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Quintet  作者: 逢沢零
演奏開始
7/12

ゲーム

「入りな。 靴とか散らかしときゃいいからー」


きちんと揃える。


「ま、ソファでくつろいどけ。 コーヒー入れてくるから」


全員でソファに正座。


久しぶりなんだもの。

緊張したっていいじゃない。

人間だもの。

レミー



いや、本当に久しぶりだ。

レイガ様の邸宅に、いや城に呼ばれたのは。

言い直したのに意味は無い。


「おまたー、ってなんで正座なのさ」


「緊張しまして!」


全員の声が揃った。


「久しぶりに城へお呼ばれしたもので」


「べスティアレスのグライシス城以来?」


「いえ、後に一度だけお邪魔したことがあります」


「あー! そうだったな」


「で、アールクラークとは?」


あまり喋らないエストラナが少し興味ありげに質問する。


「この国で勢力強めてる殺し屋ユニット的なもん」


「だと思いましたよ」


ラサナータが呆れ気味に正座を崩す。


俺も崩そ。痺れてきちゃった。


「ところであのドームはなんすか? 銃声聞こえてきましたけど」


ヴィヴも俺と同じ着眼点だ。


「ここは見て分かる通り治安くっそ悪ぃ。 あれはコロシアム。 出場した人間の内一人しか生きて帰れないのさ」


「俺、出ていいですか?」


興味本位で出てみようと思い、口にしてみる。


「いいよー、死ぬなよー」


雑。




というわけで翌日のコロシアムに出てみた。

参加人数は八人。少ないためいきなり最終戦だ。


つまり後がない。

燃えるねー。


コロシアムは何故かゲーム形式。

人の命をなんだと思ってんだこいつらは。


あ、ちなみに俺は虫と大して変わらないと思ってます。

てへぺろ。


いや、めっちゃ人はいってのんよマジで。


俺たち今回の参加者がやるゲームは、the shuffle。

(ザ・シャッフル)


参加者は回る台に乗せられ、ディーラーのスタートの声と共に回り始め、ストップの声で止まる。


止まった時、自分と相手が向き合った場合偽物の拳銃を撃つ。

撃ち合いになった場合、先に撃った方が勝利。

敗者は死の代償としてとんでもない電流を流される。

人が耐えれる電流ではない。


向き合っていないのに引き金を引いた場合、ペナルティとして電流が流される。


優勝者には賞金があるそう。


楽しそう。


「準備完了でございます! それではthe shuffle スタート! 」


回り始める。

うわー、目ぇ回るー。


「ストップ!」


ぴたっととまり、目の前に俺の方を向いたカモがいる。


ガチッ!


引き金安っぽ。


あ、僕勝ったみたいです。


「ぎゃあああ!」


絶叫と共に倒れ、多分死んだ。


「スタート!」


いや、さっきの子無視なの?


「ストップ!」


俺と向き合ってる奴はいない。


ガチガチガチッ!


お、誰か引き金引いたな。


「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」


「三人にペナルティとなります」


うおっ、アホやんけ。


あと四人。


「スタート!」


面白いねこれ。


「ストップ!」


アホが俺と向き合った。


ガチガチッ!


「ふぅー、あぶねえ」


「あら、もうギブ?」


参加者の女に声を掛けられる。


「あんた見たことある気がするな」


「奇遇ね、あたしもよ」


誰だったかな。


「余談はそこまで、スタート!」


誰だったかなぁ?


「ストップ!」


ガチッ!


シーンとした空気になった。


「これはすごい! 同時です」


ディーラーが嬉しそうに言った。


「優勝者はなんと二人! お二人には賞金を半分づつお渡し致しますので、終わり次第エントランスまでお越しくださいませ! それでは本日のコロシアムはここまで! また明日ー!」





エントランスに向かう途中観戦者に賞賛の声を頂いた。

嬉しくねぇよ。


「レミー、お疲れ様」


「見に来てたのかよ」


賞金を受け取り、レイガ様の城へ戻った。


たのしかったぜ!

勝ったよ。


勝ち残りました!


あの女、思い出した。

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