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路地におもちゃが落ちてましたわ!

イメージ的には「めっちゃ強い水戸黄門」。

--------

「す、すごい人だかりですねえ。」

「ここが王都かぁ…あたしも来るのは初めてだよ!んんんー!ざわざわうるさーい!」

サランジェ王国の城下町は、コルディエ王国とはまた違う活気に溢れている。コルディエ城下町では工業と印刷業が盛んで仕事中の職人や印刷業者の往来が目立つものだが、サランジェ城下町では商業の中でも飲食業や観光業が盛んであり、観光目的の外国人の姿が非常に多い。そのため街は常にごった返していて、絶え間ない熱気に包まれていた。

私は何度かここに来たことがある。この城下町の比較的すぐ側に別荘があり、よくお父様やお母様に連れられてお買い物に来ていた。


「ここはいつもこんな様子ですわ。二人とも絶対にはぐれないようになさいね。それと、財布は常に体に結んでおきなさい。でないと――。」

「ぐあ!?あ、熱っ!?う、うわああああ!!」

「え!?な、何!?」

言い終わる前に、私の財布に無許可で触った男がカウンターマジックの餌食になる。私が味方判定を付けてない人間が革袋に触ると自動的に炎の鞭が絡みつくのだ。

男の手には小さく"私は財布を盗もうとしました"の文字が浮かんでいた。


「おーほほほほ!おーーほほほほほほほほ!わざわざチュートリアル役を買って出るやつが出てくるとは思いませんでしたわー!最っ高に都合のいいミニマム脳みそに感謝しなくてはなりませんわねえ!はーい衛兵さん、この人ですわー♪」

衛兵はその男の顔を見ただけで顔をしかめ、連行していった。恐らく余罪や前科があるのだろう。


「とまあ、こういうのがウヨウヨ居ますから気をつけなさいね。特にイザベラはその豊かな胸もタッチアンドゴーされかねませんから、よく警戒しておきなさい。」

「ふぇ!?き、気をつけます…!!」

怖くなったのか両の腕で胸を抱くものだから、さらに胸が強調される結果となった。周囲からゴクリと生唾を飲む音が聞こえましたが…まあ、イザベラも伊達に学園を次席卒業したわけではありませんから、自分の身くらいは守れるでしょう。


そしてニノンが自身の平たい胸に手を当てて死んだ目をする中、それは聞こえてきた。

「…歌ですわね。」

「え?あ、はい。吟遊詩人さん達がいっぱい歌ってますよね。」


胸を触られないかと警戒するイザベラは気付いていないようだ。そんなに胸が気になるなら削ぎ落として差し上げましょうか?

「いえ、そっちではなくてよ。……小さい女の子の声ですわ。」

「……あ、本当だ。あたしにも聞こえた。あっちかな?」


それはとてもか細く、繊細で、炭鉱で唄うカナリアのように可憐な声だった。賑わう街中で吟遊詩人が陽気な歌を披露している中、まるで熱湯に突如放り込まれた氷のような存在感を放っている。


「…綺麗な声だね。」

歌の聞こえる方へ誘われるように私達が歩みをすすめると、そこにはニノンと歳の変わらなさそうな少女が空き箱の横でバラードを歌っていた。少女は耳が隠れるほど帽子を深くかぶっていて、薄緑色のやや短い髪の毛がチラチラと見えていた。所々穴の空いたオーバーオールのせいで、見ようによっては少年にも見える。


美しい歌が終わると、周りからは大きな拍手が沸き起こった。いつの間にか聴衆が集まっていたらしい。


「皆、ありがとー!ウチの歌が気に入ったらこの箱にお金入れてってね!さあ、もう一曲歌うよー!」


私の名前はマリアンヌ・フォン・クローデル公爵令嬢。

サランジェ王国の首都に着いて早々、唄う小鳥(カナリア)に惹かれて近付いた蝶。それが私ですわ。




--------

お父様の別荘はこの王都から少し離れたところにあるため、ここは通り道でしかないわけだが、同時に唯一の買い物ポイントでもあった。そして着の身着のままであるニノンの服を買い、今晩の食事を作ることを考える頃にはもう既に日が傾いていた。


今日中の夜に別荘宅に着いても、そこからまだ生活用品を整えて食事を作る余力は無さそうなので、それならここで今日のうちに必要なものを買い揃えて一泊しようという話になった。


買い物袋を両手に下げて、イザベラとニノンもほくほく顔だ。

「それにしても昼間の歌声は凄かったですね。」

「ほんとほんと!そんなに大きい声じゃないのに、他の吟遊詩人と比べてずぅっとよく響いてたよ!ああいう歌い方もあるんだね!」

二人は昼間の少女の話題で持ち切りだった。気持ちはわかる。私もついつい数曲歌い切るまで立ち聞きしてしまった。

だが…。


「うーん、でもなんであんまりお金貰えてなかったんだろうね。」

そう、他の吟遊詩人と比べても実力が劣っているとは思えないのに、彼女の前に置かれた空き箱の中には想像よりも遥かに少ない金額しか入っていなかった。私が何枚か銀貨を投入したので、収益としては悪くなかったとは思うが、あの中身の少ない軽い箱を見つめて毎日を過ごしてると思うとなんとも言えなかった。


私はどちらかと言えばあの少女が歌うようなバラードの方が聞き馴染みもあって好きなのだが、あの熱気の中で大衆が聞きたい曲となると、やはり熱湯のように熱く楽しい曲のほうが受けがいいのだろう。

環境によって評価されるものが異なるのは致し方ない。




もうすぐ宿屋に到着するという時、横の路地から悲鳴が聞こえてきた。

「……ゃ……けて……!」

その声は聞き覚えがあった。衛兵は周囲にはいない。そして、これが日常的だとでも言うのか、誰も助けに行こうともしていなかった。

「…どうやら悲鳴の方もよく響くようですわね。イザベラはついてきなさい!ニノンは荷物を持って宿に直行!」

「はい!マリアンヌ様!」

「あ!お、重っ!?…もう!!すぐ帰ってきてよね!!」


路地裏を駆け抜けた先に、組み敷かれて胸を開けさせられそうになっている昼間の歌姫と、下卑た笑みのまま少女にのしかかる男、昼間の売上をやはり下品な笑みを浮かべて数える中年男性、そしてつまらなさそうに壁に寄りかかって見張りをする男がいた。


「おま――」

「邪魔ですわ。」

なにか口にしようとした男の側頭部に鋭い回し蹴りを抜き放つ。何も覚悟できないまま私の足と建物の壁に頭部を挟まれた男は、それだけでたやすく意識を手放した。

すかさず私の足の下をくぐり抜けるようにイザベラが突進。少女にのしかかったまま呆気に取られていた間抜けな男の間抜けヅラに膝蹴りを刺し込んだ。全体重と勢いを乗せた膝蹴りを鼻で受け止めた男は鼻骨を粉砕しながら転倒、その隙を逃さなかったイザベラが即座に男の背に乗り、ボキリという音を立てて肩が脱臼するのも構わずに制圧した。


「な、なんだ!?お前らは!?」

制圧するイザベラに、先程金を数えていた男がようやくナイフを向けた。迂闊にも箱を地面に落としたため、私が昼に投げ入れた銀貨も含んだ売上金が地面に散らばる。


「そんなにお金が欲しいなら恵んで差し上げますわ。」

急に横から声をかけられた男はとっさの反応が出来ない。

間髪入れず、私は親切にもたっぷりとお金の入った財布を満面の笑顔で投げ渡した。この下品な男たちが一生かけても手に入らないだろう大金を両手で受け止めた中年男性は、その重さに引きつった笑いを浮かべる。


いい夢は見られたかしらね?


「うっ!?な、なんだ!?ぎゃあああああああ!!!」

その両腕に対して、財布にかけたカウンターマジックが発動した。革袋に触れただけでも手に焼印を刻む炎の鞭は、愚かにも両手で鷲掴みにした男の両肩までをたっぷりと締め上げて炎上させる。そして大火傷を負って白煙を上げる両腕には「私は財布を盗もうとしました」という間抜けな焼印がデカデカと刻まれていた。

両腕のバーベキューを間近で直視してしまった男は、恐怖のためかそのまま白目を剥いて失神した。

ついでに、先程からイザベラの下敷きになったまま暴れていた男にも踵をお見舞いし、意識を奪い去る。この程度の実力で暴行を働こうなどと、女をなめてますわね。


「ふん。学園主席と学園次席がおつむだけのお嬢様と思われては困りますわ。」

「たぶん誰も聞こえてないと思いますよ、マリアンヌ様。」

「あーら失敬。おーほほほほほほほ!!」

勝利の高笑いは気持ちいいですわねー!!

しかし、あまりのんびりし過ぎるのも良くありませんわ。


「さあイザベラ、全員を縛りあげなさい。火傷と脱臼だけは拘束後にあなたの治癒魔法で治癒しなさい。しかる後に通報。手早くね。」

「はい!」

指示を受けたイザベラは手早く胴体、手首、脚を縛り上げ、口腔内に男どものパンツを押し込んだ。少々手荒い上に汚物が見えて目に毒だが、これには当人たちの自決を封じた上で、必要以上の増援をよばれることを封じる意味がある。むろん、仮に女がいても同じことをする。そこを躊躇する理由は私達にはない。


そして身動きをすべて封じたのを確認後、イザベラは治癒魔法で治療を開始した。別に慈悲の精神からではなく、あくまでこちらを被害者にするためだ。

彼女の魔力特性は光で、得意魔法は治癒だ。それは伝説の勇者を支えた聖女と同じ特性、同じ得意魔法であり、あの卒業パーティーで第一王子がやらかさなければ私のおもちゃにはならず、聖女の象徴として国を支えたかもしれなかった。


…そうだ。あの卒業パーティーさえなければ、今イザベラとこうして旅をしていなかったのかと思うと奇妙な気分になる。あの元婚約者に感謝すべきだろうか?しないけど。


「さて…もう大丈夫ですわよ、歌姫様?」

イザベラが衛兵を呼びに行く辺りで、先程の少女に声をかけた。乱れた衣服を直してやると、恐怖体験が終わった反動からか少女は泣き出してしまった。

「あ…ありが…ありがとうございます…!…あ、あれ?もしかして、お姉さん達は昼間の…?」

「私が投げた銀貨のせいで酷い目にあったのかもしれませんわね。お詫びと言ってはなんだけど、近くに私達の宿があるから私達の部屋の隣で休むと良いわ。まだ近くにアイツらの仲間がいないとも限りませんもの。」


別に脅迫したつもりではないのだが、実際に暴行されそうになった直後というのもあり、また震えだしてしまった。もう少し言葉を選ぶべきだったかと少し反省していたら、イザベラが衛兵を連れて戻ってきた。


ひとまずそこに縛り上げた犯人共を衛兵に引き渡した。汚物をぶら下げたままでの連行となったが同情はしない。被害者である歌姫も同行を願われたのだが、襲われたばかりでまだ聴取に応じられる状態ではないことを説明して、後日の取り調べとさせて頂いた。

身分証明としてクローデル家の紋章と私のサインを渡しておいたので、まあ後はなんとでもなるだろう。それより今は歌姫のケアが必要だ。


衛兵さんに労をねぎらい、私とイザベラは歌姫を連れて宿へと戻ることにした。




--------

「遅い!どんだけ待たせるんだよ!お腹空いたから何か食べさせてください!」

宿の部屋に戻ると、荷物をすべて持って帰らされた挙げ句長時間待たされたとあってニノンはご立腹だった。

お願いする時は敬語を話すようにと教えたのを忠実に守っているようだ。おかげさまでちょっと奇妙な言葉遣いになっている。


「あら?先に食べてても良かったのに。……あぁーらぁー?ひょっとして?もしかして?私達と一緒に食べたくてずっと健気に待ってたのかしらぁー?」

「ぐぬっ!?そ、そんな…こと…!くそぉ!」


…ん?

「………そんなことあるんだよ、馬鹿!馬鹿マリアンヌ!皆と食べたかったの!お腹空いてたの我慢して、マリアンヌとイザベラ姉ちゃんを待ってたんだよ!もう知らない!嫌い!」


ニノンは顔を真っ赤にして涙目のままそっぽを向いてしまった。

これは失敗した。ちょっと考えれば分かることなのに、善意をからかってしまうとは。あんなことがあって私も疲れているのだろう。ニノンを使って疲れを忘れようとしたのかもしれない。


自分がこの義妹の前では少し甘え始めていることを自覚し、苦笑しながらニノンの頭を撫でる。


「ごめんなさい、ニノン。私達を待っててくれたあなたを笑うべきではなかったわ。待っててくれてありがとう。私もあなたと食べたかったわ。」

「……わかればいいよ。許してあげる。」


笑みを浮かべる義妹が可愛くて、ついつい撫でる手が強くなる。

何故あの鬼どもは、こんな良い子を奴隷として売れたんだろう。一緒に過ごす時間が長くなればなるほどわからなくなる。

お金が無いと、人はそこまで修羅になれるものなのか。


私もお金が無くなれば、この子を売る日が来るのだろうか。

………そんな未来だけは避けたいものだ。


「…ん?あれ、昼間の歌姫ちゃんだ。あの悲鳴はこの子のだったの?」

「あ…えっと、初めまして…ではないかも?そ、そういえばまだ自己紹介もしてないね!?ウチの名前はアリス。アリス・オールストレーム。よろしくね?」




--------

パンやソーセージを広げたテーブルを4人で囲い、自己紹介やこれまでの事を話した。公爵令嬢と言って変に構えられるのも嫌だったので上手くぼかしつつ、私とイザベラの卒業パーティーでの修羅場や、ニノンとの出会いをアリスと共有していく。それは短くも楽しい冒険譚だった。


「でもね!奴隷じゃなくなったのはいいんだけど!マリアンヌ達と出会った時とか酷かったんだよこの人!あたしのこと"野猿"だの"人間もどき"だのって食堂で散々笑ってさ!周りのお客さんにドン引きされてたんだからね!?」

「おーーほほほほほほほ!!嫌ですわーまだ根に持ってらっしゃるのね?それとも人間になってすぐ覚えたことだから印象に残ってるのかしらぁーん?」


「はああああ!?初対面の人にいきなり高笑いと嘲笑を浴びせられて忘れられるわけ無いでしょ!?トラウマだよトラウマ!!」

「安心なさい、ちゃんと私の日記には記 念 日として記録してありますから!毎年同じ日に"野猿卒業おめでとうパーティー"開いて差し上げますわよぉ!おーーほほほほほほ!!」


「いるかぁ!そんな記念日!その日記寄越しなさいよ!そんな記念日は燃やして消滅させてやるわあ!!」

「あーらそれは残念!火属性魔力に対応した超耐火性能持ちの日記ですわー!燃やせるものなら燃やしてごらんなさいな!おーーほほほほほほほ!!」


そんなやり取りを見てすっかり先程までの恐怖や緊張が解れたのか、アリスもお腹を抱えて大笑いしている。


「すごいね二人とも!出会ってすぐに義姉妹になってまだ日も浅いのに仲がいいんだね。」

「嫌いなところばっかりだよ!油断すると揚げ足取られるし!やたらゲームは強くて勝たせてくれないし!負けた私を散々に笑うし!イザベラ姉ちゃんを少しは見習ってほしいよ!イザベラ姉ちゃん!紅茶のおかわりをください!」

「でも嫌いなのにマリアンヌ様の言いつけは守るんですよね。」

ニコニコしながら紅茶を入れるイザベラの指摘に、ニノンは顔を真っ赤にしながらそれを誤魔化すようにパンに被りつく。


「…ウチにもあんたたちみたいな仲間が欲しかったなあ。」

それはこれまでとは少し異なる寂しげな独白だった。


「ウチはここからずっと北にある森の里から来たんだけどな?里の人たちは外の人間達を警戒して、里から出ないんよ。だからウチがサランジェに行く時も、誰もウチの事気にしてくれなかったんよ。むしろ、早く出ていけって雰囲気だったわ。」

アリスは笑ってはいるものの、隠しきれない痛みが目端から溢れている。


「……アリスさんはずっと一人で頑張ってたんですね。」

「大したものですわ。私なんて今まで遠出する時に一人で行こうだなんて思ったことありませんもの。この旅をする時、それはそれは不安だったんですのよ?」

正直に話すアリスに敬意を表する意味で私も内心を吐露したのだが、それはこれまで一緒にいた二人には意外だったようだ。


「……高笑いして旅立ってそうだけど?」

「はい。高笑いして旅立ちました。」

「高笑いは健康にもよろしくてよ?おーほほほほほ!!」

何故かちょっと恥ずかしくなり誤魔化すように高笑いする。


「…それでアリスさん。あなたは明日からどうしますの?また路上で歌うのかしら?」

「……それよなー。」

ため息をつくアリスの目は憂いに満ちていた。

「…里の誰かに来てもらうことは出来ませんの?一人で歌うのは危ないと思いますわ。」

「それが無理なんよ。これを見てくれるかな?」

するとおもむろに、ずっと先程まで被っていた帽子を外した。

短くも美しい薄緑色の髪の毛がエメラルドのように輝く。そして、そこから少しだけ尖った耳が生えていた。


「おお!かわいい耳!」

「ニノン、そこじゃなくてよ。…なるほど、あなたハーフエルフでしたのね?」

ハーフエルフ。それはエルフと人間の混血児であり、本来里から出ないエルフと里にたどり着けない人間の間から生まれた、エルフにとって禁忌とされる存在だったはずだ。これでは支援は期待できないだろう。


エルフの寿命は長く、その繁殖能力は人間ヒューム並みに優れるものの、反面そのせいか異種族との交配によって混血児が生まれやすいとされる。

かつては繁殖能力に乏しいオークやオーガに男女問わず狙われることも多かったほどだ。さらにヒュームとの混血児は顔立ちが非常に整いやすい傾向があることから狙われやすく、アリスの顔もやはりかなり整っていた。だからエルフたちは自分たちの血を薄めないために、そしてお互いを守るためにエルフ同士で集落を形成して生活していくことが多い。


「お母ちゃんがヒュームだったんよ。二人ともちゃんと愛し合ってたんだけど、お父ちゃんはお母ちゃんを里まで連れて行った日に追放されて、お母ちゃんだけが里で軟禁されたんだけど、去年死んじゃったんよね。誰も食べ物分けてくれなくて、ウチだけは半分エルフだからって皆の半分だけ食べ物もらってな。お母ちゃん、いつもお腹いっぱいだからって殆ど食べなくて…そのまま病気になってあっさり死んじゃって。それでお母ちゃんを森に埋めてからここに来たって訳なんよ。」

「……ひどい。」

「……………。」

イザベラは眉を寄せて呟き、そしてニノンはただ拳を握りしめてた。


「ウチは歌だけは得意なつもりだったから、観光客と吟遊詩人で賑わうサランジェまで来たんよ。一人で食べるのもギリギリの生活だったけど楽しかった…けど、それももう終わりかな。」

苦笑いを浮かべるその姿が痛ましかった。


「実はこの前、奴隷としてなら飼っても良いって人がいたんよ。毎日一緒に寝てくれたらちゃんとご飯も自由もあげる、自由時間になら歌っても良いって。ニノンちゃんの前では言いにくいけど、その人の奴隷になろうと思うんよ。とっても優しそうな雰囲気だったし、きっと悪いようには――」


「それは駄目ッ!!!」


突如ニノンがこれまでの様子を一変させ、かつての暗く重い力を思わせる目でアリスを射貫いた。部屋の空気が震えているような錯覚を覚え、私ですら威圧感を覚えるほどの凄味を発している。直視されたアリスは蒼白になっているが、イザベラだけが何故か平然と新しい紅茶を淹れていた。


「アリス!奴隷にだけはなっちゃ駄目!奴隷はアリスが思ってるのとは違うの!あたしを買った人だって買う時は優しかったのに、ちょっとしたらあたしをぶってきて!裸にして水をかけてきて!痛くて冷たいのにそのたびに"ありがとうございますご主人様"って言わされた!ご飯だってお腹いっぱいには食べられない!それが毎日続くんだよ!優しいご主人様なんて夢見るな!そんなのはまやかしだ!」

「だ、だったら!」

アリスも負けじと立ち上がり、ニノンに詰め寄る。


「だったらどうしろって言うんよ!?帰るところもない!親もいない!歌ったら襲われる!あたしみたいな子供が、それもハーフエルフが働ける先なんて無いんよ!甘ったれた事をわかってるみたいに言わんでくれる!?ウチにはもう奴隷になるしかないんよ!!」

「奴隷になるしかないだなんて簡単に言うな!奴隷をなめるな!!この世間知らず!!」

ニノンがアリスに飛びかかり、胸ぐらを掴む。

「あんたに何がわかるんよぉ!!」

アリスも負けじと体勢を入れ替えてニノンに掴みかかる。

ギャーギャーと騒ぎながらゴロゴロと床で取っ組み合いを始めた。


もしかしたら私が考えているより、世界には残酷な話が溢れているのかもしれない。ニノンの言葉ではないが、私の方こそ世間知らずだ。そう思うと私も恥ずかしくて叫びたい気分だった。だがニノンが私の代わりに叫んでくれるならその方がいい。私よりもあの子のほうが、それをよく理解しているから。


イザベラが入れてくれた紅茶を一口飲む。

彼女もあの話を聞いていたにも関わらず、淹れた紅茶の味はとても美味しかった。もしかしたら私の手が震えていたのが見えてたのかもしれない。だから努めて平静に振る舞っていたと言うのか。


全く、いつの間にこんなに頼りがいのあるおもちゃになっていたんだろう。学園の時とは立場が逆ではないか。

よろしい。大変よろしいですわよ。我が友よ。


「ねえ、イザベラ?」

「はい、マリアンヌ様。」

「私、新しいおもちゃが欲しいわ。それもとびきり上手に歌えるカナリアのようなおもちゃが。」

「はい、仰せのままに。」

「………ねえ?」

「はい?」


ちょっと恥ずかしいけども、公爵令嬢らしくないけども、もう追放されてるし良いわよね?


「私ってば、本当にいじわるよね。…こんな私でも、これからも一緒に遊んでくださる?」


少しくらいなら、弱さを見せても。


「聞くまでもありませんよ、マリアンヌ様。私はあなたに生涯仕えるおもちゃですから。」


一番のお気に入りのおもちゃは、あの日と変わらない笑顔でハッキリとそう答えた。




--------

「もう!なんなんよニノンのやつ!あっちこっち掴んできて!髪剥げとらんよな!?」

新しくできた友人と早速喧嘩別れしたウチは、マリアンヌさんが用意してくれた隣室でシャワーを浴びた後、ベッドに飛び込んだ。シャワーがついた個室を借りられるなんて、あの人は一体何者なんだろう。

ベッドで寝るなどいつぶりだ。それにこんなに柔らかいベッドがあるなんて知らなかった。


「……ニノンちゃんの馬鹿。ウチが奴隷になりたい訳…ないじゃんか。」

奴隷。ウチはそれを実際に見たことがある。


それはウチのお母ちゃんだ。

お父ちゃんははじめ、ウチのお母ちゃんを里に帰ったときの労働力として買ったらしい。だけど、ウチのお母ちゃんは奴隷としてはすごく綺麗で、優しくて、いつもお父ちゃんのことを心配してた。いつの間にかお父ちゃんもお母ちゃんの事を好きになってて、愛し合うようになった…らしい。


全部お母ちゃんから聞いたことだから、本当のことはわからない。でも、そう信じていたかった。

だって、それはこれから奴隷になるウチにとっては希望だった。お母ちゃんを亡くして、何も無いままこの街に来てから、ウチはずっと奴隷になることを考えてた。歌ってもお金が貰えないこともあった。そんなとき、カビたパンでもちゃんと食べられる奴隷が少しだけ羨ましかった。同時に、自由であるはずの今の自分が惨めだった。


「………ニノンちゃん、許してくれんよな。」

喧嘩別れしたはずの、出会って間もない友達のことが、頭から離れなかった。




「…ここ、か」

そこは酒場の裏にある集合住宅の一室だった。好きに歌ってもいいと言われたけども、こんな集合住宅で歌ったら周りの迷惑になりそうだ。それに、あまり清潔感が感じられなかった。


(…それでも、食べていけるなら耐えられる。)

本当にそうだろうか?

言い知れない不安と、大きな後悔の残りそうな予感で、ドアを叩く手が震えた。


「ああ…来たね、アリスちゃん。遂に僕の奴隷になりたくなったのかな?」

ドアを開けてくれたのは、あの日ウチを飼ってくれると言ってくれた男の人だった。いつもと変わらない優しげな雰囲気にホッとした。やはりこの人になら飼われても大丈夫かもしれない。

「さあ、中に入って。ちょっと散らかっててごめんね。」

部屋に入ってドアが閉まった、その時だった。


「んー!!んんーー!!」

「………え?」

部屋の奥からくぐもった声と、女の人っぽい白い足が見えた。ちょうど壁に隠れてて足しか見えないが、バタバタと暴れているのが見えた。

「あーあ、静かにしてろと言ったのに。」

やれやれと言った様子で男の人が部屋の中に向かうと、そこにあった白い足が生えているだろう辺りを思い切り踏み潰した。

蛙の鳴き声みたいなのが聞こえたと思ったら、その足はもう動かなくなった。尿臭が鼻孔を刺した。

「さあもういいよ、入っておいで。」

男の人がゆっくりと近付いてきて、ウチの手を掴んだ。

逃げなきゃいけない。そう思ったのに、足がガタガタと震えて言うことを聞かない。


『優しいご主人様なんて夢見るな!そんなのはまやかしだ!』

『奴隷になるしかないだなんて簡単に言うな!奴隷をなめるな!!』


昨日の友達の声がガンガンと頭に響いた。

(ごめん…!ニノンちゃん!ごめん!!ウチ、ウチが間違ってた!!)


後ろのドアを開ければ逃げられるのに、恐怖のあまり動けない。昨日襲ってきた男たちよりも風貌は優しいのに、あの時よりも明確な悪意が感じられた。組み敷かれ、服を脱がそうとした男と同じ目だった。

どんどん部屋の中まで引きずられていく。抵抗しても、ウチの力じゃ全然止まらない。足にも力が入らない。


「君に紹介したい娘もいるんだ。さっき寝ちゃったけどね。おいで。きっと友達になれるよ。」

「や、やだ!やっぱりやめます!離して!」

「…あーあ。最初は合意の上でが良かったんだけどなあ。乱暴はしたくなかったけど、仕方ない。」

急に無表情になった男が、ウチの帽子を鷲掴みした。

何を言ってるのかわからないけど、きっと、あの日の続きが始まるんだと直感した。

怖くて、辛くて、目を瞑るしかなかった。


(助けて…助けて!誰か助けて!お父ちゃん!お母ちゃん!…ニノンちゃん!!)








「ぎゃああああああああ!!!」

「え!?な、なに!?」

男の絶叫が部屋に響いた。ウチの帽子からは何本もの炎が伸びてて、それが男の腕に巻き付いて容赦なく締め上げた。そして炎が消えたかと思えば、その腕には「私は少女趣味の変態です」という大きな焼印が刻まれていた。


同時に部屋のドアから煙が上がったと思えば、一気に弾け飛ぶ。外から蹴破られたらしいが、その表面は熱で黒く焼けていた。


「アリス!!」

呆然としていたウチに青い髪の小さな影がぶつかってきた。

「アリスの馬鹿!!馬鹿馬鹿!!奴隷は駄目だって言ったじゃないか!!なんでこんなことしたんだよ!!すっごい心配したんだよ!?」

「ニノン…ちゃん…!?」

それは昨日掴み合いの喧嘩をした、たった一人の友達だった。


状況を理解できないままでいる私の横を、イザベラさんが凄い速さで駆け抜けた。無言のまま男の両腕を背中へ捻じりあげながら床に倒して拘束する。骨がボキボキと何本も折れたような音がして男は悲鳴を上げているのに、ビックリするくらいイザベラさんは平然としている。それは怒りのあまり無表情になっているだけで、イザベラさんこそ一番怒らせてはいけない人だと知ったのは、大分後になってからだった。


「おーほほほほ!!おーーほほほほほほほ!!」

狭い部屋の中に高笑いが反響した。


「この短期間でこーんなにたくさんの少女趣味の輩に出会うとは思いませんでしたわ!イザベラ、どうやらこの世界は一度汚い膿を出し切る必要がありそうですわねぇ?」

「まずは奴隷制度の改革からでしょうか。」

「その時はあなたにも手伝ってもらいますわよ、イザベラ。」

そしてそんなイザベラさんが忠誠心を見せるこの人は、本当に何者なんだろう。

マリアンヌさんは金髪の縦ロールを揺らしながら男に近付くと、顎を鋭く蹴り抜いて気絶させた。あまりにも手慣れた動作に鳥肌が立つ。


「イザベラ、昨日と同じよ。拘束したら通報なさい。昨日の件の続きだと言えば、多分同じ衛兵が来てくれますわ。ただし、今回は治癒をしなくていい。そこに転がってる女だけは治癒してあげなさい。妊娠してる可能性があるわ。」

「はい、マリアンヌ様。」


「ニノン、アリスちゃんを連れて宿に戻ってなさい。紅茶の淹れ方は覚えたわね?ミルクと砂糖を入れて出してあげなさい。まず私から衛兵に説明しておくから、落ち着くまで一緒にいてあげるのよ。」

「わかった!」

キビキビと指示を飛ばす姿があまりにも似合っている。


「アリス。」

「は、はい!」

つい自然と敬語になってしまった。もう、この人には逆らえない気がする。


「後で私からも話があるわ。まずは宿でニノンに怒られてらっしゃい。」

「あ…。」

その言葉で、ウチはとっても大きな間違いを犯す前に助かったのだと実感した。安堵と、申し訳なさと、背中をさする友達の手の温かさが体に染み渡って、溢れる涙を止めることが出来なくなった。




--------

私が宿に戻れたのは、衛兵への長い長い事情説明を終えた後だった。もうすっかり日も暮れていて、もう一泊するしかないのは明白だった。昨日以上の疲労感に襲われている。


「大丈夫ですか、マリアンヌ様?」

「全くあのカチカチの薄らトンカチさんは何度同じことを聞いてくるのかしら。カウンターマジックを見せたら今度は最近のボヤ騒ぎの犯人に疑われましたし。まあ、昨日着いたばかりなのは証明できましたから容疑は晴れましたけども。」

「災難でしたね。」


同情しつつも苦笑を浮かべるイザベラだが、彼女も過剰な暴力を振るったのではないかという叱責を受けて疲れているはずだ。

お互いにウンザリするように呟きつつ、それを聞いてくれる人が隣にいてくれることに感謝した。


ほんの少しだけ気力を取り戻した私は、佇まいを直してから部屋のドアを開けた。


「どう?少しは落ち着いたかしら?」

「…は、はい!あの、昨日に続いて今日まで助けて頂いてしまい、本当にすいませんでした。奴隷になろうだなんて、ウチが浅はかでした…。」

ションボリと敬語で謝罪する様子を見るに、大分ニノンからこってりと絞られたのだろう。

義妹もなかなかいい仕事をしますわね。


「そう、わかればいいの。だけどあなたも大変ねえ?これからは地獄のような日々が待ってますわよ?」

「マリアンヌ!?」

「だってそうでしょう?あなたにはもうまともな未来が無いわ。後ろ盾もなく歌うわけにもいかない。奴隷にもなりきれない。働き口も無い。故郷にも帰れない。親もいない。これでどうやって生きていくのかしらぁー?あなたに野外サバイバル経験があるようには見えませんわよぉー?」

「………っ!そ、それは……。」


無い無い尽くしの未来を突きつけられて、言葉を失っている。

ニノンも私に何か言い返したいみたいだけど、特に妙案も浮かばないようで、悔しげに両手を握るだけだ。

イザベラだけが平然と紅茶を淹れている。


「おまけにあなた、隣国のとはいえ公爵令嬢の手を2度も直接煩わせたのよ?しかも危険な男たちの目の前に晒させたの。これは大罪だわねぇ?」

「こ、公爵様の!?そ、そんなっ!?う、ウチはどうなるんですか…!?」

ガタガタと青褪めて震えるアリスの手を握りながら、ニノンは責めるように睨みつけてきた。


「そんな言い方無いでしょ!?アリスだって頑張ったんだよ!もっと優しいこと言えないわけ!?」

「ニノン、何の根拠もない希望論で安心を与えるのは公爵令嬢の役目ではないの。それは宗教家と、奴隷主人の仕事よ。あなたは私に奴隷主人と同じことをさせるの?」


そう、私は公爵令嬢。貴族なのだ。

なんの意味もなく人に優しくしていい身分ではない。

何の根拠もない希望を与えていい立場にはない。

希望を与えるだけで税を搾取するのでは駄目なのだ。

それでは奴隷の主人と何も変わらない。民は奴隷ではない。

私が与えていいのは、裏付けのある確かな生活と安全、そして自由に希望を抱かせるだけの環境を用意することだ。


「アリス。二度に渡る恩人であり、公爵令嬢である私から、もはや未来のない平民であるあなたに命令します。これに拒否権は無いと思いなさい。」


"やらない善よりやる偽善"。

そうですよね?お父様。









「私とニノンのおもちゃになりなさい。」

「………へ?」

一瞬、何を言われたのかわからなかったアリスはキョトンとしたまま動かなくなった。


「私は国外追放されてこの後別荘宅に向かう訳だけども、有能なメイドと聡明な義妹だけでは娯楽が足りないのよ。あなたには私が暇な時や、疲れたときに歌を歌わせるためのおもちゃとしての役割を与えるわ。」

「そ……それって……!!」

「ついでに出来が良すぎる義妹の遊び相手として休みなく働いてもらいますわ。365日休みなく、あなたは歌うか遊ばれるしかない人生が待ってるのよ。どう?地獄のような日々でしょう?」


イザベラが新しい紅茶を淹れてくれた。うん、美味しい。

今の私の気分に良く合う素晴らしい香りだ。


「受けるの?受けないの?さあ、答えなさい?」

アリスの目からは昨日と今日で一年分は流したんじゃないかと言う量の涙が流れ落ちていたはずだが、どうやらまだ涙は枯れていないらしい。


「やり…ます!やらせて…ください…!ウチはマリアンヌ様と…ニノンちゃんの…遊び相手として…この身を尽くします!!」

「アリスー!!」


感極まって顔を涙でぐちゃぐちゃにさせながら抱き合う二人。それを見ながら飲むお茶は、なかなか悪くない味だった。恐らく、この味は生涯忘れないだろう。




--------

宿で一晩過ごした私達は、アリスの分も入れた追加の買い物を済ませて別荘宅に向かっていた。

馬車は使わない。別荘宅は王都からそれほど遠くなく、天気もいいので歩くことにしたのだ。


「お…重い…!ウチが今まで持った荷物の中で一番重い…!」

「だから買いすぎなんだよマリアンヌ!ねえ、あたしとアリスが子供なのわかるよね!?普通この量を持たせる!?ていうかなんで馬車借りないのさ!!」

ニノンとアリスは両手いっぱいの大きな荷物を抱えている。


「おーほほほほほほ!!野猿から人間になったばかりで金銭感覚がまだ未熟なのではなくて?私のお金は平民のあなた達が納めた税金から出ているのよ?無駄遣いできるわけないじゃないの!ほーれほれー全部あなた達の服ばっかりなのよー!キビキビ歩きなさーい!おーほほほほほほ!!」


そう笑う私の背嚢は彼女たちの3倍近い大きさになっている。

イザベラの荷物は私の半分ほどだが、すでに死んだ目をしていた。

イザベラもそうだけど、皆の体力が無いのは問題ね。別荘宅に着いたら訓練もさせないとだめかしら?


「ぐぬぬぬ…!!つ、着いたら覚えてなよ!ボコボコにしてやるからね!」

「あら!あらあらあらあら!それは楽しみですわね!どんなゲームなら私を負かせてくれるのかしらー?負けてみたいですわねぇーたまには!おーーほほほほほほ!!」


「マリアンヌ!」


それは、別荘が見えてきてすぐの事だった。

思いもよらぬ声に、私は思わず息を呑む。

死んだ目をしていたイザベラでさえ、驚愕のあまり固まっていた。


「マリアンヌ…会いたかったよ…!」


いるはずがない。いてはいけない相手が別荘の前に立っていた。


「さあ、帰ろう!国外追放は取り消してあげるから!」


まるで愛しの人を迎えるように両手を広げるこの青年は。

私を国外追放した張本人。セドリック・フォン・ベネ・コルディエ第一王子、その人だ。

鬼が、現れた。

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― 新着の感想 ―
[一言] コイツこそボコらなあかんね。 どの面下げて来やがった! マリアンヌ世直し旅?もここまで?(笑)
[良い点] イザベラ 犬 ニノン  猿 アリス  鳥 無能達  鬼 鬼を退治してくれ桃アンヌ [一言] なんか、水戸黄門というより…そう、笑い方のせいかな? フリー○様っぽいなぁって、思った、うん…
[良い点] 回し蹴りの下を駆け抜けるイザベラが脳内可視化された。 [気になる点] これ漫画化されないんですか? [一言] 是非読みたいです。
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