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シスターズアルカディアSideB-Brand new Sisters-  作者: 藤本零二
第2章~Extra Number of Sisters~
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第1話「クルセイド第2研究所(仮)」

*


 “新人類教”の男によるムツミさん及び複数の女性拉致事件を追っていたボク達クローン姉妹は、そこで予想外の少女達、つまりはクローンNo.11以降の番外個体姉妹エキストラナンバークローンの子達と、“新人類教”の教祖となっていたフォルス(サイボーグNo.4)ちゃんに再会した。


 レイブン(クローンNo.11)改めレイちゃんとトゥエニ(サイボーグNo.12)改めユエちゃんとフィフティーナ(サイボーグNo.15)改めヒナちゃんの三人と、ボクことミライとモモコちゃんはフォルスちゃん達と敵対することとなってしまった。


 フォルスちゃんの“相棒パートナー”だというサティス(サイボーグNo.13)ちゃんと“隷獣”契約させられて無理矢理言うことをきかされているゼクスティーナ(サイボーグNo.16)ちゃん、そして前世の記憶を失っているらしいフォティス(サイボーグNo.14)ちゃん。


 どうやらフォティスちゃんは前世においてユエちゃん、ヒナちゃんと三姉妹の関係にあったらしい。

 そしてゼクスティーナちゃんは前世でレイちゃんの“相棒パートナー”だったようだ。

 さらに言うならレイちゃんと兄さまは前世でフォルスちゃんとサティスちゃんと敵対関係にあったという。



 兄さまを中心とした様々な前世の因果が混じりあったボク達クローン姉妹。


 フォルスちゃんはボク達と敵対する気満々だけど、ボクとしては前世の云々は水に流して、せっかく姉妹として現世で巡りあったのだから、出来れば仲良くしたいと思っている。

 その辺りのことも含めて今後のことを話し合うために、ボク達はレイちゃん達とアスカさんも含めてクルセイド研究所に集まっているのだが、先程サティスちゃんが研究所に強引に侵入したままだから、扉などが破壊されたままとなっていた。



「今日はもう遅いから扉の修理などは明日以降やるとして、

 玄関となる扉が開け放たれたままというのは落ち着かないわね」



 とマイカ姉さま。



「確かにそうだな…

 そうだ、また連中が来てフィフス(サイボーグNo.5)ちゃんの身体を盗まないとも限らないし、

 一度フィフスちゃんを含めて別の場所に移動しようか」



 とアスカさんが言った。

 ちなみに、クルセイド研究所の地下には魂無きクローンとして、ツヴァイス(サイボーグNo.2)兄さまとアハトン(サイボーグNo.8)君、フィフスちゃんの肉体が冷凍保存されていた。

 そこへサティスちゃんがやって来て、ツヴァイス兄さまとアハトン君の肉体を持ち去っていってしまったのだ。

 どうやら“新人類教”の超能力者の魂を転生させる器とするために持ち去ったようだが、いつまた今度はフィフスちゃんの肉体が狙われるか分からない。

 彼女達は『転移魔術』や『人体転移』の超能力が使えるのだ。



「ああ、だがフォルスの『人体転移』に関しては気にしなくてもいいだろう。

 もし『人体転移』でフィフスちゃん達を連れていけるなら、わざわざサティスにここを襲わせなかったハズだ」


「あ、確かに!」


「それをしなかった、いや出来なかったということは『人体転移』には何かしらの縛りがあるのだろう。

 例えば、自分と近しい間柄の人間に限る、とか」


「確かにその通りかも…」


「だけど、サティスの『転移魔術』は、防ぎようがない…」



 モモコちゃんが説明する。



「一度目の『転移魔術』では、フィフス達の身体が、何処に保管されているか、分からなかったから、

 『転移魔術』に書き込む座標が、クルセイド研究所前、とかになってたんだと思う…

 だけど、今はもう研究所地下室と、ハッキリした場所が分かってるから、次に転移してくるなら、直接地下室に入ってくる、と思う…」


「であればだ、余計にフィフスちゃんの肉体をここに置いておくわけにはいかないな」


「でもじゃあ何処で保管するって言うの?」



 と、メイコちゃんが当然の質問をする。



「決まっている、私が秘密裏に作っておいた秘密研究所にして、

 今はレイ君達の拠点となっている場所だよ!」


「「「「ええっ!?」」」」



 アスカさんのその言葉にボクとマイカ姉さまとモモコちゃんとメイコちゃんは同時に驚きの声をあげた。




*


 それから、レイちゃんの『テレポート』でボク達がやって来たのは、山の中に建った古い家の前だった。



「え、ここ…?」


「なんだかお化け屋敷みたい…」



 メイコちゃんの言う通り、その家は何十年も人が住んでいないと分かるくらいにはボロボロで、家の壁には様々な植物のつたが巻き付いていた。



「確かに見た目は確かにアレだけど、中に入ればまともだぜ?」



 レイちゃんとアスカさんの後に付いてボク達はその家の中に入る。

 ボロボロの玄関から続く廊下は、やはりボロボロで、所々穴が空いていた。



「いや、ボロボロじゃん!!」


「まぁ落ち着け。地上部分は余裕がなくて放置したままだけど、

 肝心の基地の部分、つまり地下はまともだから」


「地下…?」



 レイちゃんとアスカさんを先頭に、きしむ床をゆっくりと歩きながら家の中をしばらく進み、床の間のある部屋に入った。

 よく見れば、この部屋だけやたらと綺麗で、畳なんかも張り替えたばかりのようだった。

 そしてレイちゃんが掛け軸に近付き、その裏に手を入れると「カチリ」という音がした。

 直後、「ゴゴゴゴ!」という音がして部屋の中央にある真四角の畳が少し沈むと、そのまま横にズレて、その下から地下へと続く階段が現れた。



「さ、行くぞ」



 レイちゃんの後に続いてボク達もその階段を下りていく。

 階段を下りていく途中で、ボクは気になっていたことを尋ねた。



「ちなみに、ここはどの辺りになるの?モジ市内なの?」


「ああ。オクダ町っていうところで、このすぐ近くには淡島(あわしま)神社っていう結構有名な神社がある」



 オクダ町って言うと、前世でボクがまだ見習いだった頃に兄さまと魔獣退治に来たことのある場所だ。

 なんとなく懐かしい気分に浸っていると、目の前に金属製の扉が現れ、レイちゃんがその扉に右手をかざすと(どうやら指紋認証式の扉らしい)、扉が中央から左右に開いた。



「ここが、オレ達の隠れ家さ」



 そう言って案内されたそこは、クルセイド研究所とほぼ変わらない作りをした研究室が広がっていた。



「どうだい、驚いたかい?」


「驚いたなんてもんじゃないわよ、こんなのいつの間に作ってたの、アスカちゃん?」


「ここの隠れ家、私は便宜上“クルセイド第2研究所(仮)”と呼んでいるが、これ自体は数年前に作っていたものだったんだ」


「一体何のために?」


「万が一、クルセイド研究所が何者かに狙われたり、何かしらの不具合が起こった場合の予備施設としてね。

 ほら、地下室にはマコトちゃん達がずっと眠り続けていたからさ、何かあったら大変だろう?

 だからその為の保険として、クルセイド研究所と全く同じ設備の研究所を作っておいたのさ」



 その隠れ家、クルセイド第2研究所(仮)は、ちょうどクルセイド研究所を逆にしたような作り、つまりは二階に当たる部分が地下二階、三階の居住区にあたる部分が地下三階になっているようだ。

 そして地下四階がクルセイド研究所において地下室となっていた施設、つまり冷凍保存用のカプセルがある場所で、ボク達はまずそこへ行ってフィフスちゃんの身体をカプセルに入れて冷凍保存した。



 それから地下一階に戻ってきて、本来は会議室だった部屋を改造して居間にした部屋(本来のクルセイド研究所でも居間として使っている部屋だ)でレイちゃん達の話を聞くことになった。

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