第5話「束の間の日常②」
*
5月2日。
ボク達はコクラ駅ビルの北口にいた。
アスカさんが紹介してくれたのは、髪の長い美少女だった。
「紹介しよう、ヨウイチ君達はもう会っていると思うが、
彼女は我が小隊の副隊長であり、君達と同じ学年になる、」
「ムツミ・ルッキーナです。
歳は17ですけど、皆さんと同じ“キュウシュウ国立第1軍学校高等部”二年になります。
クラスは一つしかないので、ゴールデンウィーク明けからはクラスメイトになりますね!」
現在17歳ということは、ボク達より一つ歳上なんだ。
現時点で17歳だと普通は高等部三年生のはずだから、何か事情があるのだろう。
それに、それを言うならマイカ姉さまは19歳だし、ムツキ君は15歳、メイコちゃんは14歳で高等部二年に編入することになっている。
ムツミさんは先日のシロック邸に突入した際に、兄さまやメイコちゃん達とはすでに会っているとのこと。
それから軽くボク達の自己紹介をしたのだが、ムツキ君の自己紹介の時に…、
「えっと、僕の名前はムツキです、15歳で、姉さん達のように前世の記憶は無いのですが…、」
「か…、カワイイ!!」
「え?…ふぎゅっ!?」
突然、ムツミさんがムツキ君を抱き締めたのだ!
しかも、その放漫な胸にムツキ君の顔を押し付けるように!
「ふ…ふみゅぅ…!」
「ムツキ君だっけ?私と名前が一文字違いなんだね!スッゴい偶然!!
ねぇ、お姉さんの弟に、ううん、彼氏にならない!?」
「ふっ、ふぇええええぇっ!?」
ムツキ君は顔をおっぱいに押し潰されてまともに言葉も発せていない。
ボク達も突然のことに、しばし呆然としていたが、真っ先に我に帰ったサクヤ姉さまがムツミさんに声をかけた。
「え、えーっと、ムツミさん?
まずはムッちゃんを離してあげて、それから先程の発言に関して詳しく説明してもらえるかしら?」
弟を取られて怒っている、というわけではなく、あくまでも冷静に事態を収めるための質問、という感じだ。
実際、ボク達を含めて、ムツキ君のことは確かに弟としてはとてもカワイイと思うし、愛してもいる。
でも、兄さまに対する恋愛感情ではなく、純粋な家族としての愛情だ。
それはムツキ君も同じで、幸い彼には兄さまのような重度のシスコン属性は無く、だからこそ全うに恋愛をして欲しいと願っているボク達家族なのである。
「あ、ご、ごめんなさい…!
年下の男の子で、私好みのカワイイ男の子が目の前に現れたから、つい感情が荒ぶってしまって…」
「ムツミ君の悪い癖がまた出たな…
しかし、弟にならない?は今まであったが、彼氏にと言うのは初めてじゃないか?」
「うん、私も自分で驚いてます。
私、ムツキ君に本気で一目惚れしちゃったかも…!」
「だってよ、ムツキ?どうするんだ?お前、おっぱい大きい年上女性好きだろ?」
「おっ、お兄さん!僕は別にそういう…、ことも、なくはない、ですけど…」
「じゃ、じゃあ、私と付き合ってくれるの!?」
「そ、それは…、まだ分かりませんけど…、
ま、まずはお友達から、という感じで、」
「うんうん!それでもいいよ!
私、絶対にムツキ君に好きになってもらうから!」
「ふみゅっ!?」
そう言ってまたムツキ君をその胸に抱き締めるムツミさん。
ムツキ君、メチャメチャ顔赤くなってるし、ズボンもテント張っちゃってるし、心底嫌がってるわけじゃなさそうだし、満更でもない感じ?
まぁ、頑張れ少年!
*
そんなこんなで、ムツミさんがムツキ君のことは手放さないという感じで恋人繋ぎをしている中(ムツキ君は物凄く恥ずかしがってるけど)、早速という感じでイツキちゃんが身を乗り出すように口を開いた。
「ではムツミさん!早速ですが、この世界のアニメのオススメを教えてもらってもよろしいですか!?」
「オッケー、じゃあこの先にあるホクヨウ県のオタク達の聖地、
“コクラアニメ文化シティ”へ行きましょう!」
“コクラアニメ文化シティ”と言うのは、コクラ駅ビルに直結する形で建っているビル一軒がアニメ関連ショップのテナントで占められているという、まさにアニメオタク達の聖地だ。
兄さま達の世界には“あるあるCity”という名称で似たような施設があるらしい。
「お、おおっ…!素晴らしいですわ!
このような施設が存在するなんて…!」
「あれ?イツキちゃん達の世界には無いの?」
「ええ、わたくし達の世界にはこのような大型アニメ関連施設は存在しておりませんわ。
ですからカズヒさん達の世界にも似たような施設があるというのは羨ましい限りです」
「なら、いつかあたし達の世界に来たときに案内するよ!」
「ぜひお願い致しますわ!」
そんなイツキちゃんとカズヒちゃんの会話を聞きながら、ボクは改めてその施設を眺めた。
外壁には黒と白の魔法少女のような衣装を纏った少女二人のイラストが大々的に貼られており(何やらこの世界で最も有名なアニメ『魔法少女マギカ☆なのは』という作品のメインヒロインとサブヒロインらしい)、コクラ駅ビル二階から直結しているメインゲートでは、まさにその二人の立体像が左右に立って出迎えてくれているような形だ。
そこから中に入ると、目の前に一階と三階に向かうエスカレーターがあり、エスカレーターを囲うように左右に施設がある。
向かって右側にはフィギュア専門ショップがいくつも並ぶエリアとなっており、左側にはアニメコラボカフェ(現在コラボしているのが『魔法少女マギカ☆なのは』のようだ)がある。
そのカフェには大きなモニターがあり、常にアニメが流されており、ちょっとした鑑賞会のような形で盛り上がっていた。
エスカレーターを降りて一階はいくつかのメイドカフェがある。
メイドカフェと聞いて、兄さまとカズヒちゃんとメイコちゃんが物凄く反応していたので、何故かナナカ姉さまも合わせた四人は一階の方へと降りていった。
サクヤ姉さまとマイカ姉さま、そしてアスカさんの年長組は、コラボカフェの方でゆっくりするとのことで、そのまま二階に残った(ぷち鑑賞会で盛り上がっているような場所でゆっくり出来るのだろうか…?)。
残ったボク達は三階へと上がった。
三階にはアニメ関連ショップがズラッと並んでおり、イツキちゃんや兄さま達の世界でも有名なアニメショップ(一部名前が変わっていたりするらしいが)が軒並み入っているとのこと。
そこで何かのスイッチが入ったイツキちゃんは、嫌がるハルカちゃんを引っ張るようにして連れていき、アニメショップ巡りを始めてしまった。
最後に残ったボクとマコト姉さま、モトカ姉さま、モモコちゃん、ムツキ君、ムツミさんは、さらに上階へと向かった。
四階には中古品専門ショップや、クレーンゲームコーナーが並んでいたが、ボク達はそこをスルーし、五階へと向かった。
五階にはマコト姉さまが気になると言っていた施設があり、ムツミさんも一番のオススメ施設だと言う。
その名も“ARコスプレスタジオ”。
「ここでは、特種なAR機材を用いて、様々なアニメやゲームキャラのコスプレを疑似体験出来るコーナーなの!」
「へ~、写真撮影とかも出来ちゃうんだ~」
「まっ、魔法少女にボクもなれますか!?」
「マコト…、落ち着いて…」
「ええ、もちろん!
というより、この世界のアニメは昔から魔法少女系の人気が高くて、本当に色んな種類の魔法少女コスが楽しめますよ♪」
「やったー!!」
マコト姉さまがメチャメチャはしゃいでる…
マコト姉さまは昔から魔法少女系のカワイイフリフリ系の女の子に憧れがあったようだ。
見た目は超イケメンの美少女なのに中身乙女とか本当に反則過ぎるくらいカワイイ。
ところで余談だが、何故この世界のアニメ作品に魔法少女系が多いかと言うと、軍事系技術が特に発達したこの世界ではサイボーグなどのSF的世界観が当たり前過ぎて、フィクションとして作り辛いため、創作物では圧倒的にファンタジー系が多く、その中でも特に魔法を使った戦闘作品が数多く作られ、その中から魔法少女系というジャンルが突出して人気を得た、ということらしい。
ボク達が施設内に入ると、まず特種なAR機材(兄さま達の世界基準で分かりやすく例えるなら、某アニメ作品の“スカウター”みたいな形の機材)を左耳にかけると、途端に視界が変わり、先程まで建物内だったそこは、広い草原に変わっていた。
おまけに、全員の付けてたスカウターも消えている(実際には消えたように見えてるだけ)。
「おおっ、凄い凄い!」
「確かに、思ってた以上に凄いわね…!」
さすがにこれにはボクもテンションをあげざるを得ない。
すると、何度もこの施設を利用しているというムツミさんが説明してくれた。
「さて、ではARコスプレのやり方ですが、すごくシンプルです!
まず右手を目の前の空間に向かってタップしてみてください」
言われた通り、何も無い空間を右手の人差し指でタップしてみると、目の前にズラッと文字列の並んだ画面が映し出された。
「あ、何か画面が出てきましたよ?」
「何々~?
『魔法少女マギカ☆なのは』の鹿目なのは(通常フォーム)、
それに、(究極フォーム)~?」
「他にも…、たくさん書かれてる…」
「はい、その中からコスプレしたいキャラをタッチして選んでもらうと、
皆さんの着ている服が、そのキャラの衣装にチェンジしてコスプレ体験出来るという仕様です!
こんな風に!」
そう言うとアスカさんは空間をタッチすると(向かい合っていると相手の画面は見えないみたい)、アスカさんが一瞬光に包まれ、次の瞬間には露出度の高い、黒いビキニアーマーの悪の幹部風の衣装にコスプレしていた。
「おー!カッコいい!!」
「ね、どう?ムツミ君?」
「え、えっと、ムツミさんに似合ってて、すごくいいと思います」
「あら、それって私が悪女ってこと?」
「い、いえ、そういう意味ではなく!
そ、その、スタイルとか、そういう意味で…!」
「ふふ、分かってるわ、ありがと♪」
そう言ってムツキ君の腕に胸を押し付けるように抱き付くムツミさん。
ムツミさんのアタックにムツキ君はたじたじだ。
端から見るとラブラブなバカップルにしか見えない、いや姉弟か?
とりあえずそんな二人はおいておいて、マコト姉さま達は早速どのコスプレをするか話し合っているようだ。
「よし!じゃあ、ボクはこれ!
『魔法少女マギカ☆なのは』の鹿目なのは(通常フォーム)!」
マコト姉さまの姿が一瞬光に包まれると、次の瞬間には白を基調としたフリフリの魔法少女衣装に、右手にはピンク色の球体が先に付いた魔法の杖を持ったマコト姉さまの姿が現れた。
「お~、姉ちゃんカワイイ~♪」
「えへへ~、そうかな♪」
「うん…、似合ってる…!」
「ありがと、モモコ!」
「やはりマコト姉さまは元がいいからカワイイ衣装も難なく着こなせちゃうわね、さすが!」
「ちょっとミライ~、そんなに褒めないでよ~♪」
見た目にも超ご機嫌なのが丸分かりなマコト姉さまは、やはりカワイイ!
「じゃあ、次はボクの番だね~
『魔法少女マギカ☆なのは』のホムラ・テスタロッサ(通常フォーム)~!」
続いて、モトカ姉さまが黒を基調とした、魔法少女というよりは魔法騎士というようなより戦闘に特化したようなカッコいい系の衣装にチェンジした。
右手には先端に水色のひし形の石が付いた、黒くて先の尖った魔法の杖を持っていた。
「おおっ!!モトカ超カッコいい!!」
「えっへん~♪」
「モトカ…、スゴい…!超似合ってる…!」
「本当、少し意外というか、モトカ姉さまのカッコいい系の衣装は新鮮かも!カッコいい!!」
「いやはや~、そこまで二人に言われると照れますな~♪」
普段はカッコいい系のマコト姉さまとカワイイ系のモトカ姉さまという印象が強いだけに、二人が正反対の衣装を身に纏うと、そのギャップにキュンとなる!
目と心が癒される…!
「じゃあ、最後はボク…
『魔法少女マギカ☆なのは』の八神マミ(通常フォーム)…!」
最後にモモコちゃんがチェンジしたのは、黄色を基調とした衣装に、頭には軍隊帽、左手には魔導書、右手には魔法少女らしからぬマスケット銃を持った魔法少女だった。
「おおっ、いいね、いいね!!
モモコもすっごく似合ってるよ!!」
「モモコちゃん、最高にイケてるよ~♪」
「そ、そう、かな…?」
「うん、ボクも似合ってると思うよ!
モモコちゃんカッコカワイイ!」
「ミライも、ありがと…♪」
普段はクールで無口系な印象のモモコちゃんが、照れながらも嬉しそうににこりと微笑んだ。
ああもうカワイすぎる!!
前世では好きな人に振り向いてもらえず、なんて寂しい人生なんだろうと悲観したものだが、その好きな人の妹として転生して好きになってもらえただけでも奇跡なのに、こんなカワイくてカッコいい姉妹達にも囲まれて…!
「な、なんかミライが物凄く幸せそうな顔してトリップしてるんだけど…?」
「ボク達のカワイさに骨抜きにされちゃったか~」
「ミライ…、帰って来て…!」
「…はっ!?え、ごめん、聞いてなかった!何か言った?」
「ううん…、何も…」
「それより!ミライも何かコスプレしようよ!」
「ぼっ、ボクも!?いやいや、いいよ!は、恥ずかしいし!
そ、それに、『魔法少女マギカ☆なのは』はメイン三人みたいだし!
そうだ!ボクは撮影係をやるよ!このAR機材に撮影機能もあるみたいだから!」
「えー、でも…、」
「まぁまぁ~、姉ちゃん、嫌がる人に無理矢理コスプレさせても仕方がないよ~
とりあえずはボク達だけで楽しんで、ミライちゃんには写真撮影してもらおう~」
とりあえずボクのコスプレだけは免れた…
そんなこんなで、ボクは撮影係として三人の様々なコスプレ姿をカメラに収めた。
心だけでなく、物理的なフォルダにも彼女達のカワイイ姿を記録することが出来てボクは満足だ♪
やはり美人姉妹は良い♪
…て、すっかりシスコン思想に取り憑かれてしまってるボクだが、前世の時は全然そんな気は無かったハズなのに。
確かに、サクヤ姉さまのことは敬愛していたけど、そういう感情ではなかった。
この身体に転生したことで、ボクの人格に影響が出ているのは間違いないだろう。
しかし、ジョウゴ氏による“魂転生論”では人格は魂にのみ宿るという話だったが、この肉体には魂に影響を及ぼすだけの強い力があるというのだろうか?
兄さまに強い愛情を抱いてそれが叶わなかったボク達の魂と、それを宿すための器として選ばれた兄さまの姉妹のクローンの身体。
それらに因果関係が…、
「…ライ?、ミライ!」
「はっ!?ご、ごめん、聞いてなかった!な、何かな?」
「次は四人ヒロインの魔法少女物のコスプレをしようと思うんだけど~、」
「ミライに、この娘のコスプレをして欲しくて…」
ボクが余計なことを考えている間に、三人はすでに別の魔法少女のコスプレをしていた。
どうやら『キュアリティ4♪Max☆Star』という作品のコスプレらしい。
マコト姉さまは黒基調にピンクのライン、モトカ姉さまは白基調に水色のライン、モモコちゃんは薄桃色基調に浅黄色のラインの入った、それぞれお揃いの衣装になっている(それぞれキュアリティブラック、キュアリティホワイト、キュアリティウィンディというらしい)。
「えっ!?いや、だからボクは、」
「えいやっ!」
「え、ちょっ!?」
マコト姉さまに背後に回り込まれ(というか加速装置も使ってないのに速っ!?)、羽交い締めにされる。
そして、今度はモモコちゃんがボクの右腕を掴み(というか力強っ!?)、ボクの右手を操作してボクのタッチパネルを勝手に出現させ、画面をスクロールさせていく。
「あった…、ミライは、これ…」
「え、待って!?なんでモモコちゃんにボクの画面見られてるの!?」
「正面からだと見えないけど~、背後に回り込めば見えるみたいだよ~、あんな風に~」
モトカ姉さまの指差す先には、ムツミさんに後ろから抱き締められて、勝手にコスプレさせられてるムツキ君がいた。
「ちょっ、勝手に…、」
「キャー!!やっぱり似合うわ!!カワイイ!!
『魔法鉄人27号』の金田一章太郎君のコスプレっ!!
美少年に半ズボン!!これぞ最強の組み合わせ!!
もうやっぱり私はムツキ君と結婚するしかないわ!!お願い!私を今すぐ抱いてっ!!」
「もうすでに抱き着かれてますけどね!?」
あっちはあっちで楽しそうね。
って、そんなこと言ってる場合じゃなかった!
「というわけで…、ミライは、キュアリティブライトに、チェンジ…!」
「きっ、キャアアアアアアッ!?」
次の瞬間、ボクの服はレモン色基調に黄緑色のラインの入った三人と色違いのデザインの衣装に変わっていた。
「おおっ!!」
「ミライちゃんカワイイよ~!」
「うん…、絶対ミライに似合うと思ってた…!」
「うぅ…、コスプレは恥ずかしいって言ったのに…!」
「まぁまぁ!とりあえず、ボク達の使える時間もそろそろみたいだし、これを最後に記念写真を撮ろう!」
そして、恥ずかしがるボクに無理矢理ポーズを決めさせて、四人で集合写真を撮ることになった(撮影は、スカウターの撮影設定を変えれば離れたアングルからの自撮りも出来るようになってるらしい)。
そして、概ね皆が満足した表情でスタジオを出ると、その足で二階のアニメショップに向かい、三人は今日着た衣装の魔法少女が出てくる作品のBlu-rayやグッズを買い漁るのだった。
…かく言うボクも、いくつかの作品には興味があったから、一緒にグッズなんかを買ったんだけどね。
*
その後、それぞれの買い物などで満足した皆は、アスカさんとムツミさんと別れて(ムツミさんは物凄く名残惜しそうにしていた)、家路に付いた。
皆が抱える買い物袋の中で、一つ気になるものがあったので、そのことをナナカ姉さまに尋ねた。
「ナナカ姉さま、その大きな袋は何?
アニメショップをはしごしてグッズやDVDなんかを大量買いしたイツキちゃんやハルカちゃんは分かるけど、」
「アタシはイツキの荷物持ちだけどね」
「…それはともかく、何故メイドカフェに行ってたハズのナナカ姉さまがそんな大きな袋を?」
「これは、」
「おっとー!それは帰ってからの秘密だよ!
ね、アニ君、カズヒ姉ちゃん!」
「ああ、そうだな」
「ふふふ、きっと驚くと思うよー!」
「何かしら?気になりますわね」
その答えは夕飯時になって分かった。
メイさんとセイさん、そしてサクヤ姉さまとマイカ姉さまが夕飯の配膳をしている中にナナカ姉さまも混ざっていたのだが、その格好が…!
「ナナカ姉さま、その姿は…!?」
「似合ってますか?」
ナナカ姉さまの格好は、黄色を基調とし、胸元は大きく開き、スカートはパンツが見えそうなくらい短く、絶対領域から覗くガーターベルトがチョイエロな、フリフリ満載のメイド服だった!!
「まさか、姉さまが買っていたのって、」
「ええ、メイド服です」
「いやー、メイドカフェでメイドさんが着ていた衣装に興味津々だったナナカ姉ちゃんに、アニ君が買ってあげたんだよ!」
「兄さまからのプレゼント…!」
うーむ、控え目に言って、エロカワイイ!!
メイさんの王道メイド服と違って、健康的に露出した胸元と絶対領域が、ナナカ姉さまの魅力を120%以上に引き出していて、もう本当に素敵です、ありがとうございます!!
「あの…、ヨウイチ君は、どう思う、この格好?」
「ああ、いい!!物凄くいい!!
控え目に言ってもエロカワイイ!!」
ボクと同じ感想を抱く兄さま。
兄さまにべた褒めされて、ナナカ姉さまは顔を真っ赤にしていた。
「ヨウイチ君に褒められて、凄く嬉しい…!
そうか、これが…、この感情が…!
ありがと、ヨウイチ君、…大好きっ!」
チュッ♪
そして兄さまの頬にキスをしたナナカ姉さま。
この瞬間、本当の意味でナナカ姉さまも、ボク達家族の一員になれたんだと感じた。
同じ人を愛する姉妹として。
そんなこんなで、ボク達の平和な日常はまだまだ続く。




