わない…」


「モモコちゃんもいいの!?

 え、この状況がおかしいと思ってるのボクだけ!?」


「大丈夫よ、ミライ、アタシもおかしいと思ってるから」



 どうやら、この場でまともなのはボクとハルカちゃんだけらしい。

 その割にこの状況を止めようとしないのは、最早何を言ってもどうしようもないと諦めてるからなのだろう。



「ところで、兄さん達の目隠しは分かったけど、耳栓の意味は?」


「それは、皆さんの喘ぎ声を聞かせないようするためですわ。

 皆さんを後ろ手に縛っているのもそうですが、純粋におっぱいの形と大きさ、感触、匂いと味だけで判断してもらうための措置です」


「喘ぎ声って…

 というか、ボクはやるって言ってないんだけど…」


「あら?でもミラちゃんなら本気で嫌ならそんな縄なんて力づくで外せるわよね?」


「う…、そ、それは…、」


「ミライは…、むっつりスケベだから…」


「う、うるさいわよっ!?

 ああ、もう分かったわよ!なるようになれよ!

 さぁ、聞乳(ききぱい)でもおっぱいソムリエ検定試験でも何でもいいわ!

 さっさとやっちゃってよ!」


「四人ともやる気十分ですわね♪

 では、その前にお二人の意気込みをお聞きしましょうか」



 イツキちゃんがそう言うと、ハルカちゃんとナナカ姉さまが兄さまとカズヒちゃんの耳栓を外し、意気込みを聞いた。



「おっぱいソムリエ1級、絶対に合格してみせます!!」


「えーっと…、おっぱいソムリエ1級はどうでもいいけど、

 四人のおっぱいの感触を存分に楽しみたいと思います!!」



 やる気満々な二人。

 そして、秘かに期待してる自分もいる。

 確かに、この状態はおかしいとは思うけど、でも前世から恋い焦がれてきた兄さまに、ボクのおっぱいを触ってもらえるというのは、やっぱり女として少し嬉しい、のかも。


 そう思って、他の姉妹を見てみると、マコト姉さま達だけでなく、今回の企画に参加しないサクヤ姉さま達も少し羨ましそうな表情をしているのは、気のせいだろうか…?



 と、そんなことを考えていると、再び兄さま達に耳栓がされた。



「では、聞乳(ききぱい)、スタートですわ!

 まずはミライさんがお兄様に、モトカさんがカズヒさんにぱふぱふしてあげて下さい。

 それを合図に、お兄様達がお二人のおっぱいの鑑定を始めますわ」


「ぱ、ぱふぱふ?」



 聞き慣れない単語にボクが聞き返すと、「ぱふぱふとは、おっぱいで相手の顔を挟んで差し上げることですわ」という答えが返ってきた。


 おっぱいで兄さまの顔を挟む!?

 そ、そんな大胆なこと出来るわけが…、と思って隣を見ると、すでにモトカ姉さまが自分の中のおっぱいでカズヒちゃんの顔を挟んでいた。



「よいっ、しょ~…、こうかな~?」


「ふぉおおおっ!?ぱふぱふキター!!

 ふむふむ、この感触は…!」



 モトカ姉さまにぱふぱふされたカズヒちゃんは、そのまま両手でモトカ姉さまのおっぱいを触ったり、舌でおっぱいを舐めたりし始めた。



「んんっ…♪

 こ、これは~…っ、た、確かに喘ぎ声、出ちゃうね~…っ、んぁっ…♪」


「んんっ、いい匂いだし、ほのかに甘くて…、」


「んゅっ、そ、そこは~…っ、んぁああぁっ…♪」



 ほ、本当に味わってるんだ…



「さ、ミライさんもお兄様にぱふぱふを」


「う…、わ、分かってるけど…」



 ボクは覚悟を決めて兄さまの前で膝立ちして、おっぱいを兄さまの顔に近付け、その顔を挟み込んだ。



「おおっ…!このおっぱいは…!」



 そう言うと兄さまは、ボクのおっぱいの左右を両手で掴み、優しく揉み始めた。



「んぁっ…♪に、兄さまぁ…!」


「ふむ、弾力があって深く沈みこむ…、そして乳首は…」


「あんっ♪そ、そこは…!」


「この反応…、乳首は敏感そうだな。

 そして味は…、」



 ペロリと、兄さまの舌がボクのおっぱいの谷間を舐めあげる。



「きゃんっ♪」


「少し甘いな。

 …ふむ、このおっぱいの主は……」


「はい、二人ともそこまでですわ!」



 イツキちゃんの合図で、ハルカちゃんとナナカ姉さまが兄さま達をボク達から引き剥がした。



「ああっ、待って!もう少し味わいたい!!」


「ふぅ…、最高のおっぱいだったぜ…」



 はぁ、はぁ、あ、危なかった…

 もう少し兄さまに触られてたらボク…

 なるほど、確かにこれはボクの達にとってもご褒美なのかも…

 悔しいけど、とても気持ちよかった♪



 その後、兄さまはマコト姉さま、モトカ姉さま、モモコちゃんの順に聞乳(ききぱい)を行った。

 その時の様子をダイジェストで。



「ふむ、このおっぱいは弾力があって、押すと弾き返す…

 それに、乳首の反応も敏感、そして甘じょっぱい…

 分かったよ、このおっぱいの主も」


「に、兄さん…!そ、それ以上乳首触られたらボク…!

 んぁああああっ、い、イッちゃうぅううっ!!」



 マコト姉さまはボク以上に乳首が敏感みたいで、あっという間にイッてしまったみたいだ。



「ほほぅ…、モチモチで優しく沈みこんでいく…、そしてほのかに甘いこのおっぱいの主は、間違いない…!」


「に、兄ちゃ~ん、そ、それ以上は、んん…♪

 さ、さすがのボク、も…、んゅぅうううっ!!」



 モトカ姉さまはとてもカワイらしい声で喘ぎながら、それでもイクのは必死で耐えていた。



「ふむ、モチモチしていて、適度に弾き返す、このおっぱい…、

 それに甘じょっぱい味、うん、ここまでの俺の推理に間違いはなかったようだな」


「ふぁっ…♪に、兄…や、そ、それ以上揉むの…、は…、んんんんんっ!!」



 そしてモモコちゃんはあまり喘ぎ声は出ていなかったけど、チラリと見えたパンツには大きな染みが出来ていたから、相当に感じていたんだと思う。



 一方、カズヒちゃんの方もモモコちゃん、ボク、マコト姉さまの順に聞乳(ききぱい)をやったんだけど、



「あ、あれ?このおっぱい、さっきも触らなかったっけ?

 え、本当に違う妹なの!?」


「ふむ、どうやらカズヒさんは判別に苦戦しているようですわね」



 いや、当の本人であるボクが言うのも変かもだけど、ボク達四人は遺伝子上の一卵性四つ子だ。

 多少の成長具合の違いはあるとはいえ、バストサイズにほぼ差異はなく、形だって見た目からは違いは分からないし、感触や、ましてや匂いや味の違いなんてボクだって知らない。

 それを感じ分けて当てるなんて…



 そして、兄さまとカズヒちゃんの聞乳(ききぱい)が終わると、ハルカちゃんとナナカ姉さまが二人の目隠しと耳栓を外した。

 ボク達も手を縛っていた縄はほどいてもらったけど、服だけはまだ着せてもらえなかった。



「では、まずカズヒさんから答えをどうぞ」


「え、えーっと、モモコちゃん、モトカちゃん、マコトちゃん、ミライちゃん!」


「残念、外れですわ。

 綺麗に反対の答えを出していますね。

 しかし、モモコさんとモトカさん、マコトさんとミライさんのどちらかまで絞り込めているのは素晴らしいですわ」


「うぅ、逆だったか~…

 乳首の反応からマコトちゃんミライちゃんの乳首敏感グループと、他二人という風に絞り込めたのは良かったんだけど…」



 あ、そうなんだ…

 ていうか、乳首敏感グループて…

 そもそも、乳首は女の子なら大体敏感なんじゃないの?



「モトカさんとモモコさんも乳首で感じてはいますが、

 その反応がマコトさんとミライさんに比べて僅かに弱い、ということですわ」


「そんなボク達でも知らなかったことを何でイツキちゃん達は知ってるの?」


「おっぱいソムリエですから」


「あ、そうですか…」



 それ以上は考えるのを止めることにした。



「次にお兄様、答えをどうぞ」


「ああ。順番にミライ、マコト、モトカ、モモコだ!」


「素晴らしいですわ!!大正解です!!さすがお兄様ですわ!」


「ああ、まぁな。

 姉妹のおっぱいの区別が出来なけりゃ、シスターズアルカディアの主とは言えないからな」


「お~、さすが兄ちゃん~!」


「ボク達のこと…、分かってくれてる…!」


「は、恥ずかしいですけど、でも、当ててもらえて嬉しいです、兄さん!」


「マコト姉さまに同感ね。

 言ってることもやってることも変態なんだけど、でも…、

 ボク達のこと、ちゃんと分かってくれてるんだって思うと、少し嬉しい、かな?」


「姉妹全員を幸せにするって決めたからな。

 中途半端な気持ちじゃ皆を平等に愛せないよ」


「アニぃが何かカッコいいこと言ってる風だけど、

 四つ子姉妹のおっぱいを散々揉み散らかした後のセリフだからね?」



 まぁ、ハルカちゃんの言う通りなんだけど、でも、どんな形であれ、ボク達のことを分かってくれたってのはやっぱり嬉しい。

 うん、やっぱりボクはそんな変態でシスコンな兄さまが大好きだ。


 改めて兄さまへの愛を確認したところで、胸の奥が急に熱くなってきた。

 さっきまでおっぱいを揉まれていたのもあって、何というか、もう抑えきれない!!


 どうやら、その想いは他の三人も同じようで、三人とも頬が少し上機していた。

 ボク達はお互いに目を見合わせ、こくりと頷くと、代表してマコト姉さまが口を開いた。



「じゃ、じゃあ、ボク達を当ててくれた兄さんにはご褒美、あげなくちゃですね♪」


「ご褒美?いや、俺はもう十分に、」


「せーの…、」



 マコト姉さまの合図で、ボク達四人は一斉に皆のおっぱいを兄さまの顔に前後左右から押し付けた。



「兄さん!」


「兄ちゃ~ん!」


「兄さま!」


「兄や…!」


「「「「大好きだよ♪」」」」


「ふっ、ふぉおおおっ!?

 お、おっぱいがいっぱい!?おっぱいがいっぱいじゃあああああっ!!」


「あぁっ♪に、兄さん…、そこ気持ち…、イぃいいいいいっ!!」


「兄ちゃ~ん、もっと、もっとボクのおっぱい、んゅっ…、さ、触ってぇ~…♪」


「兄さま…!兄さま~!!

 ボク、ボク、ずっとこうして兄さまに、兄さまにぃいいい…!

 んぁああああっ…♪イっ、イくぅうううううううっ!!」


「兄や…、もっと…、もっとボクのおっぱいを…、味わって…!

 そして…、もっと感じさせて…、欲しっ…、んんんんっ♪」



 そうしてボク達は、気持ちよくて気を失うくらいまで、兄さまにおっぱいを堪能してもらうのだった。



「うぅ、いいな~、お兄ちゃん…

 あたしもおっぱいにいっぱい囲まれたい…!」


「あら、じゃあ慰めのおっぱい枕してあげよっか?」


「さ、サクヤお姉ちゃん…!」


「あら、それなら私のおっぱい枕はどうかしら?」


「ま、マイカお姉ちゃんまで…!」


「それなら私が、」


「待って!ナナカ姉ちゃんのおっぱい枕はわたしのだよ!?」


「ふふふ、おっぱいは世界を救う…

 やはりおっぱいは素晴らしいですわ♪」


「え、何このオチ…」




*


 5月5日。


 兄さま達がこの世界にいる最終日。


 なので、ボクは前世の頃に憧れていた伝説の魔獣ハンター“デスサイス”の【雷神】こと兄さまと、【グランドクイーン】ことハルカちゃんに模擬戦を申し込んだ。



「ミライと模擬戦か、俺は構わないぞ?」


「待って!アニぃに挑むなら、まずはこのアタシに勝ってからにしてもらおうかしら?」


「うん、それでもボクは構わないよ。

 …あ、あと、出来れば使用できる能力は精霊術だけにしてもらいたいんだけど、いいかな?」


「アタシは最初からそのつもりだったけど、ミライは別にサイボーグの能力を使ってもいいのよ?

 正直な話、アタシは“土の精霊術師”で、ミライは“雷の精霊術師”、相性的にはアタシの方が有利なわけだし」


「ううん、使わない。

 純粋に今のボクの“雷の精霊術師”としての力で、

 あの伝説の【グランドクイーン】にどの程度通じるのか、試してみたいから」


「その意気やよし、いいわ、かかってきなさい?

 ああ、ちなみに、アニぃとアタシの“遊び”では、“雷の精霊術師”だったアニぃが圧倒的に勝ち越してるから」



 ハルカちゃんの言う“遊び”とは模擬戦のこと。

 つまり、兄さまは相性的に不利でありながら、ハルカちゃんとの“遊び”で勝ち越してるということ。

 さすがはボクの憧れた【雷神】、と言ったところか。

 だけど、今のボクにだって【雷神】と同じ力が使えるんだ。

 十分に勝ち目はあるハズだ!



 ボクとハルカちゃんと兄さまは、出来るだけ精霊力の多い場所、戸ノ上山の中腹にある広場まで移動した(ハルカちゃんはギラド化して兄さまを抱えながら、ボクは足裏のジェット噴射で飛んできた)。



 ボクとハルカちゃんは5メートル程の距離を開けて、お互いに向かい合って立った。

 兄さまはその中間に立って審判役を務めることになった。



「では、両者向かい合って…、始めっ!!」



 兄さまの合図と同時に、ボクは最速で術を唱えた。



「雷の精よ、集え!」



 兄さま達とのキスでパワーアップした今のボクは、『スピリット』だけでなく、詠唱の省略も可能になっていた。

 勿論、ハルカちゃんも詠唱の省略は出来るのは知っている。

 だけど、ハルカちゃんが術を唱えるより先に“雷化”してしまえば、



「『スピリッ、」


「遅いわよ!『ハーフスピリット』っ!!」


「えっ!?」



 ボクが『スピリット』を唱えるより先に術式の詠唱を終えていたハルカちゃんが、純粋な脚力だけで5メートルの距離を一瞬で縮め、『ハーフスピリット』で“土化”させた右腕でボクの腹にパンチを叩き込んだ。



「かはっ…!?」


「今の攻撃くらいは避けてくれないと勝負にすらならないわよ?」


「…くっ!」



 まさか、純粋な脚力だけで先手を取られるなんて思いもしなかった。

 おまけに詠唱も早い!

 これが、【グランドクイーン】と呼ばれた伝説の魔獣ハンターの実力!


 だけど、兄さまが見てる前で、無様にこのままやられるわけにはいかない!



 ハルカちゃんが“土化”させた腕で追撃を加えようとするのを、ボクは地面を転がりながら避ける。



「それなら、土の精よ、集え!『グランドジャベリン』!!」



 ハルカちゃんが地面に手をつくと、地面から無数の土の槍が生えてきて、地面を転がるボクを狙う!

 というか、『グランドジャベリン』を地面から、しかも複数本も出すなんて、そんなの聞いたことがない!!

 普通『グランドジャベリン』は手の中に土の精霊を集めて、槍状に固めて使う術だ。

 それをこんな風に使うなんて…!


 ボクは地面から出てきた土の槍の全てを避けきることが出来ず、いくつかに突き上げられるかたちで、空中へと放り上げられた。



「キャアアアアアッ!?」


「これで終わりよ、土の精よ、集え!『サンドエッジ』!!」



 ハルカちゃんが空中で逃げ場のないボク目掛けて無数の土の塊を放った。

 絶体絶命のピンチ…!

 だけど、このピンチはチャンスでもある!



「『スピリット』!!」



 ボクは空中で、先程()()()()だった『スピリット』を唱えた。

 すでに雷の精霊はボクの元に集まってきていたので、後は『スピリット』と唱えるだけで良かったのだ。

 ボクは空中で“雷化”すると、まるで止まっているかのように見える土の塊を避け、地面にいるハルカちゃんの背後数メートルの場所に降り立つと、無詠唱で『サンダーアロー』を数十本放つ!


 ただでさえ“雷化”していると、精霊力の消費が激しく、これだけの雷の矢を放てば精霊力は尽きてしまう。

 だけど、ハルカちゃんに勝つには今このタイミングしかないと思ったため、出し惜しみせずこの世界の精霊力で出来るだけの全力全開の『サンダーアロー』を放ったのだ。



「残念、あなたの負けよ、ミライ」


「え…?」



 ボクの放った雷の矢は、全てがハルカちゃんを避けるように軌道がそれ、全て先程の地面から突き出した土の槍に吸い込まれていってしまったのだ。



「…あ、まさか!?」


「そう、こうなるのを見越して、『グランドジャベリン』には砂鉄を仕込んでおいたのよ。

 所謂、アースみたいな役割を果たしてくれるってわけ」



 そして、雷の精霊力が無くなり、ボクの“雷化”が解除されると同時に、ハルカちゃんが右手に土の槍を構えて、ボクの首筋に突き付けた。



「勝負あり、かしらね?」


「…参りました、完敗よ」



 ボクは両手を挙げて降参のポーズをとった。



「そこまで、だな。勝者はハルカ!」

 

「うぅ~!悔しいーっ!!」


「ま、良くも悪くもミライは攻撃が素直過ぎね」


「そういうとこミライは昔から変わらないよな」


「兄さままで…

 でも、『スピリット』を詠唱途中のまま保持しておいて、

 攻撃を受けて、相手の必殺のタイミングで“雷化”して相手の不意をつくというのは、

 我ながらよく出来たと思ったんだけど…」


「ははは、悪いな、ミライ。

 それ、俺が前世でハルカ相手に使った作戦なんだよ」


「ええっ!?」


「そう、その時にまんまとアニぃにやられたから、

 今回はその対策をしていたってわけ。

 ミライならきっとあの場面で“雷化”して、全力全開でアタシを倒しに来るだろうと踏んでね」


「そ、そんな~!!」



 全てハルカちゃんの手の平の上だった、なんて…!



「…とはいえ、精霊力が十分にあれば、どうなってたかは分からないわね。

 今回はあくまで精霊力に限りがあったからアタシが圧勝出来たけど」


「そうだな、ミライの実力はまだまだこんなもんじゃないからな、

 俺達の旅が終わって、空間転移の魔術が自在に使えるようになったら、

 ハルカやミライ達のいた元の世界で改めて再戦というのもいいかもな」


「ええ、そうね。

 真の決着はその時、ということで」


「うん、分かったよ、ハルカちゃん!

 ボク、それまでにもっともっと腕を磨いておくから!」


「ええ、楽しみにしてるわ!」



 その日までに、まずは基礎となる身体能力を鍛えておかないといけないな。

 それと、詠唱速度。

 早口言葉の練習でもしようかな。




*


 そして、いよいよその時がやって来た。


 その日の深夜、日付が変わる直前、ボク達はイツキちゃんの屋敷の前にいた。



「名残惜しいけど、しばしのお別れね」


「兄さま、ボク達待ってるから」


「だから、必ず帰って来て…」


「ああ、さっさと魔王ヤミを倒して戻ってくるよ、

 その時には他の姉妹も紹介するから」


「せっかく再会出来て、両思いになれたんだから、

 もう勝手に死んじゃ嫌だよ、アニ君!」


「分かってる、もう二度と自分勝手にカッコつけて独りよがりに死んだりしないよ。

 家族(きょうだい)全員、必ず無事に帰ってくる。

 お前達も、無茶はするなよ?」


「大丈夫、皆は私、ナナカが必ず守ってみせるから、ヨウイチ君は安心して行ってらっしゃい!」


「そういうナナカ姉ちゃんも、無茶はしないでね?」


「お兄さん、僕も、お、男として、姉さん達を守れるよう強くなるよ!」


「ああ、ムツキ!姉ちゃん達を頼むぞ!」


「皆様と離れ離れになるのは寂しいですが、わたくし達家族(きょうだい)の絆は、離れていても永遠です」


「マイカお姉ちゃん、帰って来たら、またおっぱい枕してね…、グスン」


「もう、カズヒちゃんは本当におっぱい好きな困った妹ちゃんね♪」


「バカズヒは本当に最後まで…

 ううん、最後じゃなかったわね。

 ミライ、帰って来たらまた“遊び”しょう、次こそ決着をつけるわよ!」


「ええ、【グランドクイーン】のアナタとまた“遊べ”るのを楽しみに待ってる!」


「ミライ、モモコ、ボク達ともまた趣味のこととかで遊ぼうね!」


「今度こそは~、魔法少女コスプレとかしてもらうからね~」


「う…、さすがにコスプレはまだちょっと…、」


「大丈夫…、ミライは何を着ても似合うから…」


「ムッちゃん、男の子だからって、あまり無茶してお姉ちゃん達困らせたらダメだからね?」


「は、はい!」



 もうあと数秒で日付が変わる。

 兄さま達とのしばしの別れ…

 寂しいけれど、ボク達にはこの世界でなすべきことがある。



「じゃあ、皆、元気で!」


「ヨウ君達も!」


「「「「「また会う日まで!」」」」」



 そうして、兄さま達はこの世界を後にしていった。

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