第36話 釣りデート
本日は2回更新しております。ご了承ください。
というわけで俺はルナとデートをすることになった。
2人で森の中を歩いていく。
「ルナって“釣り”、知らないのか?」
「ええ、やったことありません。」
「湖で魚を取ろうとか思わなかったのか?」
「湖に行くには森を通らなくてはなりません。以前の私たちの中で森の魔物を簡単に倒せる者はおりませんでしたし。わざわざそんなことをしようとは思いませんでした。」
「そういえばそうだったな。」
海も使えないし、それなら釣りを知らなくても仕方ないか。
「ロイ様。あそこの魔物私が仕留めても構いませんか?」
「構わないぞ。よく気づいたな。」
「魔力ソナー」を放てる俺ならともかくルナが気づくのは凄い。
向こうの方にブラックベアーがいる。向こうもこちらに気づいていない距離だ。
「魔力ソナー」を使ってみた結果、以前よりブラックベアーの反応が多く見られる。
前に倒したブラックベアーが縄張りを持って仕切っていたが、それが倒されたことによってのことかもしれない。
まだ少しブラックベアーには距離がある。弓を使ったほうがいいと判断したのだろう。アイテムバッグから弓を取り出す。
そして、メイド服の上から胸当てなどを装備する。
前に森に訓練に入った時、「森に行くのにメイド服の必要があるのか?」と聞いたが、そこは譲れないらしい。
そして矢を放った。
矢は木の間をすり抜けて飛んでいき、ブラックベアーの急所に刺さり、一撃で仕留めた。
「相変わらず凄いなルナは。」
「ありがとうございます。」
ルナはいつも感情を抑えて、少しクールに振舞おうとする節があるな。結構隠しきれてないのが可愛いんだけど。
ブラックベアーのもとに歩いていき、俺の「インベントリ」にしまう。
「前から気になっていたのですが、それはロイ様のユニークスキルなのですか?」
もう、ルナにはある程度話してもいいか。
「ああ、容量無限のアイテムバッグのようなものだ。食べ物を入れると新鮮な状態を保てたりもする。」
「そうなのですか。保存もできるとはすごく便利ですね。」
ブラックベアーを回収した後、少し歩くと湖が見えてきた。
「あれが目的地ですか?」
「そうだ。」
湖の畔まで歩いていく。
以前ヴァイスと調子に乗って魚を乱獲してしまった湖でなく、大きな湖で釣りをする。
インベントリから釣り道具を取り出し、準備を始める。
今回はウキを使ったオーソドックスな仕掛けで釣りをしてみる。
「釣りっていうのは、まずこの竿と呼ばれる棒に取り付けた糸の先に針がついてるだろ?この針に餌をつけて水の中に入れる。すると魚が餌に食いつくと口に針が引っ掛かるというものだ。後はこのリールで糸を巻いて魚を回収する。」
「なるほど。合理的な仕掛けですね。」
「もう仕掛けは用意してあるから後は餌をつけよう。」
餌には畑で取ってきたミミズを使う。
「魚ってミミズを食べてているんですか?」
「多分これで行けると思うんだけどどうだろ? 前いた世界と違ったらわからないな。」
虫が苦手な人もいるのでルナはどうなのかと思ったけど問題なく触れるみたいだ。
「餌は針に纏わせるようにつけるといいぞ。魚が賢いと先っぽだけ食われる。」
まだこの湖の魚は警戒心が薄いだろうから大丈夫だろうけどな。
「こんな感じですか。」
ルナがミミズをつけた針を見せてくる。上手くできているようだ。
「ああ、ちゃんと出来ているぞ。後はこうやって……! 水に入れて反応を待つだけだな。」
タスキ振りという投入法をして湖に投げ込む。
前の世界で釣りはやったことがあるので慣れたものだ。
ルナも同じようにやって、仕掛けを投入する。
「魚が食いついたかはどうやってわかるのですか。」
「あのウキが沈むのを目安にする。竿を持っていれば感覚でもわかるだろう。」
ルナがウキに集中する。
まあ、そんなに早くかかるものでもないだろう。
ポチャ……。
「あ、沈みましたよロイ様!竿にも多少感覚がありました!!」
マジかよ。
「ゆっくり巻き取って引き上げるんだ。あまり焦ると仕掛けが外れるかもしれない。」
ルナが巻き取り、無事に魚が釣れる。
初めて見る魚でも「鑑定」があるので毒があるか、寄生虫はいるのかがわかるので便利だ。
「釣れました!!見てくださいロイ様!!!」
「ああ、やったな!!」
ルナと一緒に喜んだ後、ルナは釣れた魚から針を外そうとするのだが。
「……あの、ロイ様。魚が針を飲み込んじゃってるみたいなんですけど。」
意外とよくあることだが、こんなに早く釣れることといい警戒心が薄いのかな。
「こんなこともあろうかと針外しが用意してある。貸してみろ。」
針外しを使って針を取った後バケツに入れてやる。
「また餌つけて、仕掛けを入れるんだぞ。」
「わかってますよ。ロイ様。」
ルナのテンションが高い。釣りは正解だったみたいだ。
そんな感じでしばらく釣りを続ける。
「釣れない……。」
俺のだけ全く反応がない。何故だ……。
あれから一度、ルナが根がかり(針が湖の底の石とかに引っかかって取れなくなる)を起こすトラブルはあったが、それ以外は問題なく釣りを続け、何度かルナの方に当たりは来たのだが、俺の方には来ない。
「あ、また掛かりました。」
「くそう!!」
ルナに釣りの上手いところを披露する予定だったのに何故だ!
「あの……。これ引き上げるのロイ様がやります?」
当たりがあった竿を俺に渡そうとしてくる。
「……それで喜ぶのは小学生までだ。」
それからしばらくルナは俺に気を使う素振りを見せては来るが、俺の心は傷を負っていくのみだ。
しかし、あきらめかけたその時。
ポチャン……。
「あ。」
「退いてますよロイ様!頑張ってください!!」
「よーし、これは大物に違いない!やってやるぜぃ!!」
糸を巻き上げるとそこにはルナが釣った魚の一回り小さい魚がついていた。
「あーー……。」
ルナがなんて言っていいかわからない反応をしてくる。
「魚に大きさは関係ないんだよ……。うん。」
そして、俺は1匹(少し小さい)釣れた。
その後、バケツの中で死んでしまった魚に能力を使うと
《スキル「遊泳」「水中視」「水中呼吸」を獲得しました。》
淡水魚と海水魚は全然身体の仕組みが異なるので不安だったが、求めていたスキルが手に入ったのでよかった。
まあ、俺が羽がないのに「飛行」を使えることを考えると、その辺は適当なのかもしれない。
スキルが見にくくなるのもアレなので種族スキルという欄を作りステータスを表示するようにした。
こうしてルナとのデートはルナが楽しめたようでよかった。
ルナが全然釣れない展開よりは全然よかったのだがなんだかなぁ……。
有言実行!いい言葉ですね……。
作者は釣りが趣味のひとつなので楽しく書けたと同時に「最近やってないな」と思い、釣りがしたくなりました。
勿論ルナのようなかわいい女の子はいません。
10/18 魚から手に入れたなスキルを追加しました。あまり考えずに勢いで書いてしまってすみません




