スランプでも少しずつ
初出:2008年10月29日
昨日は仕事の帰りに『空の境界』(講談社文庫)をパラパラと立ち読みしてきました。いや、相変わらず『作者の主張』というものがしっかりしていて、それに圧倒されますね。
お金を持っていっていればそのまま買っていたかもしれませんが、購入は、まあ、また後日。
いま上巻を再読しているところですので、おそらく来月の初めには中巻・下巻と買うことになると思います。
さて。
スランプです。現在、シャレにならないほどスランプに陥っています。
なんか地の文が上手く書けないのですよ。あと筆の進みも遅い気が……。
というのも、なんだか書いていてそのとき合う単語や表現がパッと出てこないのですよね。あ、もしかしたら『文章として成立させること』にこだわりすぎているのかもしれません。倒置法とか、うまく使えていないような……。
それと現在、『ハーメルン』に投稿している『いつまでもあなたのそばに』の『蒼き惑星』回を書いているのですが、これが説明が多くなってしまって……。
正直、背景をどこまで描写(説明?)するか、で困っている感じがします。まあ、あとあと『これ、後付けの設定なんじゃ』と思われないようにするために、今回は設定をすべて提示してしまおうと思っていますが。
そして、きっとそういう精神で書いているというのが、地の文がスムーズに書けない一因となっているのでしょうね。
さて、スランプの状態で書いているというのは、当然のことながら、あまり楽しくはありません。もちろん書く時間がないのに比べればマシなのですが、それでも心の底から楽しいとは言えず。
で、思ったのですが、これは自分が楽しんで書けていない、とも言えるのではないでしょうか。
そして、これは昨日、『空の境界』を読みながら感じたことなのですが、『伝えたいこと』がしっかりしている作品は、読んでいて面白いのですよね。のめり込んでしまう、と言い換えてもいいかもしれませんが。
逆に言えば、『伝えたいこと』がない作品は『面白く読んではもらえない』のではないでしょうか。
さらに思考を進めていくのなら、『伝えたいこと』がないシーンは、書いていてもそれほど『楽しくない』のではないかな、とも思えます。
それを踏まえた上で、いま僕が書いているシーンというのは、『伝えたいこと』が限りなく少ないです。ないというわけではないのですが、それでも『少ない』のです。なんというか、心から伝えたいと思うことがない状態で、『心から伝えたいこと』を書くシーンにたどり着くために、いわば『通過儀礼的に』一話一話を書いている気がするのですよ。
あ、思ったのですが、この『心から伝えたいこと』が物語の最後のほうにあると『長編向き』で、最初のほうにあると『短編向き』なのかもしれませんね。『心から伝えたいこと』を書いてしまうと、大抵の場合は『もういいや』と書く気力がなくなってしまうものですから。
ともあれ、スランプの原因のひとつが、昨日、『空の境界』を立ち読みしていてわかったような気がします。
もっと自分の主張を書くべきなのだ、と。予定調和なラストに向けて、通過儀礼のように話を書いていくのではなく、一話一話を全力で書いていくべきなのだ、と。
もっとも、いまからストーリーをそういう風に変えることはできませんし、地の文が難しく感じられるという『文章面』のスランプ脱出の手段もまったく見えてきていませんので、いますぐスランプ脱出、とはいかないのですけどね(苦笑)。
まあ、それでも。
一歩ずつ、前に向かって歩くように、『心から伝えたいこと』を書けるシーンに向かって書いていこうと思います。




