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愚者の雨  作者: 神城 摩葵
第1章『夢見心地。移り行く平凡』
5/35

5 「Nexus ~絆~ 」

更新完了。楽しんで下さいね!



           1



 祠から有崎達はバギーに乗って移動していた。そして、ある場所に到着する。

「ここが俺達の拠点だ」

「……ここが」

拠点と言われた場所はガラスが割れていたり、壁が()がれていたりと、ボロボロだった。

 有崎に()てがわれた部屋は比較的、綺麗だった。隣の部屋は原島のもので、向かいは龍園寺のものであるなど詳しく教えて貰った。



           2



 おのおのが個人で休んでいると、警報が鳴る。そして、アナウンスが聞こえてくる。

《〈魔神〉が現れました。出動してください》

と。有崎は部屋を出る。すると、有崎を呼びに来たのか原島が扉を開けると立っていた。

「今回は私と有崎さん、敬、愛梨で討伐(とうばつ)に向かいます」

そう言われた有崎は頷くと、原島について行く。



           3



 現場に到着すると、大きな彼岸花のような見た目の〈魔神〉がいた。何束も存在していて数が多い。その〈魔神〉は鋭く尖ったがくをばら撒き始める。

 有崎達はおのおの、その攻撃を避ける。それにより、全員がバラバラになってしまう。

 有崎は戦闘態勢になる。そんな彼女のイヤホンに通信が入る。

《有崎さん。聞こえますか?》

《聞こえてる》

《そうですか。良かった》

《どうかした?》

《〈戎具(じゅうぐ)〉について教えます。〈戎具〉とは〈武神〉が宿る武器の名称のことで〈戎具〉は、我 神代 ()の手にと唱えれば出現します》

《ありがとう。教えてくれて。……原島さん。無事で》

《はい。有崎さん。御武運(ごぶうん)を》

その言葉を最後に通信が切れる。

「我 神代 禍の手に」

と、有崎は唱える。すると、淡い光が彼女を囲む。

 数秒して淡い光が止むと、左手に白い刀が握られていた。そして、声が聞こえてくる。

「君ガー、私達ノー、主人(あるじ)だったんだネ! 優しそうで良かったヨ」

と。有崎は可愛らしい少女の姿を思い浮かべる。すると、肩に少し重みを感じた。感じたので、目を向けると、その少女が肩に乗っていた。

 実体化なんてできたんだ。と、有崎は思うのであった。



           4



 少女は優雅に有崎の肩に座っている。有崎は彼岸花のような〈魔神〉の(つる)()りながら少女に話しかける。

「貴方の名前は?」

「私はテフヌト。天候の女神。秩序、公正、時、天国と地獄の守護神だヨ。そしテ、荒々しい角があった彼ハ、シヴァ。破壊の神サ! デ、シヴァと仲が悪い奴はタナトス。死の神。そしテ、最後に残った少年の名ハ、タルタロス。地獄・奈落の神」

 少女は順に名前とどんな〈武神〉であるのか答えた。

 有崎は聞き終わると、息を吸って吐く。そして、刀を構えると、素早い斬撃(ざんげき)を繰り出して〈魔神〉を跡形もなく消し去った。



           5



 消し去ったあと、有崎は他のメンバーの元に向かう。到着すると、成宮が苦戦していた。

 彼女の能力は〈雷光(ライジング ライト)〉。(かみなり)を使ってあらゆる攻撃・防御を行うことができる。

 例えば、雷を発光させて点滅させると、フラッシュ現象が起きて相手の動きを一時的とはいえ止めることができる。だが、遠距離(えんきょり)攻撃は落雷を落とすことしかできないので、今回の彼岸花のような〈魔神〉とは相性が悪いのである。



           6



 成宮に向かって彼岸花のような〈魔神〉は花びらをまき散らし、雌蕊めしべから(あか)く光る一筋の光線(こうせん)を発射した。それを見た成宮は死ぬことを覚悟して目を(つぶ)る。

 だが、一向に痛みを感じなかったので、成宮は恐る恐る目を開ける。

 すると、目の前には有崎がその光線に左手を躊躇ちゅうちょなく突き出して反射していた。

〔そうですか。では、教えましょう。貴方の能力は半反射(はんはんしゃ)身体(からだ)左半分であらゆる能力を跳ね返すことができます〕

と、あの洞窟で教えられた有崎の内に秘めた能力である。まだ危険が(ともな)う能力ではあるが、使いようによっては誰でも救うことができる。

 だが、有崎は半反射であると聞かされた時、この力で人々を救えるだろうか?と思った。

 何故、そう思ったのかは簡単で使い方を一歩、間違えれば世界をも破壊できるだろう力であるからだ。



           7



 有崎が反射したことで成宮は助かり〈魔神〉を倒すことができた。

 原島から連絡が入る。

《有崎さん! 無事でしたか。良かったです。愛梨は一緒ですか?》

《一緒にいる。心配ないよ》

《そうですか? では、拠点に向かってください》

《わかった。けど、原島さんは?》

《私は少し野暮用があるので、帰れません》

《そう。じゃーまた》

《はい。では》

有崎はスマートフォンを仕舞うと、成宮に目を向ける。すると、眠たげに目を(こす)っている彼女が有崎の瞳に映る。

 有崎はそんな成宮の前でしゃがむ。

「成宮さん」

と、言いながら両手を後ろに伸ばして自分の背を叩く。成宮は意図がわからず首を(かし)げる。だか、有崎がしようとしている好意を理解し、甘えることにした成宮は彼女の背に乗る。俗に言う負んぶというものである。

 成宮を背負うと、有崎は衝撃を与えないように拠点に向かった。



           8



 この出来事が有崎と彼らに少しの絆を(もたら)したのである。この絆が斬ってもきれないほどに大きくなることまだ、誰も知らない。


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