雑談会
コロシアムから帰ってきて、直ぐにアストルの持っている懸賞金リストを見せてもらった。
あ、わざわざ出迎えありがとね、アストル。
コロシアム見に来てくれちゃってーもー心配性は背負い投げー。
パラっとめくり、最後の方にさっきの女を見つけた。
「やっぱりなぁ」
「何が?」
少し離れたところからアストルが聞いてきた。
ちょっ、なんで離れてんの?
「最後に俺と引き分けた女、懸賞金リストに載ってる」
「早撃ちの名人様かな?」
「殺し屋だよ」
ボケいらないから、アストル。
「ノレよ、ノッてこいよ」
「二億、安くはねぇなぁ」
「いや、安いだろ俺たちに比べたら」
他の子どこいったんですかレベルの沈黙やめろ。
話に入ってこいよ。
アストルとしか喋ってねぇよ、寂しい。
「俺たちは異質だろ、そこいらの殺し屋に比べたら」
ヴィヴがようやく入ってきてくれた。
「金額は跳ね上がってるからねぇ」
俺たちの懸賞金はえぐい。
ま、もっとも、世界で一番の懸賞額はレイガ様が記録更新なうなんだけどね。
「そう言えばこないだレミーまた上がってたな、みた?」
アストルが嬉しい情報をくれた。
「いくら?」
「一兆九千八百億」
わーお、大台乗るねそろそろ。
「流石は俺の弟子だけあるな」
レイガ様が褒めてくださった。
「いえ、とんでもございません。」
「早く俺を抜いてくれ、金狙いの雑魚が鬱陶しい」
「ご苦労様です」
「流すな、師匠の言葉を」
笑いながら冗談を交わす。
「で、その女がアールクラークのリーダーだ。引き入れてくれ、クインテットの傘下に」
「冗談でしょう?」
一応ね。
「本気だ」
「かしこまりました」
これがこの国に来た目的になるわけか。
前ほど簡単にはいかなそうだね。
一人殺しちゃったからなぁ。
ま、とりあえず明日コロシアム行くかな。
誰かを仲間に入れること。
それすなわち誰かに裏切られる可能性が増えるということ。
でも、そんなこと気にしてたら、殺し屋なんてやってられない。
裏切られれば殺せばいい。
それはきっと、アリアも思っているだろうね。