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第27話 復讐の理由

「いってきまーす!」


 私は家を出かける。


「おや、マリーちゃんおはよう。」

「おはよう。」

「今日も森に行くのかい。」

「うん!」

「あまり森の深いところには行くんじゃないよ。」

「わかってるよ。」


 いつも通り村で農作業をしている人たちと挨拶を交わして森に入る。

 

 その日、私は1人で森に来ていた。

 この森の浅いところには魔物が出ないので、普段から遊んでいる庭のような場所である。


 虫や草花を観察し、森を駆け回り、ママが作ってくれた弁当を食べて、草の絨毯で昼寝をする。

 いつものことだが、充実した時間だった。



――1人でお金を得て、パパとママを驚かせたい。


 昼寝から覚め、そう思い立った私は薬草の採取を始めた。

 採った薬草は月に1度来る行商さんに買って貰える。それで得られるお金は微々たるものだが、幼い少女が得る収入としては十分なものだった。



 そして気が付くと、薬草採取に熱中していたせいで気が付いたら辺りは既に暗くなっていた。


 慌てて帰路を急ぐ。


 すると、いつも行商さんがくる道の方から大勢が歩く足音が聞こえてきた。

 普段大勢の人が通るようなことはないので、不思議に思い、その道を見に行った。



 私は息を飲んだ。驚き、恐怖を感じた。実際恐ろしい場面に出会うと声も出なかった。


 そこには骸骨たちが歩いていた。まるで死神の行列のように見えた。


 とっさに気づかれないように息をひそめ、草陰に身を隠す。考えることは「気づかれませんように」「早くどこかに行って欲しい」の2つである。




 どれほどの時間がたっただろうか。気が付くとその骸骨の行列はどこかへ行ってしまった。

 私はホッとするとともに恐怖で支配されていた思考が素早く働き始める。


――あの骸骨は村の方から来ていたのではないか。と。



 私は村へ走った。パパとママ、今朝挨拶した村の人たちの顔が脳内に浮かぶ。

 どうか無事でいてほしい。そんな思いは、村に着くと同時に裏切られた。



 村は破壊されていた。


 家があった場所には瓦礫の山が積み上がり、道に倒れている村の人に駆け寄ったが、既に息もなかった。

 私は自分の家に走った。パパとママは無事なのか。希望は薄いだろうことは私にも理解できていたけれど、それでもそんな思考を振り払い、自分の家に向かった。


 思った通りと言ってもいい。他の家と同じく、自分の家は瓦礫の山と化していた。


 家に近づき、瓦礫をどけようと試みる。


 しかし、小さな私の力では瓦礫はびくともしなかった。


 パパとママは見当たらない。私はどうしたらいいのかわからず途方に暮れる。



 …………。…………。


 声が聞こえた。小さな声だが自分を呼んでいるのではないかと思った。


 私は声のする家の裏の方に行ってみた。


 その瓦礫で死角には下半身が瓦礫の下敷きとなっているママの姿があった。


「ママ!!!」


 慌てて私は駆け寄った。


「マリー……無事でよかった……。」

「ママ!今何とかするから!!」


 私はママにのしかかっている瓦礫をどかそうとする。

 やはり瓦礫は動かない。


「私はもうダメね……。」

「何があったの!パパは!?」

「パパは……村の男の人たちは骸骨たちに向かっていったのだけれどどうなったのかはわからないわ。私はパパに家で隠れていろと言われたのだけれど……。」

「……そんな…………。」


 パパはおそらく助かってはいないだろう。希望を持って考えることはもう出来なくなっていた。


「あなたは逃げなさい。いつあの骸骨が戻ってくるかわからないわ。」

「ママも一緒に逃げよう!!」

「私はもう助からないわ!!あなた1人で逃げるの!!!早く!!!」

「大丈夫だよ!!!まだ助かるよ!!!!」


 私はママの手を握る。


「危ない避けて!!!!」


 ママの手には力などほとんどなかったが、突き飛ばされる形で尻餅をつく。


 すると、ママの上半身があった部分に家の柱が倒れた。


「ママ……?」



 私は泣き叫んだ。私はこうして全てを失ったのだ。




 涙も枯れてしまった後、私はママが言い残したことに従って村を出た。

 その後は記憶が曖昧だった。

 気が付いたら、奴隷になっていて、檻に入れられていた。


 そして、冷静になった私の心に芽生えたのは骸骨への恐怖ではなく復讐。


 しばらくすると馬車に乗せられ土地を移動し、また、檻に入った。


 豚のような人――オークと言うんだったか、が下卑た顔で何かを言っているが私は聞き取ることが出来なかった。



 そして、ある人がやって来て。こう言った。


「ここから出てお前は何がしたい?」




 私は檻を出た後、わんちゃんに会わされた。

 そしてこれから行動を共にしろと言われた。


『僕は犬じゃないぞ。狼だ。』


 頭の中に声が響いた。


『え、何?』

『僕はヴァイス。ご主人様に言われたからお前といてやる。お前は?』

『……私はマリー。』


 ヴァイスとは2日かけていろんな話をした。

 何故か家族のこともすんなり話した。


 するとヴァイスは

『復讐するためには力がいるだろう?俺が手伝ってやる。』

 と言った。


 それから私はヴァイスと戦うための訓練を始めた。 その訓練とはヴァイスとひたすら戦うことだった。


 凄い殺気を浴びながら、貰った小さな木刀を頑張って当てようとするが全く当たらない。


『マリーは弱いな。ご主人様の仲間は殺さないけど、戦いならもうマリーは死んでいた。』


 ヴァイスは凄い強かった。攻撃を全て躱され、寸止めで爪を首元に添えられる。


『ご主人はもっと強いんだぞ、この城で合流したら、前よりいっそう強くなってたしな。』

『ご主人って……私をここに連れてきた人?』

『そうだよ。』


 今、私はこの城で暮らしているが人とはあまり話もしていない。

 私とヴァイスと引き合わせた「ご主人」と呼ばれている人ともだ。

 話を聞いて、「私はこの城にいる人たちは何者なのだろうか?」など基本的な疑問が湧いてきた。



 後でちゃんと聞いてみよう。ただ今は、復讐のために力をつけるのも大切だ。

 私はヴァイスに勝つことを目標に掲げ、訓練を続けるのだった。

 震災の時、瓦礫に埋もれた状態の人は喋れたり、割と元気があったにも関わらず、救出したら押し潰された部分に一気に血液が流れて死んでしまった。という話を自衛隊の方に聞きました。

 医療とかわからないですけど、瓦礫に押し潰された状態で時間が経っても拙いでしょうし、救助の方も1人にそれほど時間が掛けられないでしょうから、この話を聞く限り瓦礫に埋もれた時点で詰んでるような気が……。


 2章からは多少丁寧に書こうかなとは思っていますが、過去の話で長々とキャラ立てするのはわずらわしく思う人なので前と同じく、あっさり終わらせます。


 後、せっかく書くのだから多くの人に読んでもらいたいと思うのが作者の性でして、ランキングタグというのを追加してみました。

下のリンクをポチってもらえると嬉しいです。

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