2 「Nova ~新生~ 」
更新は少しずつですが、頑張ります。
よろしくお願いします。
1
屋上に到着すると、五人の男女がいた。彼らの一人が有崎に話しかけてくる。
「お前が有崎 花蓮か?」
「そうだけど。貴方達は?」
「俺達は…… 」
名前を確かめてきた男子が答えようとした時、おちゃらけた態度の男子が彼の言葉に被せて答えた。
「俺達はー君をスカウトしにきたんだよねー」
彼が答えた回答は有崎が聞きたかった答えではなかった。
有崎は何者なのか聞いたのだが、目的を言われてしまい、困っていると有崎に紙切れを渡しにきてくれた女子が補足する。
「この馬鹿達がすみません。私達はこの世界に仇なす脅威と闘うことを義務づけられた人間です」
「世界に仇なす脅威?」
「はい。この世界にはあらゆる危険が存在します。それらを排除するためには貴方の力が必要なんです」
「……それで何故、私じゃないといけない?」
その問いに勇敢に見える男子が答えてくれる。
「お前にはただ他の奴らとは違う雰囲気を感じただけだ」
簡潔すぎる気もするが長ったらしい言葉よりは簡潔な方が良いな。と、有崎は思った。
2
初対面である人がほとんどなので自己紹介をすることになった。
「私の名前は有崎 花蓮。これからよろしく?」
「なんで疑問形? まぁー良いけど。俺の名前は神籐 藍狗。よろしく!!」
まずはおちゃらけた態度の男子が答える。彼の第一印象はちゃらい。赤い髪に黒い服。耳にはたくさんのピヤスという容姿である。
「私の名前は知ってると思うけど原島 さゆり」
次に答えてくれたのは唯一、初対面じゃない女子である。
彼女とは同じクラスであり、たまにペアになることがあったので知っていた。といっても、まともに話したのは今日が初めてである。黒髪をポニーテールに纏めている。当然の如く、服装は有崎と同じ制服である。
「僕は生田 敬。わからないことがあったら聞いてくれると助かるよ」
三人目は優しい雰囲気の男子。彼は茶髪でお洒落な格好をしている。だから、清潔感があるように有崎は感じた。
「あ……たし……は、成宮 愛梨。よ……ろし……く」
四人目は先ほど、答えた生田の後ろに隠れていた。彼女は人見知りなのか、小さな声で答えた。水色の髪でストレート。可愛らしい服装。話してくれるようになるまでは当分、かかりそうだと有崎は思った。
「俺の名前は龍園寺 時雨」
最後に答えてくれたのは勇敢そうな男子。素っ気無い雰囲気を孕んだ話し方だった。漆黒の髪で紅色の軍服を着ている。
龍園寺を最後に自己紹介は終わった。
3
自己紹介が終わった直後、事件が起きた。地面が揺れ始め、警報が鳴る。そして、アナウンスが聞こえてくる。
《〈魔神〉が出没しました。繰り返します。〈魔神〉が出没しました。直ちに、現場へ出動してください》
と。この警報とアナウンスは有崎自身が、世界に仇なす脅威と闘うことを義務づけられた人間であると自覚したことで聞こえるようになったのである。
有崎がまだ知らないことだが、"とある術式"でそう設定されているのである。
初めて起きた緊急事態に有崎は戸惑いながらも、本当にこの世界には仇なす脅威が存在するのだと認識した。
それと同時に今朝の"怪物"も世界に仇なす脅威なんだろうか? と、考える。が、考えていてもわからないので有崎は考えることを放棄した。
有崎以外の全員は戦闘態勢になる。耳にイヤホンを装着し、スマートフォンを確認すると、駆け出して行った。
有崎が突っ立ったままでいると、原島が有崎の元に戻ってくる。彼女は有崎にイヤホンを渡すと、それについての説明を始めた。
「これを耳につけてください。このイヤホンは耳につけると、スマートフォンと連動します。そして、私達と通信できますし、〈魔神〉の位置を教えてくれます。それでは行きましょう!!」
「……」
有崎は無言で頷くと、原島について行った。
4
現場へ原島と一緒に到着すると、龍園寺達は〈魔神〉と戦闘していた。
有崎は〈魔神〉について原島に尋ねる。
「〈魔神〉っていうのは世界に仇なす脅威を一纏めにした名称のことをいう?」
「はい。その解釈で大丈夫です」
原島はそう答えると、戦闘に加わって行った。有崎は何もできないまま、目の前で起こる戦闘を見つめる。
彼らは能力を使っていた。初めて見る力に唖然としていると、あっという間に倒してしまった。
5
戦闘を終えた彼らは深呼吸をしている。有崎が無言で固まっていると、成宮に話しかけられる。
「あの? ……あたし……達のこと……、怖くは、ない? 軽蔑しない?」
と。有崎はそっと、微笑みながら答える。
「軽蔑なんてしない。……尊敬する」
と。その返答に成宮は満面の笑顔を浮かべながら有崎に抱きついてきた。有崎は心を許してくれたように感じて嬉しく思った。