受賞作の共通点
初出:2009年2月19日
受賞作が文庫として発売されてからというもの、すっかり小説大賞への応募のことを考える時間が多くなりました。
自分の作品にはきちんとした『設定』があるのかな、とか、キャラは立っているのかな、と、いつの間にやら考えてしまっているのですよね。
特によく考えるのはキャラのほう。
ライトノベルは『物語』ではなく『キャラクターの魅力』で読ませるもの、という側面が確かにあり、それは今回の受賞作『蒼穹のカルマ』(富士見ファンタジア文庫)と『これはゾンビですか?』(富士見ファンタジア文庫)にも当てはまっているのですよね。
どちらも設定がしっかりしているのはもちろんだけれど、それをあまり主張せずに、キャラをメインとしている、とでもいいますか。
物語において、設定というものをフローリングの廊下みたいなものと仮定して、それを前面に押し出そうと、しっかり見てもらおうと思って綺麗に磨きすぎると、摩擦係数の問題でツルツルと滑ってしまい、最終的にキャラが『立てなく』なってしまうのではないか、と思うのですよね。
キャラを『立たせる』には、設定を全面に押し出してはダメなんだろうなぁ、と。
そして、もちろんそれは設定をあまり作るな、という意味ではなくて、設定に頼らなくても『魅力的』だと感じるキャラを作り出せるかどうか、という問題で。
じゃあ、僕の考えているキャラは、果たしてちゃんと人に共感してもらえるのかな、応援したいと思えるような性格をしているのかな、と。
で、長編小説でキャラが魅力をしっかりと出すには、果たして作中に何人までキャラを出していいのか、ということも考えてみたり。
現状、僕の考えている応募作では、主人公にヒロインが二人、親友キャラに悪役(?)が二人。
回想シーンでしか出てこない(と思われる)主人公の両親とかを含めればもっといきますが、とりあえずメインを張るのは、その六人となっています。
しかし、果たしてこれでいいのだろうか、と思うときもあるのですよね。キャラの魅力を語るページをどう割くかにもよりますが、変にキャラを増やして、中途半端な役割で終えてしまうキャラが出てしまうのはいかがなものか、とも思いますし。
さらに、ダブルヒロインという設定をどこまで生かせるかも、正直、不安が残ります。
でもまあ、キャラ設定はこの六人でほとんど決まりかなぁ……。
あ、もちろん、これからも試行錯誤は繰り返していくと思いますけどね。構成とか、全然ですので(苦笑)。
あ、そうだ。次の回では『バトルシーンの書き方』なんかに言及してみるのもいいかもなぁ、と思っております。
現実にやるかどうかは(そこまでちゃんとしたことを語れるかどうかという意味で)微妙ですが、まあ、一応。




