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決めることと決めないこと

初出:2009年2月7日

これは、程度の差こそありますが。

小説を書き始める前には、『ある程度決めておくべき事柄』と『その場面に差し掛かる直前までは決めずにおく事柄』ってありますよね。


そんなわけで、ここで全員に共通しているであろう『当たり前(ノーマリティー)』を挙げてみるとしましょう。あ、いまの文章でニヤリとできた方は、ほとんど間違いなく『空の境界』(講談社文庫)を読んだことがあるはず(笑)。


それはともかく、『決めておくべき事柄』って絶対に存在するのですよね。一番一般的なのは、『自分の書きたいこと』でしょうか。これを決めずに執筆にとりかかるって、そうそうありませんからね。

しかし、『その場面に差し掛かる直前までは決めずにおく事柄』は、『これ』っていうものがなかったりするのですよね。設定を練りに練り、すべてを決めてから書く、というタイプの人には、そもそも書いている最中に決めることなんてないかもしれませんし。


逆に僕の場合は、酷いとメインキャラの名前すら、登場一話前ぐらいの段階で考えたりしますし。

あ、『ハーメルン』で連載している『マテリアルゴースト』(富士見書房)の二次創作小説『いつまでもあなたのそばに』の登場人物――スピカの祖父であるレグルスがそんな感じでしたね。

スピカとシリウス(スピカの兄)の名前は二、三話前の段階で決めておいたのに、レグルスだけはその名前を決定するのがやたらと遅かったです。というか、考えようともしなかったです。


さてさて、そんな『その場面に差し掛かる直前までは決めずにおく事柄』に当てはまるのが先日、また出てきました。皆さんは鈴音と九恵が『力』を使う際に発する『掛け声』を憶えていらっしゃるでしょうか?

鈴音はオリジナルキャラではないため、『マテリアルゴースト』で出てくる『ハッ!』を、九恵は以前なにかのマンガで見た『オン!』を使用しています。

しかし、スピカの掛け声のみ、つい先日まで決めてありませんでした。いや、もちろん候補は考えておいたのですが、最終決定は実際に使う段階になるまで決めずにおいたのですよ。


で、このスピカの掛け声、実は『ドラクエⅢ二次』との接点――リンク・ポイントになるのですよね。ええ、なぜかこういう些細なところで『世界』は繋がるのですよ。

そして、こういうところでも言えるのですが、僕は物語のリンクの仕方はある程度考えてあるのですが、細かいところは本当にそのときの思いつきや、候補の絞り込みで決めることが多く。


でも、こういうのって、実はすごく大事なのですよね。こういう『その場面に差し掛かる直前までは決めずにおく事柄』があるというのは、つまり変更しなければならなくなったり、変更したほうが面白くなるという事態が発生した際に、かなり自由に展開を変えることができる、ということであり。

そこをギッチギチに決め込んでしまっていると、それを守ろうとするあまり、『面白さ』や『伸び伸びさ』が失われてしまいかねないのですよね。

しかし、かといって『メインキャラクター』の名前まで決めずに執筆するというのも、なかなかに危険です。や、先ほども述べたとおり、過去にやったことありますけどね、僕。それもレグルスのようなサブのサブではなく、本当に正真正銘のメインキャラで。

でもそれは、できるだけよしたほうがいいだろうと思います。でないと僕みたいに『適当に英語の辞書を開いてみたら『ドロー(引き分け)』という単語が目に止まった。それに『ア』を足してドローア』なんて命名をしかねません。……や、いないか、そんなことする人。僕以外には(汗)。


ともあれ、やっぱり『その物語内で必要最低限やりたいこと、やらせたいこと』はちゃんとメモをとるなりして書き始めるほうがいいと思います。それすら決めずに突っ走るのは、物語が長くなればなるほど危険です。

そして、それ以外の箇所は敢えて決めずにおくというのも、それはそれでアリなんじゃないかな、と思うのですよ。上手くいけば設定やキャラクターがすごく生き生きと動いてくれますからね。


さて、そんなわけで僕もそろそろ『黄昏色の詠使い~闇色の間奏曲インテルメッツォ~』のプロットをノートにでも書かないと……。

ある程度の筋は頭の中にあるのですが、かなり見切り発車気味に始めてしまったのですよね、あれ……。

とりあえず、『いつまでもあなたのそばに』の第一章が終了したら、次は『黄昏』を執筆する予定でいますので、そろそろプロットを立てておかないと、本当にマズそうなのですよ(汗)。


あ、そうだ。『いつまでもあなたのそばに』の第二章は、新しく登場させる予定の『御影みかげ瑠天るてん』(神無の血が流れていない神無家の長男)をどう動かすかでかなり展開を変える必要があるのですよね。

神無かんな深螺しんらにはなんの興味も持たないキャラにするべきか、彼女が『孤高の天才』であるからこそ、せめて自分だけはと彼女を影ながら案じるキャラにするべきか……。そして『オルタナティブゴースト』の鞠亜まりあと関わりを持たせるべきか、持たせないべきか……。


……うん、これもやっぱり、第二章のプロットを立てる段階まで決定はしないでおこうと思います。

もっといいアイデアを思いつく可能性もありますので。

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