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シスターズアルカディアSideB-Brand new Sisters-  作者: 藤本零二
第2部第1章~Brand New Days~
46/58

第4話「マコトとモトカとハヅキ」

*


 6月3日月曜日の朝、ミライ達が登校するのと入れ替わるように、クルセイド研究所へアスカ・イェーガさんがやって来た。


 とりあえず、アスカさんと共に研究所の応接室へと移動したボクことマコトと、双子の妹のモトカ、そしてもう一人、クローンサイボーグNo.8、アハトンことハヅキ。


 ボク達はハヅキともほぼ初対面になるので、とりあえずの自己紹介をした後に、本題へと入った。



「では、改めて、マコト君にモトカちゃん、そしてハヅキちゃんには明日から“キュウシュウ国立第1軍学校高等部”の女子部に通ってもらうことになる」



 この場にいることからそうだろうとは思っていたが、やはりハヅキもボク達と同じくキュウシュウ国立第1軍学校高等部に通うことになるようだ。


 ところで何故ボクだけ“君付け”なんだろう?

 カズヒもそうだけど、ボクのことを何故か“君付け”で呼ぶ人がそれなりにいるが、ボクのことを女の子として見てくれていないのかな?

 元男子のハヅキが“ちゃん付け”されて呼ばれていることからも、余計にそのことが気になった。



「そのための書類なんかはすでにこちらで手配しているから、君達が改めて何かをする、ということはない」



 ちなみに、三人とも学年はミライ達と同じ二年生になる。

 キュウシュウ国立第1軍学校高等部は、校舎が男子部と女子部に別れており、女子部は一学年一クラスだけだが、敷地は一般の高校と同じくらいあるらしい(元々は男子部も女子部も同じ校舎だったが、廃校となった高校の校舎を再利用する形で女子部が独立したらしい)。

 なので、空き教室なんかも多い、のかと思いきやそういうわけでもなく、空いた教室はぶち抜いたりして戦略シミュレーション用の機械を入れたり、サイボーグ技術の開発などを行うための設備を入れたりして活用しているようだ。

 そのため、校舎の敷地内のセキュリティはしっかりしているようで、敷地内に入るには専用のICチップを持った者しか入れなくなっている(その他にも色々あるようだが、それ以上は機密事項として教えてくれなかった)。



「だけど、先日のムツミ君誘拐事件で、超能力などによって他者の肉体を利用して潜入するという事案が起こった以上、我が校のセキュリティも完璧でないことが判明し、今はその対策でてんてこ舞いさ」


「自身の魂を分割して、他者の中に入り込み、その身体を操って侵入するなんて芸当は誰もが真似できるものじゃないから、仕方がなかったんじゃないですか?」


「それはまぁハヅキ君の言う通りなんだが、そういう能力者が一人でもいたという時点で、無視は出来ない。

 そういう能力者が一人でもいたということは、その能力をかのジョウゴ氏も使えて当然と考えるべきだからね」



 超能力者集団である“新人類教”、その教祖であるジョウゴという男は、かつて兄さん(ヨウ博士)との研究成果を巡る争いに敗れたことで激情し、自らの研究成果である“超能力”の力を世に示すために反乱を起こした。

 ジョウゴの恐ろしい点は、あらゆる魂を自在に転生させることが出来ることで、それは自身の魂も例外でなく、彼は殺される度に新しい肉体に魂を転生させて生き延びてきた。

 さらに恐ろしい点は、転生する度に新たな超能力を得る点で、つまり、彼は殺される度に強く、厄介になっていくということだ。


 なので、ジョウゴは決して殺さないよう生きたまま捕らえられ、そのまま冷凍投獄されることになったのだが、冷凍保存装置が施設停電の影響で一瞬止まり、そのせいでジョウゴの肉体は死に、その魂が解放されてしまった。

 その後、ゼロのクローンサイボーグ計画を影で支援していたシロックという男の身体に転生し、フォルス(ヒカリ)達を操ってレイヤ達と争うことになったのだが、その際にゼロの魂が転生したキメラクローンNo.03、サン、彼女()の持つ“竜の涙(ドラゴンズクライ)”の力で、サンに吸収されてしまったらしい、のだが……、



「じゃあアスカさんは、ジョウゴが『魂の分配』と『魂の譲渡』の能力も持っていて、

 サンに吸収される前に、誰か別の肉体に自身の分配した魂を譲渡しておいて、何処かに逃げ延びている、と?」


「可能性の問題だがね。

 私の仕事上、1%でも可能性があるなら、それは100%だと思って対処に当たらなければならないからね」



 アスカさんは学生でありながら、表向き裏向きに関わらず、あらゆる国防に関する仕事をこなしている。

 ある意味で、能力面でチートと言われるカズヒ以上にチートな活躍をしているそうだ(しかし、それらの活躍は決して表に出てこないが)。



「そんなわけで、君達にはこれから学生生活と同時に、表向きには“国防兵団第3小隊”として、そして私の持つ裏部隊“第0小隊”としても活躍してもらいたいと考えている」



 第3小隊はミライ達も所属する表向きの実戦部隊で、第0小隊はレイヤ達が所属する裏の掃除屋的な組織だ。



「第3は分かりますけど~、第0にも所属するんですか~?」


「いやー、ほら、レイヤ君達は“ワールドアクア”の学校に行くことに決めたそうじゃないか?

 そうなると、第0の人員がいささか心許なくてね…」



「ああ、勿論強制参加させるつもりはないから、嫌なら断ってくれていい、特に第0に関してはね。

 それに、仮に所属したとしても、マコト君とモトカちゃんにとってはヨウイチ君やその姉妹達、

 ハヅキちゃんにとってはムツキ君達の方が大切だろうから、どちらかの用事を取らなければならないような事態になった場合は、君達にとって大切な方を優先してもらって構わないから」


「ボクは別に構わないですよ。

 正直、世界平和とかそんな大層なことを望むつもりはないですけど、せめてボクの家族きょうだいや周りの人達を守るためになら、この力を使ってもらって構わないです!」


「姉ちゃんが~、そう言うならボクもいいよ~」


「私も、構いません。

 私の場合は罪滅ぼしという意味合いが無くもないですけど、どんな形であれ、今度こそ大切な人達を守れるのなら…!」


「うん、三人の想いは受け取ったよ。

 であれば、君達は今から私の部下という立場になるから、私の命令は絶対だ。

 しかし、先程も言ったように私の命令以上に、ヨウイチ君や君達の家族からの要請の方が優先されるから、その場合は遠慮なく断ってくれていいからね」


「了解です!」


「了解~!」


「分かりました!」



 しかし、一応は国防軍的組織なのに、個人(というか家族?)の事情で上官命令を無視してもいいのだろうか?



「全然問題ないさ。

 それに、見方を変えれば、私にとってはマイカ伯祖母おおおば様とその家族のことが最優先される、ということにもなるからね」



「それに、第3に関してはそれなりに人材豊富だし、

 ある意味君達のスペックは、オーバースペック過ぎる故に、使いどころが限られるというのもあるからね」



 確かに、ボク達の切札の一つである“加速装置”だけでも、その気になれば国一つを単独で滅ぼせる力だからな…

 なので、“加速装置”の使用に関しては、アスカさんからだけでなく、兄さんからも余程のことがない限りは使わないよう言われている。



「そういうわけだから、基本的には君達は自由にしてもらっていい。

 三人とも、ようやく手に入れた幸せな時間なんだ、思いっきり楽しんで欲しい」


「「「はい!」」」


「さて、では君達の登校は明日からになるわけだが、今後の学校スケジュールに関して軽く説明だけしておこう」



「まず、一学期実力試験が来週の19日、水曜日にある。

 試験は一日だけで、主要四科目(国語、数学、理科、社会)のみだ。

 試験の成績が悪いからといってペナルティがあるわけではないが、あまりにも悪すぎると個別補習などが行われることもあるので、しっかり勉強しておきたまえ」


「は~い」


「はい!」


「……はい」



 ああ、やはり実力試験は受けなくちゃいけないんだね…

 実技試験だったら問題ないんだけどな~…

 ちなみに、現在の“ワールドシルヴァネア”では、外国語の授業は選択制になっている。

 というのも、兄さん(ヨウ博士)が“バイオヴァリアブルメタル”を発見して以降、世界の中心がシルヴァ王国(日本)になり、シルヴァ語(日本語)がかつてのグレータヴィア語(英語)に変わって国際的標準語となったからだ。

 なので、学期試験などで行われる試験は、主要四科目+選択外国語+副科目(保健体育など)という風になっている。



「実力試験が終われば、7月頭に軍学校女子部対抗運動大会がある。

 これはその名の通り、各軍学校の女子部全員参加の運動大会なのだが、通常の運動会や体育祭で行われるような競技に加えて、実戦寄りの競技もある大会なのだが、まぁ、詳細は後日担任の方から説明があるだろうからその時に」



 運動大会!

 これならボクにも活躍の場面はありそうだ!



「そして7月末には学期末試験だ。

 ぶっちゃけた話、君達は他の生徒達と違い、私直属の部下という立場であるから、余程の酷い成績でない限りは留年などといった措置はあり得ない、

 が、だからと言って、試験を疎かにされても困るので、せめて全教科平均点以上はクリアしてもらいたいと思っている」



 留年がないと分かっただけでも朗報だが、全教科赤点回避でなく平均点以上か…

 というか、全教科平均点以上取れるならそもそも留年しないのでは?

 …いや、そもそもボク達は兄さんの姉妹なんだ、兄さんに恥をかかせるような真似はしたくない。



「ま、そこまで気負う必要はないよ。

 普通に勉強していれば、平均点くらい余裕さ」


「そ、そうですかね…?」


「姉ちゃんの場合~、普通に勉強するのが~、まず問題だよね~」


「うぐ…っ!?」


「さて、そういうわけだが、他に何か質問はあるかい?」


「いえ、特には」


「ボクも大丈夫で~す」


「私も、大丈夫です」


「そうか、なら、私はこれで失礼するよ?

 一応私も学生の身だからね、これから登校しなきゃならないんでね」



 アスカさんはこれから登校するのか!



「アスカさん、仕事に学生業にと~、大変そうですね~?」


「まぁ、どちらも楽しいからね。

 学生の方は出席免除されてはいるんだけど、学生生活でしか味わえない経験というものがあるからね」



 そう言って笑顔で去っていったアスカさん。

 何というか、アスカさんって本当スゴい人だな…




*


 さて、残されたボク達だけど…



「………」


「………」


「………」



 なんとなく気まずい雰囲気になっていた。

 ハヅキはボク達の新しい姉妹ではあるけど、事情が少々異なる。


 これまでの姉妹とすぐに仲良くなれたのは、皆兄さんのことが好きという共通点があったからだ(普通なら修羅場もいいところだろうけど、ボク達姉妹に関してはそういうことにはならなかった、約一名を除いて)。


 しかし、ハヅキが好きなのはボク達の弟であるムツキだ。



 なので、共通の話題というものがなく、お互いに何を話せばいいか手探り状態、というところだった。



 とりあえず無難な話題、というか、個人的にはまず真っ先に取り組んでおきたい話題をすることにした。



「えっと、ハヅキは勉強は得意なの?」


「私、ですか?

 正直、それほど得意というわけでは…」



 ハヅキは、元々性同一性障害の男性(体は男性だけど心は女性)ということで、アハトンだった時は男口調の話し方だったそうだが、今はすっかり女性口調の話し方になっている。



「じゃあ~、今からボク達だけで~、少しだけでも勉強しようか~?

 どうせやることも無いし~」



 モトカが、アスカさんの置いていった教科書と授業内容の書かれたレジュメ、そして今回の実力テストの範囲の書かれた紙を持ちながら、そう提案した。



「あ、そうですね、よろしくお願いします」


「よし!じゃあ、早速勉強しよう!

 あ、それとボク達は一応同い年だし、敬語は使わなくて大丈夫だよ?」


「分かりま…、ううん、分かったわ」



 よし、まさにボクの思っていた通りの流れになった!

 正直、勉強は苦手だが、このまま居心地の悪い時間を過ごすよりかはマシだろう。



「じゃあ~、最初はどの教科から勉強する~?」


「ハヅキは苦手な科目とかあるの?」


「…しいて言うなら社会、かな?」


「社会か~…

 え~っと~、今やってるのは~、“国内史”だって~」



 キュウシュウ国立軍学校の授業カリキュラムは、その学校ごとに異なっているらしく、例えばボク達の通う第1軍学校では、社会科の授業では歴史と地理を主にやるのだが、一年生ではキュウシュウ国がシルヴァ国から独立するまでの歴史“シルヴァ史”と、シルヴァ国を中心とした“シルヴァ地理”を習い、二年生になってからはキュウシュウ国に関する歴史“国内史”と、キュウシュウ国の地理“キュウシュウ地理”を習い、三年生になって、“近代世界史”と“世界地理”を習うことになるそうだ。

 これが第2軍学校になると、三年間を通して“世界史”と“世界地理”を習うという(これらのカリキュラムの違いは、国内の治安維持に特化した軍か、対外向けの国防に特化した軍か、というところからきているのだろう)。



 それはともかく、今回の実力試験での国内史の試験範囲は、建国に至るまでの歴史、つまりは兄さん(ヨウ博士)が“バイオヴァリアブルメタル”を発見してから、たった一人で西の大陸にある国“クレイヴァス帝国”を実質滅ぼしたあたりまで、らしい。



「姉ちゃ~ん、これ~…、」


「うん、まさにボク達が生きてた時代の話だね…」


「あ、そうか、二人は…!」



 クローン姉妹達の脳には、最低限の知識として一般基礎教養と、クローンとして生まれた経緯などの知識があらかじめDLダウンロードされているらしい。

 なので、改めて説明するまでもなく、ハヅキはボク達のことをある程度は知っているのだろう。



「と、いうことは~、ボク達にとって今回の国内史は~、ほぼノー勉でいける~、ってこと~?」


「やった!勉強時間が減るじゃん!!」


「姉ちゃ~ん、そうじゃなくて~、社会に当てる勉強が~、他の科目に当てられる~、ってことでしょ~?」


「あ…、やっぱそうなる?」


「ぷっ…、あははは!マコトってば、どんだけ勉強嫌いなの?」


「うぐ…っ、いや、でも、勉強好きな人なんて頭おかしい人か変態くらいでしょ!?」


「全世界の勉強好きな人に謝れ~」


「ふふふ、あははは!」



 ハヅキに笑われてしまったが、おかげでお互いの間の変な空気はなくなったようだ。

 その後は、理科(第1軍学校では“生物”が三年間の必須科目で、二年生の二学期からは“物理”も習うようになる)や数学の教科書と試験範囲を見ながら、三人で勉強をした。

 主に、ボクが教わる形で…


 モトカは、それなりに要領がよく、教科書を読むだけである程度の内容を理解していった。

 そして、ハヅキに関しては、DLダウンロードされた知識のおかげ(と本人は言うが、さっきは少し謙遜していただけで、元々頭も良かったんだと思う)で、今回の試験範囲に関しては、ほとんど分からない内容は無いらしく、ボクら(というかほとんどボクだけど…)の教師役をしてくれた。



「えーっと、ここはどうするんだっけ…?」


「あ、それはさっきの公式を使って…、」



 そして、気付いたことがある。

 先程から、右利きのボクの右隣にハヅキが座って勉強を教えてくれているのだが、ハヅキがこちらに身を乗り出してくる度に、ハヅキの胸がボクの右腕に当たるのだが、その感触がとても柔らかくておまけに大きいっ!!

 バストサイズ92の破壊力半端ないです!!

 おまけにいい匂いまでするし、時折見せる髪をかきあげる仕草とかもカワイイし、なんだこれ!?

 つい数日前まで男性だったとは思えないくらい女の子なんですけど!?



「?マコト?どうかしたの?」


「はひっ!?いえ、にゃんっ、なんでもないですっ!!」


「姉ちゃんってば~、ハヅキちゃんのおっぱいに興奮して~、勉強に集中出来ないんだって~♪」


「ちょっおっ!?モトカっ!!何てことをっ!?」


「おっぱ…っ!?わ、私の!?」



 顔を真っ赤にしながら両手で胸を隠すハヅキ、その仕草もカワイイなぁ、もう!!



「い、いや~、その…、本当、ハヅキってば、ボクなんかよりも全然女の子らしいよね!

 羨ましいな~、なんて…!」


「そ、そんなことは…!」


「いやいや~、もうどっからどう見ても女の子だよ~

 確かに~、心はずっと女の子だったのかもしれないけど~、これまでは~、男の子として過ごしてきてたわけでしょ~?」


「まぁ、そう、ですね。

 その、前世、というか“ミヅキ・ハラダ”だった頃は、たまに女装とかはしたことがあったけど、本格的に女の子として振る舞うことはなかった、かな?」


「じゃあ、たったこの数日でそこまで女の子らしくなったってこと?

 ズルいな~、どんな方法を使ったら、そんな女の子らしくなれるの?」


「ど、どんな方法と言われても…、ここ数日はムツキや、他の皆と一緒に過ごしてただけだし…」

 

「そういや~、ムツキ君とはもうヤっちゃたの~?」


「ぶっ!?モっ、モトカ!?」


「ヤっ…!?」



 突然、話がエッチな方向にいき、ボクとハヅキの顔が赤くなる。



「ハヅキとムツキは一応、姉弟きょうだいで、ボク達のクローンでもあるんだから、当然血の繋がりはあるわけで!

 そんな二人がそんな、」


「姉ちゃ~ん、ボク達“シスターズアルカディア”のこと~、忘れてる~?」


「そ、そりゃ、ボク達と兄さんも兄妹きょうだいだけど、血の繋がりがあったのは前世の話で、今は血の繋がりはないし!」


「兄ちゃんとカズヒちゃんは~、血の繋がった兄妹きょうだいだよ~?」


「うぐっ…、そうでした…」


「世間がどう言おうと~、ボク達家族(きょうだい)には~、血の繋がりとかは関係ないんだよ~」



 モトカの言う通りだ。

 確かに、現世で血の繋がりがないというだけで、ボク達は兄妹きょうだい同士で愛し合った仲なのだ(具体的な行為にまでは至ってないけど)。

 ハヅキとムツキだってお互いに好き同士なら、別にえ、エッチなことだってしてもいいんだ!

 世間がどう言おうと関係なく、これがボク達の愛の形なんだから、文句を言われる筋合いはないのだ。



「それで~、ハヅキちゃ~ん、どうなの~?」


「えっと…、その……、む、ムツキとは……、」


「うんうん、ムツキ君とは~?」


「し…、しました……」



 顔を真っ赤にして俯きながらそう答えるハヅキ。

 うん、控え目に言ってカワイイ(さっきからカワイイしか言ってない気がするな…)。



「おお~、おめでと~!

 で~、どんな感じだったの~?ハヅキちゃんが~、リードしてあげたの~?」


「い、いや、その、私が、リードしてもらったの…

 ムツキってば、ムツミさん達とすでに経験済みだったみたいで…」


「おお~!?」


「そ、それは意外…!」


「最初は、優しくて…、でも、後半はスゴく激しくて……♪」


「ほほ~う!詳しく!!」


「二人ともっ!!い、今は勉強の時間だよ!?無駄話はそこまで!!」


「あれ~?姉ちゃん、そんなに勉強好きだったっけ~?」


「あー、うん!そう、勉強の楽しさに目覚めちゃったかもなー、なんて…」


「ひょっとして、マコトはこういう話題、苦手なの?」


「そ~うなんだよ~!姉ちゃんってば~、兄ちゃんともう何度もヤってるのに~、未だに~、」


「だーっ!!もういいでしょ、その話はっ!!」


「ふふ、マコトもカワイイとこあるんじゃない♪」


「でしょ~!?姉ちゃんはカッコいいだけじゃないんだよ~!!

 そうだ~!ハヅキちゃんも~、『マコト様ファンクラブ』に入らない~!?」


「「『マコト様ファンクラブ』!?」」



 待って、知らない単語出てきた!!

 え、何そのファンクラブ!?



「ちょっ、何そのファンクラブ!?ボク知らないんだけど!?」


「そりゃ~、姉ちゃんには内緒で作ったからね~♪

 ちなみに~、創始者はボクで~、会員No.1はカズヒちゃん~」



 カズヒ!?

 いつの間にカズヒが入会…、ってそれよりいつから作られてたんだ、そんな会!?



「他には~、イツキちゃんや~、ミライちゃん、モモコちゃん、アキラちゃん、アカリちゃん、アキホちゃんあたりも入ってるよ~」



 結構最近姉妹になった達もいるんだけど!?

 

 

(…ちなみに、会費はいくらなの?)


(なんと~!年会費はたったの千円~!入会特典には~、姉ちゃんの秘蔵ヌード生写真をプレゼント~♪他にも~、毎月発行の会誌には~、姉ちゃんの生写真が必ず付いてくる~♪)


(入会しますっ!!)


「ちょっとそこ!!こそこそしゃべってても聞こえてるから!!

 っていうかボクのヌード生写真っていつの間に撮ってるの!?本人の許可は!?」


「まぁまぁ~、落ち着いて~、姉ちゃ~ん」


「落ち着いてられるわけないだろー!?」


「ぷっ、あははははは!!」



 結局、その後は勉強どころじゃなくなり、“ワールドフラワレス”にいたアキホ達や、学校から帰って来たミライ達を巻き込んでの大騒ぎになったのでした。



「『マコト様ファンクラブ』は今すぐに解散して!!」


「だが断る~ッ!!」

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