第2話 Barゴッドへようこそ
やあ。ボクの管理する世界へ、ようこそ。
君たちの事は、他の神々から色々聞いてる。
すごいね。何度も世界を救ったんだって?
ここはボクの天界だけど、ちょっとした趣向をこらしてみたんだ。
気に入ってもらえると嬉しいな。
これはボクからのおごりだよ。一杯どうぞ。
君たちの魂は、本来なら……上位次元へと昇華を果たし、神の修行に入る予定だったんだけれどね……
ボクの我が儘で、この世界へ来てもらったんだ。
────え?
何でかって?
うん。
たまには、息抜きの生もあって良いんじゃないかって。
だってさ、このままだとどうあっても不幸な結果になりそうだったしさ。
まず君。
そう、無精髭の君。
今のままだと、どうやっても良くて闘神か修羅、悪けりゃ羅刹にしかなれないからね?
……ああ、うん……
ごめん。やっぱ羅刹ルート濃厚過ぎるわ。
無精髭:「ござっ!?」
何でも力づくの暴力で解決する脳筋人生じゃ、流石にネー。
もうちょっとさ、理性的な解決法とか無かったの?
許さん無礼討ちーズンバラリーん! ……じゃあ、ねぇ?
一応君って、どの生でも剣聖なんて称えられてたんでしょ?
あと、そこのおっぱい
そう。無駄にデカいおっぱい。
おっぱい:「おっp……」
君なんか本当に、どう足掻いても鬼神にしかなれないよ。
どんだけ多くの命を屠って来たんだい? マジでヒくわー。
それにほら。君の頭……
────おや、気づいてない?
にょっきりと二本の角が出てきてるんだよ。
人生終了間際のついでに、人間まで辞めちゃったーとか、ホントないわー。
そしてそこの、額がかなり後退した残念なメガネ……ああ、君は大丈夫だわ。
多少毒を吐くだけの無害な空気的な存在でイケそうだ。
地球っていったっけ?
その時の生活……所謂ヒキニートって奴だった影響がモロだもん。
つーか、学校行くか働けよ
……そんな訳で。
メガネ:「ハゲちゃうわ」
(無視)君たちの、荒ぶり過ぎた魂を鎮めてあげたいんだ。
君達の様な、殺伐とした荒ぶる魂のままじゃ、本当にそんな未来しか無いしね。
漸く開かれた神への扉なのに、その行き着く先が破壊神だってんじゃ、本当に哀れだ。
折角さ、まっさらな魂になったんだからさ。
この新しい意識を持つこの子と共に、せめて1度くらいは、安らかな人生を歩んでみたらって……そんなお節介な……老婆心って奴さ。
まぁ、でも。
この世界も一部地域ではあるんだけど、何だかんだで”戦乱の世”って奴だから、言うほど安全でも、安らかな世界でもないんだけど……
少なくとも魔王だの、勇者だの、なんて「このままだと世界が滅びますぞー」的な、ハチャメチャな世界設定はしていないつもりだから、そこはどうか安心して欲しい。
多少の斬った張ったはあるだろうけど、それは君たちにとっちゃ何でも無い日常だろうし、気にしないでいてくれると助かる。
それにさ、今更100人200人追加で殺したところで、君たちには誤差にもならないだろ?
なんの事はない。
この子の人生に、付き合ってあげるだけで良いんだ……
そもそも守護霊って、そんな存在なんだろ?
人によっては、指導霊とかって言うそうだけど。
ただ、見守るだけ。
ただ、それだけ…本当に、それだけで良いんだ。
うん。何かボク、すごくイイ事言った気がする。
そんな訳で、ボクからはここまで。
それでは、良い人生をっ!
……まぁ、殺しの技術に特化し過ぎた君達がいくら頑張ったとしても、絶対に殺伐とした結果にしかならないだろうけれどねぇ……
無精髭:おっぱい:メガネ:「「「どーでも良いがムカついたんで、お前を一発殴らせろ」」」
誤字脱字あったらごめんなさい。