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第40話 港町

 ロイと海竜の戦いの翌日、ここ数日と同じように作業は行われていた。


「ほう。ここがあやつの作っている町か。」


 そこへ身体に海藻を巻き付けた青い髪の女の子が訪れていた。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「なんか、変な言い回しをする女の子がお前さんを訪ねて来ているんだが。」


 その報告を受けて、俺は漁村予定地を訪れていた。


「おお、ロイ。来てやったのじゃ。」


「昨日の今日で来るとは思ってなかったわ。っていうか、何でそんなちっこい見た目なんだ?」


「身体は小さい方が便利じゃろうて。」


「そんなもんか?」


 目の前にいるハクアの見た目は幼いがやけに整った容姿をしている。ライトノベルなどではそういうキャラはありがちだが、実際にその容姿でその喋り方を見るとやはり違和感があるな。


「その服は貰ったのか?」


「ああ、妾は「人化」して人前に出るのは初めてじゃから服は持ってなかったのじゃ。」


 ハクアは他の人と同じ作業着を着ていた。裸でここまで来たのだろうか。


「そうか。それで。ここに住むのか?」


「うむ。その建物が気に入ったのじゃ。妾は此処に住むぞ。」


 ハクアが指した建物は役所にする予定の建物だった。


「そこは役所にする予定だったんだが……。まあ、部屋は余るだろうから大丈夫か。適当にお飾りの役職につけておけば……。」


「決まりじゃな。お主にくれてやるものがある。しばし待っておれ。取ってくるのじゃ。」


 役所の予定の建物に入っていった。

 そして、ハクアが俺に手渡したのはとても大きく、高純度の魔石だった。



「……これほどの物は初めて見たな。」


「母上が父の物だと言って持っていた魔石と母上のものじゃな。形見として持っておったが、魔石に魔力を溜めこんだりできるとは知らなかったのじゃ。妾が持っておるよりお主の方が役立てるじゃろうて。」


「ああ、ありがとう。」



 俺は帰るスケジュールを変更して滞在期間を延長し、上下水道を作ることを決意した。

 リーゼには負担を掛けてしまうな。



「それで王様。この子はどこの子なんだ?」


 エナリが会話に入ってきた。


「ああ、ちょっとした知り合いだ。これでもかなり腕が立つからな。役所に住んでもらえれば安泰だろう。」


「この子がか? そんなわけないだろ。」


 エナリが豪快な笑い声をあげる。容姿のせいもあるだろうが全く信じていないようだ。


「ハクア。こいつ死なない程度に軽くどついてくれ。」


「いいのか?」


「構わないぞ。」



「それでは少しやってみるかの。」



 次の瞬間。エナリが吹き飛んだ。

 この小さい体のどこにそんな力があるのだろうか。周りで作業していた人もそれに驚いてポカンと開口するのみだった。


 俺はエナリに駆け寄って回復魔法をかける。


「あの子凄すぎるだろ……。殴った動きも全く見えなかったぞ。」


「だから言っただろう。信用しないからこうなる。」


「そんなこと言ったって、しょうがないじゃないか。」



 そんなこんなでハクアは漁村の役所に住むことになった。



 その後も恙なく作業は進み、上下水道も俺が魔法をフルに使い、急ピッチで完成させた。




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



 そして数日後、完成した港で船の進水式が執り行われていた。

 大型船には大砲などが詰まれている。完全に趣味で作っただけなので後でとりあえず取り外すが。


 大型船には「アネット1号」小型船には「コネット1号」「コネット2号」と言った感じで表記がされている。


 名前付けはアネットには事後承諾を貰った。文句を言われるかと思ったが、「私の名前が世界に轟く日も近いさね。」とか言っていたので問題はなかった。



 進水式は元の世界のやり方で行った。


 ワイン樽を船体に叩きつけて壊す。


「とうとう港町が完成した。当初は漁村と呼んでいたが、ここまでの街を作り上げたのは皆のおかげだ。」


 俺が拡声の魔道具を使って言う。


「それじゃあ、今日は好きなだけ騒いでいいぞ。乾杯!!」


「「「「「乾杯!!!!!」」」」」



 今回は俺が海で取ってきた魚を使った料理が並ぶ。


 俺が水中を網を持って移動し、通常、船でやる漁業を一人で行い、魚を捕った。


 網での漁は魚が痛むと言われるが光属性の回復魔法を掛ければ問題はなかった。


 何度でも言う。魔法は凄い。


 まあ、それなりの魔力消費はあったのでこの方法は実用的ではなさそうだが。



 俺は皆が騒ぎ出す中、ハクアのもとに向かう。


「ふむ。これは美味いの!昔魚を食べたときは美味くなかったのじゃが……。」


「お前今まで何食ってきたんだ?」


「水中を漂う魔力と時々海藻じゃな。漂う薄い魔力を糧に充分生きれるのじゃ。」



 ドラゴン凄いな。その種族スキル欲しい。



「おう、ハクアの嬢ちゃん食ってるか~?」


 そこにエナリがやってきた。先日のがトラウマになってしまうかと思ったが、特にそんなことはなかった。豪胆な奴だ。


「これ美味いぞ食ってみろ。」


「お!これも美味いの!!」


「ハクアちゃんこれも美味しかったぞ。」

「これも食べて~」


 いろんな人からどんどんハクアのもとに料理が集まってくる。


 エナリをブッ飛ばした一件から、「かわいい!強い!」と話は広がり、今では不動の人気を得ている。




「ロイ様。飲み物貰ってきましょうか?」


 ルナに声を掛けられる。


「ああ、一緒に取りに行こうか。」


 ルナと飲み物を取りに向かう。


「ロイ。一緒してもいいかい?」


 歩いている途中で、アネットに声を掛けられた。


「いいぞ。」


 アネットと俺とルナの3人で宴を楽しむ。


 アネットが加わると聞いた途端ルナが一瞬「威圧」を出しかけたので少し焦った。


「本当に明日にはオーク城の方に向かうのかい? もっとゆっくりしていけばいいのに。」


「実家に帰った時の親みたいなこと言うなよ。そろそろ他の国がこちらに行動を起こし始めてもおかしくない。上下水道のために予定より長居しちゃったしな。また来るよ。」


 飲みながらそんな会話を交わす。


 水道は川から引いてきた。


 山から流れてきていて急流なので、棚田でも作るといいかもなと思っている。


 上下水設備には持ってきたドラゴンの幼生体の魔石を使った。ハクアに貰った1つに幼生体の魔石に入っていた魔力を入れて、手元に持っておき、1つは旧オーク国領で上下水道を作るのに使おうと考えている。



「ルナ。俺たちは明日出発するんだから飲みすぎるなよ。」


「うふふ。ロイ様~♪」


 ルナは俺にかなり引っ付いて来ている。

 ルナは自己管理がちゃんと出来るタイプで以前ピザパーティをしたときも2日酔いは全く残してはいなかった。


 なので、酔っているのかは微妙な感じである。


 これがお酒の力である。


 

 ふと思い立って「鑑定」を使ってみたら状態の項目に「酔い」は表示されていなかった。素面だったようだ。


 可愛いし、俺もまんざらではないので何の問題もないがな。



 宴は夜まで続いた。


 その後のことは言うまでもない。


 次の日は皆酔い潰れている中、二日酔いの皆に見送られながら、俺とルナはオーク城に向けて出発した。

気候の変化を感じ始め、少し無気力になったため、更新遅くなりました。


これにて2章完結です。

1章2章合わせて文庫本1冊ぐらいの文字数ですね。

更新の期間をあまり開けたくなかったのでこんな感じになりましたが、話数を細かく区切りすぎかな?とか思っています。


前話が改行が少なかったので読みにくいかなと思い修正しました。

有名な作品でも序盤に誤字脱字が沢山あるのを見ると自分も絶対あるなと思いました。誤字脱字などの報告ありましたらお願いします。

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