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人間が生理的に無理なので魔王やります  作者: あんぱん隊長
第1章 サキュバスの国
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第3話 ステータス確認

 今日新しい魔王様がいらっしゃった。

 少し話してみたがよい方だ。異世界から来たこともあり魔王様の立場になれていないからかすごく丁寧に接していただいた。


 だからこそ今の状態が申し訳ない。

 言い訳をするわけではないが私――リーゼも何とかしようと頑張ってきたのだ。


 ……結果どうにもならなかったけども。


 神託されるほどのお方だ。

 もし普通の国で王になられたらきっと民に好かれるすばらしい王になっただろう。

 もしこんな状態になる前ならば国を良い方向に向かわせていることができたかもしれない。



 ――なんて。


 最近ありもしない「もしも」を考えてしまうことも多い。



 魔王様――ロイ様は資料を持ってお部屋に籠られた。

 夕食には顔を出したがいろいろ考え込んでおられる様子だった。


 そして夕食を終えて、湯浴みをする設備がないか聞いた後、お部屋にお戻りになった。



 その後のことである。

 雑務を終え、私がロイ様のいらっしゃるお部屋の前を通った時のことだ。


 すすり泣くような声が聞こえた。


 無理もないだろう、ロイ様の魔王のお力を持ってしてもこの現状を打開することはできない。

 絶望的な状況だ。


 ロイ様は平和な国からこの国に来たそうだが、もし自分だったら――


 平和な暮らしをしてきて突然こんな状況下に放り込まれて平気でいられるだろうか


 答えは否だろう。


 だからこそ本当に申し訳なかったと思う。

 神託のことを聞いたときは「希望があるのかも」なんて夢を見てしまったが、そんなこと誰にも出来やしないのだ。


 この国が亡ぶまで、短い間になるがこのロイ様に忠誠を誓おう。

 それがせめてもの償いになればいいと。


 そう思う。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 俺は資料を読み始めた。


 凄くわかりやすくまとめてあって驚いた。

 やはり、リーゼさん有能。


 この国だが現在は約1000人の国民がいるらしい。

 国がヤバくなってから逃げ出した人が少しいるので正確には把握していないようだ。


 ここは半島で北に行くとオーク国で、逃げる当てもないわけで、出て行った国民がどうなっているか定かではないわけだが。


 中世ヨーロッパは都市人口が少ないという話は聞いたことあるが国の人口だと少ないような?サキュバスの寿命が長いことと、奴隷輸出のことを考えたらこんなものなのかな?

 気候は4季もあり穏やかだそうだ。台風とかは来ないらしい。


 次に世界情勢や歴史、地理などを読んだ。


 この世界は大きく分けて2種類の国家が存在する。

 人族の国と魔族の国だ。

 この両者では国交があることは少ないらしい。


 ちなみにだが人族=人間でいいらしい。

 魔族と並べるなら人族って呼び方になるだけのようだ。


 亜人族とかいないのかな。今度聞いてみよう。


 昔は地理的に人族と魔族の集落が混在していたが国を作るにあたって西と東に分かれたらしい

 西が魔族の国々、東が人族の国々という配置だ。

 この国は中央南からやや西に行ったところの半島であるようだ。半島と言っても割と広い。


 そしてアルケイディア大陸という大きい大陸ひとつでほぼ完結しており、小さい島は存在するが人が住んでいることはあまりないようだ。


 気候はよくわからない。北半球南半球のような気候の違いは見られないしどういう理屈で気候がなっているのか謎だ。北に一年中冬の地域や、南に一年中夏の地域はあるらしいが後はよくわからない。

 魔力のある世界であるし規則性も見受けられないので魔力とかがなんか作用してそう。程度の解釈しかできない。


 後はこの国に絶賛宣戦布告中のオーク国だ。


 この国は国民がほぼオークで人口が5000人程度。

 オーク以外は奴隷の身分であることがほとんどらしい。


 オークは生殖能力が高く、どの種族の女と交わっても男のオークが生まれてくるようだ。雌のオークもいるのだが、オークの主に貴族の間で他種族と交わるのを娯楽か何かだと思って行っているらしい。


 サキュバス国が栄えていたころ、オーク国はサキュバス国の貿易を仲介することで栄え、頭のいい奴が権力を握るために貴族制を取り入れた。


 ちなみにサキュバスも他の種族の男と交わり女であるサキュバスが生まれてくるらしいが、オークと交わった場合オークが勝つみたいだ。オーク凄ぇ。


 あと、余談だがサキュバスは男の精を栄養源としているわけではなく、性技が得意というだけらしいので男と交わらないと死ぬということはないらしい。

もっとも人間など種族によっては腹上死させてしまうことも多いらしいが。


 サキュバス国から――犯しても壊れにくい女を安定して供給するつもりだったが、サキュバスが寿命の長さもあって出生数が少ないのでサキュバスの人口が年々減少していき、将来的に安定した供給ができなくなる、メリットが少ないということに気づき、もう絶滅しても構わないし、まとめて奴隷にしようと考え宣戦布告に至るらしい。


 戦争は1か月後。オーク国はサキュバス国が最終的に戦わずに降伏すると見ていてあえて開戦まで大目に時間をとっているらしい。


 サキュバス国は人口は少ない上、国の経済の悪化により良質な武器も売り払ってしまい、大幅に軍縮され兵の錬度も下がりきってしまった。

 一方オーク国は人口は多い、経済も潤沢で、種族としての戦も強い。


 傍から見ればサキュバス国は絶望的。というか勝ち目などないに等しい状態だろう。

 多分読みとしては1か月後に戦争になってもおそらく兵を全力投入してこないだろう。


 資料に書いてあったがオークは魔法が使えないらしい、そのかわりに力が強い。


 魔法を使わないというのがわかっているのは大きいな。




 最後に自分のことだ。

 この国にはステータスが存在する。それを見るには魔道具が必要になるらしいが、魔王は固有技能として自分のステータスと詳細が見れるらしい。

さっそく自分のステータスを見てみよう


「ステータス、オープン」


ステータス

 名前:ロイ


 種族:魔王


 職業:魔王


 Lv:1(経験値0/10)


 年齢:0


 HP:500/500


 MP:700/700


 筋力:500


 耐久:500


 素早さ:500


 知力:1000


 称号:「魔王」「異世界からの来訪者」


 魔法:なし


 スキル:ユニークスキル「真の王の器」


 耐性:なし


 状態:なし



詳細


 称号「魔王」・・・魔族の王、自分のステータスと詳細を確認できる。ステータスに補正。


 称号「異世界からの来訪者」・・・元異世界人。レベルアップによるステータスの上昇度に補正。


 スキル「真の王の器」・・・触れたもののスキルや特性、能力を取り込める。ステータスは強制的には取り込めない。ただし死後1日以内なら強制的に取り込むことが可能。



 ……ふむ。

 ステータスは高そうだ。突っ込みどころは種族が魔王になっていることと年齢の0歳か。年功序列最底辺である。ユニークスキルはおそらく自分以外に持っている人がいないスキルなのだろう。



 ちなみに資料に乗っていた人間で非戦闘員の成人の一般的なステータスの値は大体こんな感じらしい。



 種族:人間


 HP:100


 MP:100


 筋力:50


 耐久:50


 素早さ:50


 元人間の魔王が来るということでリーゼさんが用意した資料だ。

あの人ほんと気が利くな、嫁に欲しい。


 そんなこんなで一通り目を通していると夕食に呼ばれた。


 夕食はリーゼさんと一緒に取った。

 夕食を食べながら今後の方針などについて考えを巡らす。


 食べ終わって部屋に戻ってから夕食の時微妙な空気が流れていたことを思い出して「しまった。」と思った。

 リーゼさんはたぶん話をする機会のために夕食を共にしたであろうに自分は考え込んでいて特に会話もなかった。曲がりなりにもこれから一緒に生活するのに気難しいやつだと思われたら嫌だなぁ。

 ……そして夕飯の味も覚えていない。


 風呂があるのか聞いてみたが今は城の浴槽を満たせるほどのお湯を作る魔道具や魔法を使える人がいないため、風呂にお湯を貼っていないらしい。

 無属性魔法の「クリーン」で体を綺麗にすることができるそうで掛けてもらった。




 その後ユニークスキル「真の王の器」を使ってみようと部屋を物色しようと思ったときズボンのポケットに何か入っていることに気付いた。


 財布と携帯だ。


 とりあえずこれらにスキルを使ってみよう。携帯とか凄いスキルが手に入りそうだ。


 スキルの使い方がわからないが、ファンタジー小説でよく魔法を使うときにありがちな「イメージが大切」っていう理論を元にスキルを使うイメージをしてみる。


《ユニークスキル「真の王の器」が発動しました。》


 おお、やったぞ。


《「異世界の財布」を取り込みました。ユニークスキル「インベントリ」を獲得しました。》


《「異世界の通信機器、高度な計算機」を取り込みました。ユニークスキル「異世界知識」を獲得しました。》


 なんかすごそうなの手に入っちゃったんですけど。詳細詳細。


詳細

 ユニークスキル「インベントリ」・・・触れたものを異空間に収納できる。異空間に入れたものの時間は止まる。一部の他人の魔法、スキルの影響下にあるものは収納できない。


 ユニークスキル「異世界知識」・・・異世界の知識にアクセスできる。ステータスウィンドウからアクセスが可能。


 ……凄い。

 「インベントリ」は異世界ものでありがちだが、注目すべきは「異世界知識」だ。

 スキルを使ってみるとステータスウィンドウにお馴染みのインターネットの検索エンジンが表示された。これで産業とかの発達を大幅に促すことが可能だろう。



 今日はもう考えをまとめて寝よう。明日は城など自分の目で見て回る予定だ。そして今後の方針の調整かな。


説明回です。


最初はステータスに「幸運」とかたくさん項目入れるつもりでしたが

後々扱いが難しいと思ってやめました。


9/5 「状態異常」の項目を「状態」に修正。

9/29 読みやすいよう1部分に句点を追加。

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