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人々は少女を紫音。又はメシア紫音と呼んだ
この物語は以前に別のサイトに投稿したものです。
この度加筆訂正して載せることにしました。
紫音は可愛く美しく、不可能な事は無い能力を持っていますが、大きな悲しみを持っています。
紫音の衣を纏いし少女の
瞳に写る茫漠たるこの世界に
彼女は一体何を見るのか?
拭き渡る風のように
駆け抜けた日々の思い出が
少女の心に満ちる時
その痛みでこの世界は
救われるのか?
空は既に光を失い
黒く立ち込めた暗雲からは
無念を呑んだ者達の
呪いの言葉の矢が放たれ
地上へと突き刺さる
しかし少女の前では
己の無念の未熟さを
恥じるが如く消えていく
少女の名は紫音
又はメシア紫音
人々は少女をそう呼び
現れるのを待ち続けた




