第31話 強者
前話のアクアドラゴンがステータスと魔法のランクが上がった文を追加しました。
アクアドラゴンのステータスが前プロットのままになっていて、修正。その後「あ、修正足りない。」と気づいて更に修正しています。
勢いで書いているのでこういうミスもあります。編集後、読まれていない方は確認してくださるとうれしいです。
「鑑定」した目の前を飛んでいるアクアドラゴンのステータスは異常だった。
俺より軒並み高いとかどうなってるんだ。
自分より強者に会うのは初めてだ。
この4000万歳とかいう年の劫ってやつか。
『妾の住処に土足で踏み入るなんて許せぬのじゃ!!』
何!?「翻訳魔法」が使えるのか!
『手荒な方法を使ったのは謝る。だが俺は交渉をしに来ていて。』
『問答無用じゃ!覚悟せい!!』
目の前のドラゴンが口から凄い水圧の水を吐いた。
「水の息吹」というやつか。
俺はとっさに回避する。
くそっ!聞く耳持たないか!!
仕方ない。ステータスで負けてても此方は全属性の魔法が使えるし勝ち目はある。多少拳を交えて黙らせよう。
俺は牽制として、火属性魔法を初めて打つ規模に魔力を込めて、収縮してレーザーのように放ってみる。
「炎の光線」といったところか。
《「特級火属性魔法」を獲得しました。》
そして、アクアドラゴンは急降下して躱し、海に入った。
俺は水中でのやつの位置を確認するために「魔力ソナー」を使う。
水中での感覚が少し違うようだが大体の位置は把握できた。
あまり海の環境を崩すのは得策じゃない。
――ならば、風属性魔法でやつをピンポイントで狙う。
腕に魔力を込め、腕を振ると同時に、固めた空気を刃にするイメージで魔力を放つ。
俺は「風刃」と呼んでいる。
ちなみに魔法のランクは発動する難易度の高いものを放つと高いランクの魔法を習得した扱いになるらしく、単純に魔力を多く込めて、速度や威力を上げたものではランクは上がらないようだ。
しかし、一直線に向かっていったそれは、難なく躱されてしまった。
躱された「風刃」は海底に当たる前に拡散する。これは魔法を使うときにしっかり設定しておいた。環境破壊は良くない。
俺は空中からやつと戦うつもりだ。
風属性魔法で呼吸を行えば海の中に入ることは出来るが、素早さなどは上がってはいても、泳ぎの技術は俺の前の世界のものと変わらないだろうと推測できる。
なので海で自由に動けるアクアドラゴン相手に海に入って戦うのは下策と言える。
アクアドラゴンが再び「水の息吹」を使った。前のより威力が段違いに上がっている。
こんなもの相手のステータスを見る限り、直撃したら即死する予感しかしない。
俺はそれを躱して再び「風刃」を放つ。
相手も躱して「水の息吹」を使ってくる。
『なかなか粘るではないか。』
『そっちもな。』
「水の息吹」に「風刃」を当てれば相殺出来るようなので、それも利用して攻撃を避ける。
そのようにして、しばらく打ち合うが、ジリ貧だ。
中級魔法程度であろう「風刃」を使っているが、あのステータスに攻撃が通るように威力を高めたり、海底を破壊しないようにしているせいで魔力消費が大きい。
残りのMPは3割といったところだ。
そして、何度かこちらの攻撃は軽く掠っていたのでやつのHPを確認すると絶望的な事実が発覚した。
ステータス
名前:ハクア
種族:アクアドラゴン
職業:なし
Lv:30(経験値2422/3000)
年齢:41245795
HP:58460/60000
MP:59922/60000
なっ……!?
俺は絶句するよりほかなかった。あの攻撃で大してダメージを与えらえれていなかったことではない。注目すべきはこいつのMPがほとんど減っていないということだ。
慌てて詳細を確認する。
詳細
「水の息吹」・・・水の圧力を高めて口から放出する。威力はステータス数値による。
勝手にMP消費スキルだと思って戦っていたが、「水の息吹」がそうでないことに気が付いた。
気が付いたのが遅かったが、こちらはMPを消耗しているが向こうは消耗していないということ。つまりこのままやれば近いうちに俺が負ける。
というのも、水中でいるほうが自分が有利なのがわかっているのか、奴は水中から出ようとしない。
なので、決め技のつもりでいた。「風刃」の軌道の操作を行う。
おそらくこれは上級魔法に位置するもので、俺は「風刃改」と呼んでいる。
しかし、何故これを最初に使わなかったのかというと軌道の操作に気を取られると回避がおざなりになってしまうからだ。
現状「ウインドカッター」を当てての相殺を行いながら回避するのがやっとだったので、被弾のリスクは急激に高まる。
そうと決まれば早速実行する。
「風刃改」を通常の「風刃」のように放つ。
そして、回避された「風刃改」の向きを変更。後ろからやつにぶつける。
アクアドラゴンは高速で水中を不規則に移動しているので、当てるために「風刃」で本命が当たるように多少誘導する。
危ねぇ。今の「水の息吹」当たりそうだった。
今までのように手数がなければ「風刃改」の向きを変えて直線に放つだけではおそらく当たらない。
しかし、手数を増やすと水の動きで気づかれるリスクがあるので最小限に威力を高めたものを当てる。
そして、水上に向けて放つのだから海底に当たる前に離散させる作業は必要なくなるので威力、速度を高めたものを奴に当てにいく。
――ザシュッッッ
攻撃が当たった。腹部を「風刃改」は貫通した。
アクアドラゴンは出血する。オークの血は黒い感じだったが、ドラゴンの血は赤いんだな……などと考えながら奴のステータスを確認すると
ステータス
HP:17532/60000
状態:出血(大)
となっていることが分かった。
『くっ……貴様もやるではないか。』
『話を聞いてくれる気になったか?』
よし、ようやくここまで来た。
『だが、この程度で妾を倒したつもりになってもらっては困る。』
するとドラゴンの身体が光り始める。
ステータス
HP:60000/60000
MP:24735/60000
状態:なし
『ふう。妾の身体を治すには魔力が掛かりすぎていかんの。優れた種族故なんじゃろうがな。』
アクアドラゴンが笑みを浮かべて言う。
『まだまだ妾は戦えるぞ。』
こいつ……上級光属性魔法を使えることはわかっていたし、ダメージを与えれば話を聞く気になるかと思ったが、全く聞く耳を持たない様子だ。
そして、俺はこいつが致命傷になるまで攻撃を与える手段をもう持っていない。
『貴様にはまだ見せていなかったな。』
身の危険を本能的に察知して俺は逃げる。
アクアドラゴンがまだ見せていなかった。そう、特級水属性魔法を。
後ろを振り返るとそこには巨大な渦潮が存在していた。
渦潮といっても水面から出て、立体的になっているものだった。
俺は全速力で「飛行」を使い逃げる。渦潮は俺を追ってきていてその距離は徐々に縮まってくる。
しかし、このまま陸に逃げたとしてもこの渦潮が追ってこられたら拙い。陸地が大ダメージを追う。
この渦潮を止めるしかない。
「神速」を使い、陸に逃げ込む。アクアドラゴンは「鑑定」がないので俺の残りMPは知らないはずだ。陸に出ると不利になると分かっているようなので追っては来ないだろう。
陸に逃げ込んだのは集中してこの渦潮を迎撃する魔法を使うため。
そして俺は陸から渦潮を迎撃するために出来る限りの魔力を込める。
俺は風属性魔法で竜巻を作り、放つ。
《特級風属性魔法を獲得しました。》
竜巻は轟音を立てながら、海に少し出た水上でで渦潮と衝突する。
余波が伝わってくるほどの力のぶつかり合い。
それらはしばらく拮抗した後、双方ともに消滅した。
雨のように消滅した渦潮の海水が降り注ぐ中俺は力を使い果たし落下する。
俺はこの世界に来て、初めて――――敗北した。
ということで主人公負けました。
主人公最強タグに偽りありかもしれません。
まあ、最終的に最強になれば問題ないですよね(適当)
10/9 魔法名の表記を変更しました。漢字ってかっこいいですよね。




