1/12
プロローグ
この国に秩序は無い。
この国に平穏な日々は無い。
この国に平和の文字は無い。
ここはべスティアレス。
銃器と死体は、ポイ捨てされた煙草のように落ちている。
ここで生き残るには、人を殺すなんて、皿洗い程度に日常的でなければならない。
狂っているだろうか、いや、それが当たり前に生きてきた。
故に、何もおかしいことなんてない。
この国は崩壊したも同然なのだから。
何年か前の話だ。
ここは誰もが羨む、超貴族国家だった。
簡単に言えば、金持ちだらけの国。
しかし、勿論金持ちだけが住むわけではない。
所謂貧乏人達は奴隷のような生活を強いられていた。
当然と言えば当然の反逆が起き、ほぼの貴族は死んだ。
その反逆軍のリーダーが、リリア・グライシス。
後にレイガ・アリアナフォードと名を変え、
世界最悪の殺し屋として名を馳せていく。
これはそのレイガの弟子の物語。