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人間が生理的に無理なので魔王やります  作者: あんぱん隊長
第1章 サキュバスの国
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第12話 森での出会い

 今俺はグレイウルフの群れと対峙している。


 1頭目のグレイウルフを倒した後、「身体強化」で聴覚を強化で魔物を探してみると、どこで音がしたかは手に取るようにわかるがここは森の中。沢山音は聞こえるがそれが何の音なのか分からず、探索ははかどらなかった。


 そこで、自分の魔力をソナーのように飛ばすことで周辺の情報を探る方法にたどり着いた。ソナーと言っても読み取りができないと困るので、魔力にイメージを付与することでソナーのように飛ばした魔力から3次元マップのように周辺の情報を正確に把握することができた。魔力は万能だ。


 するとグレイウルフを大量に発見した。この辺りでは大量にいるらしい。


 正直「瞬速」スキルが欲しいと思いつつ、逃げたら追わないという条件で最も近い11頭の群れの方に歩いていった。


 グレイウルフの群れでサッカーチーム組めるな。なんて思いつつ、そして今に至る。



 グレイウルフの2頭が「瞬速」を使い襲い掛かってきた。


 こちらは普通に目で追うことができている。



 横から殴って仕留める。



 スピードの付いた小回りの利かない相手は横側が無防備になる。


 前の世界ではいろんな人間を見ていたこともあり交友関係は広かった。

 知り合いがバイクに乗った暴走族と喧嘩したときの話を聞いたときに、「ギリギリまで引きつけて躱しつつ、バイクに横から蹴りを入れればクラッシュして倒せる。余裕だ。」とか教えてくれたのを思い出した。そもそも普通に生活してたらバイクに乗ったやつと喧嘩する場面なんか来ないだろ。



 2頭があっさりやられたのを目のあたりにしたグレイウルフたちは逃げるかと思いきやこちらに一斉に向かってきた。


 俺はそれらを水魔法の応用、氷魔法で作った剣で仕留めてみる。


 すごく冷たい。魔力で手を膜で覆ったりして何とかならないかな?


 やってみようとしたが、掌に薄く温度を伝えないように魔力を展開して、その上に氷を維持する魔力を展開するのはすごく難しかった。


 目の前にいたグレイウルフは全滅した。



 これは練習が必要か。



 俺はまた同じように、仕留めたグレイウルフからステータスを取り込んだ後、死体を「インベントリ」に放り込む。


《スキル「瞬速」のレベルが一定に達し、スキル「神速」に進化しました。》



詳細


 スキル「神速」・・・素速さを最大で10倍にすることができる。効果時間、次に使えるまでの冷却時間は高める倍率、使用者のレベルによる。


 熟練度のあるスキルではなくなった。レベルが必要なスキルなのか。前の戦いで死んだサキュバスはほぼレベル1でステータスを取り込んでも全くレベルは上がらなかったから俺のレベルは他のステータスの値に比べて低い。

 まだこのタイプのスキルを使いこなすには心もとないな。


「瞬速」スキルはこんな感じで上がったが、「爪術」スキルはレベル1のやつが多かったのでレベルはそんなに上がらなかった。おそらく「瞬速」はグレイウルフの固有スキルなのだろう。



 さっきの「魔力ソナー」で大体一定の半径にいた魔物の位置と姿は把握したので、探索の効率がぐっと上がった。


 俺はその反応を頼りに「ホワイトラビット」「ブラックベアー」の存在を確認した。


 ホワイトラビットはすぐ逃げてしまい、ブラックベアーは出くわすなりステータスまかせに殴ってきたのでクロスカウンターで倒した。勿論アニメのように相撃ちすることはなく、こちらへのパンチはスリッピングでかわしたが。


 ブラックベアーは「爪術」ぐらいしかスキルを持っていなかった。ステータスは高かったけどな。



 そして再び「魔力ソナー」を使うと認識半径ぎりぎりに倒れているグレイウルフの姿を発見した。

 寝ているのかとも思ったが、森のど真ん中で単独で寝るとは考えにくく、死体なのか獲物を待ち伏せているのか。などと思考を巡らせながらその魔物のところへ向かった。


 道中何匹かグレイウルフを仕留め反応があった地点に行くと――いた。



 美しい。そう感じた。



 何故ならその狼は真っ白な毛並みをしていたから――


 しかし、その白い毛並みを血で濡らしている。


 そしてまず俺は鑑定をかける。



ステータス

 名前:


 種族:ホワイトウルフ


 職業:


 Lv:3(経験値11/30)


 年齢:5


 HP:300/300


 MP:100/100


 筋力:390


 耐久:370


 素早さ:421


 称号:「変異種」


 魔法:なし


 スキル:スキル「爪術Lv3(熟練度4/30)」「瞬速Lv2(熟練度14/20)」「水属性魔法適正」「無属性魔法適正」


 耐性:なし


 状態:「出血」「衰弱」



詳細


 称号「変異種」・・・突然変異によって生まれた個体。ステータスに補正。



 おそらくグレイウルフの突然変異なのだろう、ステータスがグレイウルフより少し高いし魔法適正があることからもそれがわかる。



 俺はその白い狼に近づき、光魔法の治癒をかけてやる。今回の調査はあくまで「攻撃されたら対処する」のスタンスで行くのだ。



 その狼――ホワイトウルフは治療してくれた俺に特に害意は示さなかった。

しかし、その場から立ち去ろうとしない。せめて意思疎通ができればなぁ。



 そうだ。魔力にはイメージを伝えることができるから、相手の魔力を読み取ったりすることで意思疎通は可能なのではないだろうか。


 早速やってみる。


『ホワイトウルフ、俺の言っていることがわかるか?』

『僕のことですか?わかります!これは魔法ですか?』

『そうだ。それで、お前は此処から立ち去らないが何か用か?』

『はい!僕はこんな毛の色なので群れから仲間はずれにされちゃって……。あなたはそうとうお強いのでしょう?仲間にしてもらえませんか?』

『ふむ……。ちょっと聞きたいんだが。』

『なんでしょう?』

『それでお前は何故こんなところで死にかけていたんだ?』

『群れのリーダーが僕を仲間外れにはしないとは言ってくれてたんですけど群れの仲間からずっと嫌がらせされてて、最終的に殺されかけて逃げたんですけど力つきてしまって。』


 前の世界の人間の社会構造にもこんな感じあったわ。

 気持ち悪いなぁ。


 まあ、それなりにグレイウルフ倒してるけどその群れ壊滅させてたりするかもしれないし、そしたらこいつも居場所がないのか。

意思疎通したことで多少の情も湧いたし連れて行ってもいいか。


『いいだろ。仲間に入れてやる。』

『ありがとうございます!』


 仲間にした理由の一つに、光魔法で治癒してやったからとはいえ、相手の強さを見る目があるというところがある。見どころがあると感じた。




 そしてふと思ったのだが「翻訳魔法」とか使えるようになったけど「無属性魔法」としてステータスに表示されるせいで分かり難いな。

 ステータスの「無属性魔法」を鑑定したら使えた魔法が表示されるが。



 何とか表示を変えたりできないものか。


《ユニークスキル「ステータス表示変更」、スキル「ステータス偽装」を獲得しました。》


 ステータスに書き加えたりするイメージをしてみるとスキルを獲得した。



詳細


 ユニークスキル「ステータス表示変更」・・・ステータスの表示を見やすく書きかえることができる。あくまで表示を変更するだけで、ステータスが上がったりはしない。


 スキル「ステータス偽装」・・・ステータスを偽ることができる。自分より低レベルの「鑑定」に偽ったステータスを見せることができる。他者にも同意のもと掛けることが可能。掛けられた者は自分の意思で解除が可能だが、解除したあと、また偽装するには掛けなおしてもらう必要がある。スキルを掛けた者と同じ、または高レベルの鑑定には見破られる。自分の能力値以上のステータスの数値、スキルには偽れない。



 欲しいと思ったスキルだけでなく、将来的に欲しくなっていたであろうスキル「ステータス偽装」が手に入ってラッキーだ。


『ちょっと待っててくれ』


 ホワイトウルフに断りを入れてから早速使ってステータスをわかりやすくしてみる。


ステータス

 名前:ロイ


 種族:魔王


 職業:魔王


 Lv:14(経験値28/140)


 年齢:0


 HP:8014/8014


 MP:9892/10072


 筋力:7140


 耐久:7169


 素早さ:7201


 称号:「魔王」「異世界からの来訪者」「魔法の天才」「剣の才能」「弓の才能」


 魔法:「上級火属性魔法」「上級水属性魔法」「上級風属性魔法」「上級雷属性魔法」「上級土属性魔法」「上級光属性魔法」「上級闇属性魔法」「上級無属性魔法」「時空魔法」「翻訳魔法」「身体強化魔法」「魔力ソナー」


 スキル:ユニークスキル「真の王の器」「インベントリ」「異世界知識」「隷属操作」「ステータス表示変更」


     スキル「剣術Lv4(熟練度11/40)」「弓術Lv3(熟練度36/40)」「爪術Lv4(熟練度4/70)」「飛行Lv3(熟練度25/30)」「性技Lv10」「鑑定Lv10」「威圧」「神速」「ステータス偽装」「全属性魔法適正」


 耐性:「麻痺耐性Lv3」


 状態:「魔力障壁」



 めぼしい魔法は魔法の欄に表示するようにしてみた。

 そしてグレイウルフのおかげで素早さが上がりパワー系ステータスを脱した。


 人前に出るときは偽造したステータスを使い分ける予定だ。「鑑定」は元々自分より低レベルの「鑑定」を無効化するので、ステータスが知られなくても、相手に自分より高位の「鑑定」を持っているということは知られてしまう。

 なので都合のいいステータスを偽造できるこのスキルの利便性は高い。「鑑定」のレベルは上限に達しているのでほぼ見破られることはないだろう。



『すまない。またせたな。』

『そんなことないです。』

『じゃあ行くか。』



 俺は新しく加わった仲間と森の深部へと探索を続ける。

9/21 主人公の称号に「剣の才能」「弓の才能」を追加。

11/5 「ステータス偽装」の説明文を変更

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