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人間が生理的に無理なので魔王やります  作者: あんぱん隊長
第1章 サキュバスの国
23/63

第22話 成長

 俺は今数人のオークと対峙している。


「何者だお前!男に見えるが……。サキュバスではないのか!!」

「ん?そちらさんに俺のことは伝わってないのか。なら何でこの奇襲を……。」


 空から見た軍の様子と言い、油断なくこちらを倒そうとして来ている。だが、それは魔王である俺のことを知ってではない?


「こちらの質問に答えろ!!!何者なんだお前は!?」

「ああ、すまない。考え事をしていた。名乗るまでもない。お前たちはここで俺が殺す。」


 考えるのは後にしよう。とりあえず、こいつらを倒してリーゼの方に応援にいこう。



「はぁ!? 仲間の姿も見えないが、お前1人で俺たちに勝てると思ってんのかよ。」

「どうでもいいから早くかかってこいよ。」


 急いでいるが、俺は軽く挑発してみせる。


「うらぁぁっ!!」


 オークが剣を振りかぶってくる。


 俺はスキル「神速」を使い、戦闘にいたやつを殴って殺し、剣を奪った後、その剣で後方にいたやつを切りつけた。


「ぐわぁぁぁ!!!」


 まずは2人だ。


「い、今何をしたんだ!!?」


 オークが何やら騒いでいる。この速度だと目視もできないのか? 手加減したし、この程度ならヴァイスも見ることぐらいは出来たぞ。


 俺はオークの言葉には答えず、次はスキル「神速」を使わずにスキル「剣術」を使ってオークを切りつける。



 あちこちで悲鳴が上がり、オーク達が死んでいく。


「やめろ、助けてくれ!!!」

「強すぎる!!!!こんなのまるで魔王――」


 最後の1人も問題なく殺した。それにしても最後のやつ勘が冴えてたな。



 そして俺はオークのステータスを取り込み、念のためリーゼのもとに急ぐ。


 というのもリーゼもこの程度のオークとなら十分にやり合えるステータスをしているからで、問題なのは相手の数と、ステータスに表示されない経験値がどうなるか、というところなのだ。



 ちなみにこれが現在のリーゼさんのステータスである。



ステータス

 名前:リーゼロッテ


 種族:サキュバス


 職業:宰相


 年齢:???


 Lv:7(経験値45/70)


 HP:320/320


 MP:500/500


 筋力:304


 耐久:280


 素早さ:330


 称号:「年齢不詳」


 魔法:「中級火属性魔法」「中級水属性魔法」「中級風属性魔法」「中級雷属性魔法」「中級土属性魔法」「中級光属性魔法」「中級闇属性魔法」「中級無属性魔法」


 スキル:スキル「剣術Lv2(熟練度4/30)」「料理Lv3(熟練度26/30)」「掃除Lv4(熟練度4/40)」「性技Lv5(熟練度0/50)」「飛行Lv4(熟練度27/40)」「全属性魔法適正」


 耐性:なし


 状態異常:なし


詳細


 称号:「年齢不詳」・・・年齢を長きに渡って隠してきたものに与えられる称号。どんな「鑑定」をもってしても本人が許可したもの以外、年齢を知ることは出来なくなる。



 何者なんですかねこの人。元々それなりに強いステータスで訓練させたらこうなりました。「全属性魔法適正」とか凄い。


 そして称号。何歳なんでしょうね。


 まあそんなわけでたぶん大丈夫だろう。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 私は歩兵を率いて、オークのもとに急ぐ。


「相手の場所はわかっていますから。まず私が相手に姿を見せ、魔法攻撃で戦います。その後、歩兵部隊の皆さんは遊撃してください。」


 簡単に戦術を伝える。



 そしてオークが来るであろう地点、廃屋が並ぶ場所にやってきた。


 ――国民の数もずいぶん減ったものだ。


 廃屋を見ながら感慨深い思いを抱く。


 他の歩兵であるサキュバスもそれぞれ思うところがあるようである。


 しばらくするとオークの話し声が聞こえてきた。


「人が住んでる気配がないな。」

「そりゃ、うちの国が奴隷として連れてきてるからでしょうよ。」


 そんな話をしているオークに気づかれないよう、私は廃屋を利用してオーク達の後ろに回り込み。「火属性魔法」の火球を放った。


「あちちちち!!」


 オークに当たったが一撃では死ななかった。やはり種族的に体が強いのだろう。


「どうした!?」


 他のオークが火球をくらったオークに声をかけこちらを振り返る。


「ん?お前サキュバスか??」


「ええ、そうですよ。」


 私は答える。オーク達は少し驚いたようだ。


「火の魔法が使えるサキュバスとは珍しい。捕まえたらある程度自分たちのものにしていいらしいからな。俺が使ってやってもいいし、売れば貴族に高く売れそうだ。」


 オークが下種な視線を向けてくる。凄く不快だ。


「あなたたちなんかに捕まってやる気はないの。」


 私は「身体強化」を行い、剣と火球で攻撃をかける。


「何!?火属性魔法を無詠唱で使えるのか!?」


 オークが驚く。


 私も含めてサキュバスは無属性魔法以外の魔法に詠唱が必要だという常識を知らなかった。まだ国が栄えていた頃、ぶつぶつ言いながら魔法を使っていた他種属はいたが、自分たちの種族は使えないと思っていたので、特に気にはしなかった。


 ロイ様が「おそらく魔力の変換イメージの部分を決められた言葉を口にするとやりやすいだろうが。不便だからそれはなしで使えるよう頑張れ。言葉を口にしないのを怪しまれたら、サキュバスは詠唱が要らない才能があるって言っておけばいい。」と言っていた。


 魔力の密度の話と言い、ロイ様は魔法の常識を覆す発見を何度もしている。魔法がない世界から来たというのに。


「ますます気にいったぞ。俺のものにしてやる。」


 そう言ったオークに私は「身体強化」をしての「剣術Lv2」で攻撃し、周りのオークは火球で牽制する。


 十分戦えている。これはいける。


 そして歩兵がオークに攻撃を始める。


 火球の牽制のおかげで歩兵もどちらかというと押している。



 ――勝てる。



 そうして、時間はかかったが何とか勝った。


 こちらには負傷者は出たが死者は出なかった。


 私は今までずっとロイ様に助けられてきた。


 だが訓練をして私たちも成長した。

 これでようやくロイ様のお役に立つことができたのかな。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 リーゼのもとに向かうと、ちゃんとオークを倒せていた。


 「神速」を使い、リーゼと歩兵達(主に城のメイド)が倒したオークのステータスをこっそり取り込ませて貰う。



「あら、今一瞬凄い速度で動くロイ様が見えたような。」

「え?気のせいじゃないですか。」


 オークの兵士が見えなかったっていうのにリーゼさんには見えたのかよ焦るわ。


 少し遅れて返り血まみれのヴァイスが登場する。


「あれ、ヴァイス遅かったな。お前の方がここに近かっただろ。」


「はい。色々試してたんです。出血しなければ結構死なないものなんですね!!」



 こいつ少し前に訓練としてサキュバス達が森に入るときに一緒について来て、魔物狩りをしてたけど、


 無邪気に「ねえねえ、ご主人様!ブラックベアーって両腕と両足切り落としてもしばらく生きてるんですね!!」とか言ってきたから似たようなことしていたんだろう。


 ……無残なことになっているであろう死体の処理をこいつにさせた後、軽く言っといてやろう。


――まずは



「お前は体を洗ってこい。」



 これでとりあえずは大丈夫かな。

8/21リーゼさんは処女に設定変更です。

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