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シスターズアルカディアSideB-Brand new Sisters-  作者: 藤本零二
第2部第1章~Brand New Days~
51/58

幕間「乙女石」

*


 “戦乙女ヴァルキリー”とは、“ワールドカシミウラ”という世界において、“機械星ヴァイスター”と呼ばれる星から現れた、“侵略宇宙機械生命体ヴァイスターエクストライフ”と呼ばれる侵略宇宙生命体から人々を守るために戦う少女達のことだ。


 彼女達は、“乙女石ヴァルキリーアイ”と呼ばれる特殊な石をピアスのように耳たぶに装着することで、そこから血液を介してナノマシンが全身に行き渡り、それぞれの“乙女石ヴァルキリーアイ”に対応した特殊信号を受信して、戦闘用の特殊外装を纏った姿に変身、『武装化ヴァルキライズ』する。

 そして、各“乙女石ヴァルキリーアイ”に対応した特殊信号を送信することが出来る石を“主人石マスターズアイ”と呼び、それを指輪のようにして指に装着した者を“主人マスター”と呼んだ。


 また、“戦乙女ヴァルキリー”は『武具化アーミライズ』という武器に変身することで、“主人マスター”が装備して戦うこともある。

 そうするメリットは、『武装化ヴァルキライズ』した時と、『武具化アーミライズ』した時で、使用出来る能力がガラッと変わるからだ。


 例えば、『武装化ヴァルキライズ』した時の能力が遠距離ロングレンジ特化なら、『武具化アーミライズ』すると近距離ショートレンジ特化になる、という感じだ。

 なので、“戦乙女ヴァルキリー”と“主人マスター”は状況に応じて、その戦闘スタイルを変えて戦うのだ。



 “戦乙女ヴァルキリー”は、最初から“主人マスター”とセット、つまり変身時に“乙女石ヴァルキリーアイ”と“主人石マスターズアイ”が必要だったわけではない。


 世界で最初の“戦乙女ヴァルキリー”、【原初の(オリジナル)戦乙女ヴァルキリー】は、“乙女石ヴァルキリーアイ”のみで変身出来た。

 この時の“乙女石ヴァルキリーアイ”は、破壊された“機械星ヴァイスター”の欠片が、地球の大気圏に突入した際の摩擦熱などで化学反応を起こして変化した高エネルギー物質で、地上のあちこちに散らばって存在していた。

 そのため、個人として活動する“戦乙女ヴァルキリー”がほとんどであった。


 その後、散らばっていた“乙女石ヴァルキリーアイ”を回収し、新たに人工的に改良を加えた“乙女石ヴァルキリーアイ”が作られて、“戦乙女ヴァルキリー”を組織化していった。



 そこからさらに時代が進み、時の権力者達の思惑などが複雑に絡み合い、“戦乙女ヴァルキリー”達をより適正に管理しようとする動きが出てきた。

 そうした動きの中で作られたのが、“乙女石ヴァルキリーアイ”を制御するための“主人石マスターズアイ”だった。


 

 そして現在、“戦乙女ヴァルキリー”達を育成するための学校、戦乙女ヴァルキリー養成学院では、“予科乙女石プレヴァルキリーアイ”と呼ばれる汎用型の“乙女石ヴァルキリーアイ”が使われている。

 “予科乙女石プレヴァルキリーアイ”は“汎用主人石オルタマスターズアイ”と呼ばれ、それらは訓練担当教官が所持しており、“汎用主人石オルタマスターズアイ”一つで、一学年の生徒全ての“予科乙女石プレヴァルキリーアイ”を起動させることが出来る仕組みになっている。




*


「私に“乙女石ヴァルキリーアイ”と“主人石マスターズアイ”を作って欲しい?」



 アニ君との姉妹デートが行われている時期に、マイカ姉ちゃんにそう頼んだわたしことメイコ。



「うん、ほら、わたしのサイボーグとしての能力って、“加速装置”だけでしょ?

 勿論“加速装置”そのものはチートなんだけど、普段はオーバースペック過ぎて使えないでしょ?

 そうなると、わたしってほとんど役立たずじゃない?」


「なるほど、だから“戦乙女ヴァルキリー”としての力が欲しい、と」


「そういうこと!」



 わたしは、前世では【炎帝石ファイアレッド戦乙女ヴァルキリー】として、“侵略宇宙機械生命体ヴァイスターエクストライフ”と戦っていた。

 “炎帝石ファイアレッド”と言うのは、“乙女石ヴァルキリーアイ”の中でも特定の人物にしか扱えない特殊な石、ということになっている(詳しいことはわたしもよく分からない)。


 その“炎帝石ファイアレッド”は、わたしの死と共に行方不明になっていて、現在も見つかっていないということらしい。

 いずれは“ワールドカシミウラ”に戻って“炎帝石ファイアレッド”を捜索してみようとは思っているけど、捜索には時間がかかるだろうから、本格的に探すとなると学校が長期休暇に入ってからになるだろう。



「だから、それまでは普通の“乙女石ヴァルキリーアイ”で我慢しようかな、って」


「でも、作ってと言われてもそう簡単には…

 そもそも材料とか構成とか全く分からないし…」


「なので、アニ君達から“予科乙女石プレヴァルキリーアイ”を貰ってきたんだ!」



 そう言ってわたしは、アニ君達から貰った四つの“予科乙女石プレヴァルキリーアイ”をマイカ姉ちゃんに渡した。



「これは、ヨウ君達が“ワールドカシミウラ”で、戦乙女ヴァルキリー養成学院に編入してた時に手に入れたもの、だったっけ?」



 そう、それらは戦乙女ヴァルキリー養成学院に編入したアニ君とイツキ姉ちゃんとカズヒ姉ちゃん、そしてツキヒちゃんが着けていた“予科乙女石プレヴァルキリーアイ”だ。



「元々、“主人石マスターズアイ”はオリジナルの“乙女石ヴァルキリーアイ”を解析して、その力を制御するために“乙女石ヴァルキリーアイ”を改造して作られたものらしいんだよね。

 で、それらをさらに学生用にデチューンして作られたのが“予科乙女石プレヴァルキリーアイ”とそれを制御するための“汎用主人石オルタマスターズアイ”、ってことみたい」


「…なるほど、であれば、この“予科乙女石プレヴァルキリーアイ”を解析して、改造を加えれば、元の“乙女石ヴァルキリーアイ”と“主人石マスターズアイ”を作れるかもしれないわね。

 幸い、素材が四つもあるのだから、これらを改造して1セットくらいは作れるかもしれないわね」


「本当に!?」


「ええ、と言っても期待はしないでね?

 確実に出来るとは約束できないし、結構時間もかかると思うから…」


「うん、そこは理解してるつもり!」



 その時のわたしは、完成するのは正直難しいだろうなと思っていた。

 仮に完成するとしても、下手したら数ヶ月かかる可能性もあるんだろうなとも考えていた(それでも行方不明となった“炎帝石ファイアレッド”を見つけ出すよりは可能性は高いと思っていた)。



 だけど、わたしはマイカ姉ちゃんの実力を、どうやら過小評価し過ぎていたらしい…

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