捕虜の処遇2
「うぅ・・・・」
彼女はうなされながら目を覚ました。
(あぁ・・・夢か・・・)
睡眠は足りている筈だったが、体はだるく暗い気分だった。
陽はもう空高くに昇っているようだった。
その時空襲警報がけたたましく鳴った。
(またどうせ通過していくんでしょう)
そう思いながら、彼女は外に出て空を仰いだ。
しかし、いつもなら空高く編隊を組んで通過していくはずの飛行機の影は見えなかった。
(おかしいわね?)
そう思ったとたんに眩い光が目を覆い、続いてドンッ!という音がした。
そして周りの景色が一瞬にして、崩壊した建物と燃え上がる炎に一変した。
「敵の新型爆弾が落ちた~」
誰かが叫んでいるのが聞こえた。
気がつくと無性に熱く、ふと自分の体に目をやると体中が焼け爛れていた。
(こ、これは何?く、苦しい。熱い。誰か、誰か助けて・・・・)
彼女は暑さと痛みに、ただ楽になりたい一心で、近くの川を目指して歩いた。
周りには人が倒れ、歩いている人も服はぼろぼろになり、焼け爛れた体を引きずっていた。
それらの人はみな一様に、同じところを目指していた。
やがて川が見えてきた。
川には何人もの人が息絶えたまま浮かび、その上に又次々と人々が飛び込んでいくその光景は、まさに地獄図絵のそのままだった。
彼女は川に飛び込んだ。
しかし熱さと苦しみは増すばかりだった。
(熱い・・・苦しい・・・助けて・・・誰か・・・助けて・・・・)
彼女はそのまま息絶えていった。
「うぉっ・・・・」
メイチは驚いて目を覚ました。
体中に汗をかき、服がぐっしょりと濡れていた。
(い、今のは何だ?)
焼け爛れた体の熱さと、痛みの感覚がまだ残っていた。
しかし自分の体に目をやっても何の変わりもなかった。
目の前で紫音が見つめていた。
「戦争というものがどういうものかわかりましたか?」
メイチは何も言えずにうなだれていた。
「あなた達為政者は、何の苦しみもない所で指示をしているだけです。戦争ほど悲惨なものはありません。いつも苦しむのは一般庶民です。同じ人間として他人を苦しみに追いやるのは悪魔の仕業としか言えません」
紫音の言葉を聞きながら、メイチは又眠りについた。




