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人間が生理的に無理なので魔王やります  作者: あんぱん隊長
第1章 サキュバスの国
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第11話 森の調査

 ちょっと悪ノリし過ぎた気がする。


 訓練を始めてから3か月がたった。


 訓練が終わったら城内では普通にしてたんだけども、皆、海兵隊の心得を完全なまでに習得したようだ

 なんか統率が取れすぎてて自分でも驚いている。


 とりあえず基礎体力と統率のとれた行動は身についたので訓練メニューを増やす。


「次は浮遊スキルを上げる。浮遊スキルを使って移動し続けろ。最初は移動速度が遅いだろうが必ず上がる。速度を上げることを意識するんだ!」

「「「「「サー イエス サー!」」」」」


 このように「訓練の意味が理解できないのは貴様らが未熟だからだ!」とか教え続けた結果。誰も鍛えてこなかった浮遊スキルを鍛えろと命じても皆疑問を持たない。

 楽でいいって言えばそれまでだが、なんていうか恐い。海兵隊凄い。


 熟練度は意識して練習した方が上がりやすいようなので、このタイミングで浮遊スキルの特訓を始めたのだ。




 そして浮遊で移動速度を上げることを意識して訓練し続けた結果。1か月で皆、飛行スキル獲得に至った。



 ここからは身体能力を上げる訓練、飛行スキルの訓練は続けながら部隊ごとに分かれて行う。

 俺は30人規模の部隊の指導に当たる。火属性魔法適正があるやつを集めた部隊だ。

「この部隊は本日から火魔法の習得に励んでもらうことになる。俺が指導してやるから聞き漏らしたりするなよ雌豚ども!」

「「「「「サー イエス サー!」」」」」


 もうこのノリは変えられないのでこのままで行く、というか説明なしでも従ってくれるのでありがたい。


「ここにいる全員は無属性魔法はもう使える。そうだな?」

「「「「「サー イエス サー!」」」」」

「ならば、魔力を指先の一点に集め、火をイメージしろ。」

「「「「「サー イエス サー!」」」」」


 意外とあっさり出来る人とできない人に分かれる。


「お前はまだできないのか!」

「サー イエス サー!」

「名前は何と言った?」

「サー アンであります! サー!」

(あん)ちゃんだぁ?なんだ性転換でもしたのか??」

「あわわ……サー ノー サー!」

「ふざけるな!戦場での動揺は命取りになるぞ!!名前も気に入らん。これからはパニック雌豚と呼んでやろう。」

「サー イエス サー!!」



「しかたない。ヒントをやろう。パニック雌豚、火はなぜ燃えると思う?」

「サー わかりません サー!」

「考えろ!!……と言いたいところだがお前たちに構っている時間がもったいないから今回は教えてやろう。次はないぞ。」

「サー イエス サー!」

「火は燃えるものと熱、それと空気の中の成分を使って燃える。燃えると熱が出るので熱は初めにあるだけでいいわけだが。これだけ理解すれば充分だ。出来たやつにコツを聞いてもいい。やってみろ。」

「「「サー イエス サー!」」」


 出来た人にコツを聞いたりして出来るようになった人が増えていき、最終的に全員ができるようになった。


 この部隊は大丈夫そうだ。



 弓部隊には風魔法適正があるやつを集め魔法で弓の貫通力、飛距離を伸ばさせた。魔法で命中させるための補正はするなと言っておいた。そこを補正するのは魔力の無駄だ。


 鍛冶部隊には鉱物の抽出などの魔法を教え、指定した武器などを作らせている。


 今のところ歩兵部隊は全体のサポートとして育てている。1年の訓練とミスリル以外の武装ではオークとはまともにやり合ったら確実に負けるだろうし、そんな状況になったら詰みだ。

 真正面からやりあうための訓練は優先すべきではない。





 そして今日俺は森の探索に出かける。城から見て東の森だ。


 うちのサキュバスが成長したら魔物狩りの訓練をさせたいが、この森の魔物について、リーゼの資料では「人里に下りてくる魔物はいないので正確に調査は行えていない」とのことだったので主にその調査を行うつもりだ。


 魔族の条件は知能がある程度あること。人語を介して意思疎通ができること。が主な条件だそうだ。後は魔物に分類されるらしい。


 ルナとかがついていくと主張したが、「今の状態だと足手まといだ。」と言いくるめてきた。正直ついて来て欲しかったが、今は訓練をさせておかなければ。


 しかし取得してから鍛錬してレベルが上がった「飛行LV3」のスキルで飛べるので遭難の可能性は薄いから大丈夫だろう。まだこれはレベル上限ではないが。


 どこまで速く飛べるのだろうか。


 スキルによってレベルの上がりやすさは異なるが、飛行スキルなどは割とレベルが上がりやすかった。


 そういえばスキルだけで飛べるのだからあの翼ってやっぱり飾りなのかなぁ……。


 そんなわけで今俺は森の中を進んでいる。



 しばらく進んでいると目の前に突然狼のような動物が現れた。


 早速「鑑定Lv10」を使う。


ステータス

 名前:


 種族:グレイウルフ


 職業:


 Lv:4(経験値21/40)


 年齢:8


 HP:300/300


 MP:50/50


 筋力:341


 耐久:312


 素早さ:380


 称号:なし


 魔法:なし


 スキル:スキル「爪術Lv2(熟練度16/20)」「瞬速Lv2(熟練度4/20)」


 耐性:なし


 状態:なし



詳細


 「瞬速Lv2」・・・一瞬だけ素早さを2倍にすることができる。



 グレイウルフっていうのか。魔物だからなのか名前と職業が空白になっている。

 後は面白いスキルを持っているな。俺が使ったらかなりのものになりそうだ。複数のやつから集めればスキルレベルも上がるだろうし。


 スキルやレベルを見るとそれなりに生き残ってきた強者のようだ。


「グルルル……。」


 此方を威嚇してくる。


 う~ん。なんていうかサキュバスとかオークだと苦戦しそうないいステータスしてるけど、かなりの人数のステータスを取り込んだ俺の敵じゃないんだよなぁ。


 ……攻撃してきたら動くか。今回は調査だしな。できればサキュバス達に倒させてレベルを上げたい。



 なんて思っているとそのグレイウルフが跳びかかってきた。おそらく「瞬速Lv2」を使っているであろう速度で。



 ――先制の一撃で仕留めようという考えか。流石野生で生きているだけのことはあるな。戦いが合理的だ。



 跳びかかってきたグレイウルフの側面から軽く裏拳を入れる。

グレイウルフは吹っ飛び、木にぶつかり、動かなくなった。



 ――だが、相手の力量を計れないのは致命的だな。


 俺は動かなくなったグレイウルフのステータスを吸収してから、死体を「インベントリ」に放り込む。


 このグレイウルフのステータスは訓練をしていないサキュバスを圧倒しうるものであった。

 遭遇していたらあっさり殺されていただろう。


 ここはまだそれほど森の深い部分ではない。


 前の世界は「生きづらく死ににくい世界」だったが、この世界では「生きづらく死にやすい」ということを実感した。



 そして森の探索を続けるのであった。


主人公目線だと大抵の戦闘描写がどうしてもあっさりしてしまいそうな予感が。


……能力強すぎる気がしてきた。

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