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相変わらずコロシアムは盛り上がっている。
あの女は今日も来ていた。
死にたがりなのか?
馬鹿なのか?
どっちもなのか?
「元気だなぁあの女」
正直な気持ちを口にしてみた。
今日はアストルと来ていた。
他の子達は城でゆっくりしてる。
殴りてぇ。( °∀ °c彡))Д´) アヒャスパーンと
ちなみにあの女、ロゼ・バルクレアと言うらしい。
タバコを吸いながら、ゆっくり見てる。
あの女が負けるとは思えない。
そしてこのコロシアムで何かするわけではない。
コロシアムに参加してるかを知りたかった。
そのあとに接触するために来ただけだからね。
「すいません、お煙草は厳禁となっております」
係員に言われた。
「あ? なに?」
アストルがイラッとした声で言う。
「お煙草は厳禁となっておりますので」
怯える様子はない。
「どこで吸えるの?」
「コロシアムはどこであっても厳禁となっております」
「は? 吸えねーの?」
少しイラッときた。
「厳禁です」
「灰皿持ってきて」
「厳禁なのにあるわけねぇだろ」
係員怒ったっぽいぞ。
草。
「はぁ、疲れるなぁ」
アストルがキレ気味だ。
「これでも見とけ」
アストルが懸賞金リストを渡した。
このボケ。
「あ? なんだよこれ」
「懸賞金リスト。 四ページ目見てみ」
俺の懸賞金を見て、ギョッとしてる。
「殺されたぁい?」
アストルが脅す。
「あんた、レミー・アリアナフォードなのかよ」
「いえーす」
「ここであんたを殺せば一兆九千八百億か」
「殺せればねぇ」
おふざけで返す。
「殺す、ここで」
「あ、そ」
銃を突きつけ、アストルが引き金に指をかけた。
「そこまでにしとけ」
こいつを殺すことにメリットは無い。
なによりここで騒ぎを起こすと面倒だ。
とでも言うと思った?
プシュン。
撃ってみた。
企画の名前みたい。
「静音型の銃、持ってきてて正解だったな」
血飛沫をあげ、係員は死んだ。
周りは騒いでいるが、幸いロゼには気づかれてないようだ。
とかやってるうちにロゼが優勝したようだ。
さてと、行こうかね。
「行くぞ」
「OK」
望まぬ殺しをしてしまった。
ま、蟻が一匹死んだところでなにもおもわないけどね。
血飛沫はアート。
二度と出来ない形、
二度と使えない絵の具、
この血飛沫は二度と見れない。
美しい。
うっとりとしながら血飛沫を見つめる。
狂ってる?
いやいや、このアートを理解できない方が、
狂ってる。