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シスターズアルカディアSideB-Brand new Sisters-  作者: 藤本零二
第3章~Chimera Clone Sisters~
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第9話「カオルとサン」

*


「千の炎精よ、集え!!『インフェルノバースト』ッ!!」


「『風刃乱舞ふうじんらんぶ』だにゃっ!!」


「うぎゃああああああああっ!?」



 イツキの炎の精霊術と、リンの風の妖術が、カオルに襲いかかる、その直前、カオルの右手人差し指にはめられていた“主人輪マスターリング”(ジョウゴの超能力『不可視化インヴィジブル』で他人からは見えないように細工されている)が光り、カオルはその場から姿を消した。

 カオルが消えた後で、イツキとリンの術同士がぶつかり合い、激しい爆発を起こした。



 カオルは、間一髪『“主人マスター”召喚』によりその場から脱出し、“ワールドシルヴァネア”のキュウシュウ国ナンヨウ県にある、製薬会社地下とは別の“新人類教”のアジト内に転移していた。


 カオルを『“主人マスター”召喚』で召喚したのは、彼の“隷獣”であるキメラクローンNo.06、通称“ゼロロク”と呼ばれる少女だった。



「ご主人様、ご無事でしたか?」



 ゼロロクはゼロツー、つまり“妖猫ようびょう”と魔人の遺伝子を持ったクローン姉妹の細胞から作られたクローンに、最強魔獣“ガイガーン”のコアを埋め込まれたキメラクローンである。

 その魂は、ガイガーンのコア由来で、ガイガーンの人間態とも言える。


 少女の見た目は、頭からは猫の耳、お尻には魔人の尻尾が生えており、両目はサングラスような見た目の赤茶色のバイザーで覆われており、首には円錐形のスタッズが付いた“隷属輪リング”が巻かれ、その“隷属輪”からは金属製のリードが付けられていて、服の代わりに大事な所が隠されていない濃緑色のボンテージ衣装を着ている。



「これが無事に見えるかっ!?」


「キャッ!?」



 満身創痍といった体のカオルは、八つ当たり気味にゼロロクの身体を突き飛ばす。

 突き飛ばされたゼロロクは両手を後ろに付いて倒れた。


 そうすると、カオルの目の前にゼロロクの股関が突き出されるような体勢になる。

 理性を半ば無くしているカオルは、本能のままに倒れたままのゼロロクに襲いかかり、自らの膨張した股関をゼロロクの股関に突き刺した。



「あぁんっ!?」


「はぁはぁはぁっ!!くそっ、くそっ、ちくしょうがぁあああああああっ!!」



 パン!パン!と、肉と肉のぶつかる激しい音がしばらく続き、カオルの欲望がゼロロクの膣内なかに放出されると、ようやくカオルは正気を取り戻した。



「はぁはぁはぁ…、相変わらずお前の膣内なかは最高だな、ゼロロク…」


「はぁ、はぁ…、こ、光栄です、ご主人様…」


「…ところで、()()()はここにいないのか?」


「は、はい…

 ゼロヨン、ゼロゴー達はサン様の指示で別の場所にて待機すると言って、何処かへ行かれました」


「何処に行くかは聞いていないのか?」


「はい、申し訳ありません…」


「いや、構わない。

 アイツはただでさえ底が知れなかったのに、ジョウゴやハゼス殿まで吸収してしまって、もう俺には手が負えない。

 別行動をするというのなら、俺にとっても好都合だ」


「そうですか…

 それで、ご主人様はこれからどうなさるのですか?」


「そうだな、まずは“ワールドフラワレス”へ帰ろう。

 そこで新たなキメラクローン達の製作に入る」


「新たなキメラクローン、ですか?」


「ああ、死にかけた甲斐があって、俺の一番欲しかった物を手に入れることが出来たよ」



 そう言ってカオルが自分の口の中に指を入れると、『“ギラド”化』した際に生えた牙に巻き付けておいた一本の黒いヒモのようなものを取り出した。



「それ、は…?」


「ああ、せっかく苦労して手に入れたこの髪の毛を燃やされるわけにはいかんからな、口の中に隠しておいた」


「髪の毛…、それは誰の…?」


「決まっているだろう、我が愛しきペット、イツキのものさ」


「イツキ・ウィンザーの…」


「ああ、こいつで、新たなキメラクローン達を作る…!

 …だが、その前にゼロロク、もう少しここで俺を楽しませろ」


「あ、は、はい…!」



 それからカオルは、自身の気が済むまで何度も何度もゼロロクの膣内なかに自らの欲望を解き放った。


 そんなされるがままのように見えるゼロロクだったが、バイザーで隠された彼女の瞳には、不気味な光が宿っていた………


 


*


「だけど、残念、時間だ」


「なっ!?“主人輪マスターリング”じゃと!?」


『いや、違うぞ!?

 その指輪は霊能力者と妖獣が“相棒パートナー”契約した際に付けられる“相棒輪パートナーリング”だぞ!?』


「ご名答さ。

 …というわけで、この空間の外でオレの愛しき“相棒パートナー”が待っているんでな、これで失礼させてもらうよ」


「あっ!?ま、待っ、」



 『“相棒パートナー”召喚』によってサンは、“相棒パートナー”に召喚される形で、製薬会社とは別の場所、ナンヨウ県東部を流れる多々良川の川岸にやって来た。

 そこで待つのは、二人の少女。



「無事でしたか、お姉さま!?

 あぁっ!?お姉さまの右手が…!?

 それに尻尾が…、あぁっ!?背中にも傷がっ!?」



 真っ先にサンに駆け寄ったのは、サンの“使い魔”であるキメラクローンNo.05、通称ゼロゴー。



「遅かったから心配しましたわよ、ご主人様?

 右手が無い、ということは、ゼロツー(イリス)は奴等に奪われてしまったのですね、あの子の羽根、綺麗だから一度モフモフさせてもらいたかったのに、残念ですわ…」



 そう言うのはサンの“隷獣”であるキメラクローンNo.04、通称ゼロヨン。


 ゼロヨン、ゼロゴーは共にサンの遺伝子を元に産み出された“妖狐ようこ”の遺伝子を持ったクローンで、ゼロヨンには群体魔獣“レギアス歩兵態”のコアが、ゼロゴーには群体魔獣“レギアス飛行態”のコアが埋め込まれている。

 二人の頭には狐耳が、お尻からはレギアスの尻尾が、ゼロゴーの腕にはレギアスの翼が生えている。

 そして、ゼロヨンの首には円錐形のスタッズが付いた“隷属輪リング”が、ゼロゴーの首にはハートマークの付いた“相棒輪パートナーリング”が巻かれており、それぞれの首輪には金属製のリードが繋がれている。

 二人ともに服の代わりに、胸と股関部分以外を覆った網目状のプレイスーツを着ている。


 外でそのような格好で女子二人が待機していると、一歩間違えば通報されてもおかしくないが、今が深夜に近い時間帯で、周りに街頭もほとんどなく、目立たない場所を撰んでいたのと、それでももし第三者に見られた場合は始末してもよいと言われていた(幸い、そのような不幸な第三者は現れなかったわけだが)。



「ああ、ゼロツー(イリス)を奪われたことも、レイブン(レイヤ)を回収出来なかったのも残念だが、

 ある程度のマイナスは予測していたし、損失が出た分、それなりの収穫プラスは得られたからプラマイゼロ、というところだろう」


「それよりお姉さま、早く右手の手当てを…!」


「この程度、すぐに直せる。

 それより、早くこの場を離れよう。

 お前達の姿を他人に見せるわけにはいかないからな、特にオレ以外の男には」


「あら、そのような格好で待機させたのはご主人様ではありませんか?

 それに今のご主人様はカワイらしい女の子ですわよ?今すぐ皆と抱き締めてもいいかしら、もう我慢できませんわ♪」


「…ちょっ、落ち着けゼロヨン!

 そういうのは、」


「ズルいわよ、ゼロヨン!!お姉さまを抱き締めたいのは私も同じなのよ!?」


「こういうのは、早いもん勝ちなのよ、ゼロゴーちゃん♪」


「だから、落ち着けお前達!

 ともかくこの場から離れるぞ」


「カオルとゼロロクちゃんはどうするの?」


「アイツらとはここでお別れだ。

 カオルは好きになれんし、ゼロロクは心の奥底で何を企んでいるか分からんからな」


「お姉さまでも分かりませんの?」


「今の、ジョウゴの能力を取り込んだオレなら、奴の狙いを読むことは出来るだろうが、正直興味は無いな」


「それは何故ですか、お姉さま?」


「今のオレには、お前達がいるからな」


「お姉さま…っ!」


「もう…、不意打ちは卑怯ですわよ、ご主人様っ♪」



 二人に左右から抱き着かれるサン。

 サンは、そのまま地面に“異世界転移魔法陣”を書き、そこに魔力を注ぎ込んでいった。



「さて、じゃあオレ達の新天地へと向かうとするか」


「何処へ行くつもりですの、ご主人様?」


「ハゼスの記憶の中にあったパラレルワールド、“ワールドジュウラン”だ」



 そしてカオルとゼロヨン、ゼロゴーの三人は魔法陣の光に包まれて消えていった。

 

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