第32話 造船してみる
前話の魔法名を「ウインドカッター」から「風刃」の表記に変えました。カッコいいからです。
しばらく更新は不定期の予定なんでご了承ください。
目が覚めると、辺りは真っ暗になっていた。
立ち上がった俺は服についた泥を軽く払う。
どれぐらいの時間が経ったのだろうか。ルナたちも心配しているだろうか。などと思いつつ、とりあえず俺はステータスを確認する。
ステータス
名前:ロイ
種族:魔王
職業:魔王
Lv:35(経験値2324/3500)
年齢:1
HP:42598/51234
MP:16568/63411
筋力:41324
耐久:40437
素早さ:38942
称号:「魔王」「剣王」「弓王」「異世界からの来訪者」「魔法の天才」「剣の才能」「弓の才能」「爪術の才能」
魔法:「特級火属性魔法」「特級水属性魔法」「特級風属性魔法」「上級雷属性魔法」「上級土属性魔法」「上級光属性魔法」「上級闇属性魔法」「上級無属性魔法」「時空魔法」「翻訳魔法」「身体強化魔法」
スキル:ユニークスキル「真の王の器」「インベントリ」「異世界知識」「隷属操作」「ステータス表示変更」
スキル「剣術Lv10」「弓術Lv10」「爪術Lv4(熟練度4/50)」「飛行Lv5」「性技Lv10」「鑑定Lv10」「魔法加工」「威圧」「神速」「ステータス偽装」「手加減」「全属性魔法適正」
耐性:「麻痺耐性Lv3」「毒耐性Lv3」
状態:「魔力障壁」
割合回復のMPの具合から、丸一日寝ていたなんてことはないようで少し安心した。
俺はもう「魔力障壁」は無意識レベルで発動できるようになっていた。
この「魔力障壁」だが、詳細を見たところ、魔力を纏うことにより、物理攻撃は勿論。魔法やスキルにも耐性がつくらしいので重宝しそうなスキルだ。
だが、これは纏う魔力量、質によって効果の大きさは変わるらしいので、試してはいないが、今の俺のステータスだとあのドラゴンの「水の息吹」はおそらく防御できないだろう。
今のところ「魔力障壁」に意識を割くぐらいなら、ダメージを避けたほうがよほど効率がいいということだ。
今後MPが増えれば「弱い敵の攻撃を全て無効化」とかにたどり着くかもしれないな。
それはともかくとして――早く帰ろう。
俺は「水の息吹」が掠った怪我を上級光属性魔法を使って治療した後、「飛行」を使って帰路につきながら今日戦った相手のことを考える。
現状ではあいつに勝つことは難しい。
理想としては接近戦で「剣術」スキルを利用して倒す方法だ。やつの「爪術」はレベル上限に達していなかったので、「水の息吹」を魔法で応戦しながら「剣術」で倒すというのが最も良策ではあると思う。
しかし、この方法もあいつの俺より勝るステータスを考慮すると苦戦を強いられそうであるし、何より、俺は水中で自由自在に動けない。あいつを水中から引きずり出した前提の話なのである。
何とかならないものか……。
あのドラゴンの性格からして海から出てくることはないだろうが、漁村を作る計画の見直しも必要かもしれない。
「ロイ様!!ご無事ですか!!!」
いろいろと思考を巡らせていると気づかない間に城に到着したようだ。
城の外で待っていたらしいルナが俺の姿を見るなり文字通りこちらに飛んできた。
怪我は治したが服がボロくなっているのは直せなかったからなぁ。
「心配かけてすまなかった。俺は大丈夫だ。」
少しルナの表情が和らいだ。
「あの……こんな夜まで何をしておられたのでしょうか……?」
「海にいたドラゴンに負けた。次は勝つから心配はいらない。」
そう言って俺は城に戻った。
実際策なんて今のところ全く思いついていない。
少し考えた作戦よりもあのドラゴンの圧倒的な力が上回っている状態で良案が浮かばない。
ボロくなった服を着替え、夕食を腹に詰め込み、自分で「クリーン」の魔法をかけた後、自室に戻った。
なんとなく「異世界知識」で「海竜 倒し方」で検索をかけたが、当然そこにはゲームの攻略サイトがいくつか表示されるのみだった。
俺は考えを巡らせながら眠りについた。
翌日、目を覚まし、朝の支度を済ませる。
ルナが心配そうな視線を送ってきていたが、俺のやることは変わらない。
「本日より日帰りで漁村を作る作業を行う。」
俺は作業人員を集めて予定を詰める。
「なんでぇ。向こうに泊まればいいじゃねぇか。」
そういってきたのはエナリオスだった。
「そうは言うがなエナリ。」
「おい、ちょっと待て。エナリとは俺のことか。」
「当たり前だろ。他に誰がいるんだ。」
「そうか。……あだ名も悪くない。」
いいのか。まあ、エナリって言う呼び方に引っ掛かりがあるのは俺の前いた世界の同じ国の人だけだろう。
「海には複数、縄張りを持った魔物がいることが分かった。順次俺が倒していくつもりだが、魔物が陸地を襲わないとは限らない。漁村予定地までの道は既にできているから馬車を使えば往復は可能だろう。」
「……安全のためなら仕方ねぇか。嬢ちゃんたちもいるしな。」
納得してくれたようだ。とりあえず問題ないかな。
こうして漁村作りが始まった。
船の製作は主に俺とアネットで行う。
将来的にアネットには工業系をまとめて担当してもらおうかなと思っている。
俺は全て深く関わり続ける気はない。国民だけでほとんどのこと出来るようになってもらう。俺なしだと即破滅する国なんて御免だ。
魔石を使って魔道具化することで動力船が作れる予定だ。魔石はオーク国にあったものを持ち込んでいる。
空間ゲートに使っているドラゴンの幼生体のものほどではないが、それなりのものはあったのでそれを持ってきている。
魔力はそれほど掛からない予定なので、サキュバス数人で補給すればいけるだろう。
加えてオークには魔法適正はないがMPはあるようなので訓練すれば使えるようになるだろうし。
後の人達は基本的には建物を建てるなどして住めるようにする作業だ。
材料はそろっているので比較的早く作業できるだろう。
というわけで、俺は今、以前から建てるように言っておいた造船小屋が完成しているのでそこにいる。
「漁船は木で作るのかい?」
「そうだな。俺の元いた世界ではFRPというプラスチックで作ったのが主流になってきていたが、多分、耐性付与をしておけば木で全然大丈夫だと思うぞ。」
「そういえば、アンタの前いた世界には魔法がないんだったね。ぷらすちっく?はわからないけれど。」
「異世界知識」で多少予習してきた知識を披露する。木材より重いがFRPは耐久度が高いため船を軽くすることが出来、木製の船より速度が出せるようになるそうだ。
今回は木材を耐性付与して耐久度を上げるので下手したらFRP製より良いものが出来るかもしれない。
俺は「インベントリ」から大きな木を取り出す。
「これを加工するんだが、今回は俺がやる。」
俺は魔法を使って手早く木材を加工する。魔法は本当に便利ですね。
「それで、これを火で炙って曲げていく。」
「了解さね。」
作業を始める。この曲げる作業は魔法で短縮は難しそうだったから火属性魔法で炙る以外は普通に行う。
そういえば了解とは上の者が下の者を「許す」から来ているらしく敬語にはならないそうだ。別に俺は気にしないが。
作業を開始して数分。
「これ全然曲がっていかないけどどれぐらいかかるんだい?」
「そうだな。最初だから小型にしたが、おそらく半日掛からないぐらいか。」
「それで、これをずっと見張ってなきゃいけないと??」
「ああ、米糠を混ぜた水を用意しただろう? これを木が焦げないように定期的に塗らないとな。」
アネットは鍛冶などいろいろやっているし、これぐらいは特に苦ではないだろう。
「あ、作業は交代でな。もう1人は道具でも作ろう。」
ちなみに俺はこんな作業は苦だ。水属性魔法と風属性魔法を組み合わせた「クーラー」で涼んでいよう。
アネットと雑談しながら作業を始めて数時間が経った。
「アンタ何か魔法使ってないかい??」
汗だくになったアネットが言う。
あ、バレた。
船を作り始めました。
専門知識に乏しいので詳しく書く力はないです。
雰囲気だけ……(元も子もない発言)。




