『起承転転結』くらいがちょうどいい?
初出:2008年8月8日
一迅社から刊行されている『FORTUNE ARTERIAL』のアンソロジーVol.1とVol.2を昨日、買ってきました。
うん。やっぱりショートストーリーにはショートストーリーのよさがありますね。個人的には1本だけとはいえ、陽菜の甘々な話があったのがよかったです。
さて、いまは趣味にひた走るときではありませんので、ここらで本題に。
アンソロジーコミックスのショートストーリーはページ数の都合上か、『起承転結』ではなく『起承結』、あるいは『起転結』で構成されているものが多い気がします。
ちなみに前者は甘々な話に、後者はギャグ主体の話に多いですね。
で、四コマはどうかというと、基本的には『起承転結』なのですが、たまに『起転転結』や『起承承結』、場合によっては『起承転転』である場合すらあります。
そして僕的にはこれ、アリだと思うのですよね。
実際、僕も『ハーメルン』で連載していた『マテリアルゴースト』(富士見書房)の短編集的な二次創作小説『それぞれの目線』では、そういう構成の話を書きましたし。もちろん、狙って。
でもって、これを小説に当てはめたとき、僕の書き方は『起承転結』ではなく『起承転転結』になっていることが多いです。状況(物語の構図)が大きく変わるシーンを意図的にもう一度入れているわけですね。特に長編だと、僕はこの構成を採ることが多いです。
これは、僕が小説を書くときに『読み手を驚かせること』ばかりを狙っているからなのでしょうね。
なんというか、『起承転結』では書いていて個人的に物足りないのですよ。
場合によっては『起転転結』にするのもアリなのですが、でも、それだとどうも慌しくなってしまいますし……。
ほら、伏線って『起承転結』の『承』のところでばら撒くものだと思いません? いやまあ、もちろん『起』や『転』のところでも張りますが、一番張りやすい箇所は『承』だ、という意味で。
ともあれ、書き手からしてみても読み手からしてみても、『転』は2回あったほうが面白いんじゃないかな、と思うのですよ。
主人公とヒロインが競い合う展開の推理モノなら、ヒロインの語った推理を主人公の推理が打ち破り(これが1回目の『転』)、しかしその主人公の推理にも穴があることが判明し(2回目の『転』)、最終的には主人公とヒロインがお互いの持っている情報を交換し合うことで真相が判明する(これが『結』)。
こういう展開のほうが、ただ主人公が推理でヒロインに勝つよりも面白くなるんじゃないかな、と。
ほら、こうすれば主人公とヒロインの協力という、恋愛の要素を入れる展開にも持っていきやすくなりますからね。
……って、ヤバッ!
なんかこんなことを書いていたら、普通に執筆したくなってきました。そういう推理モノ。事件の概要もなにひとつ決まっていないというのに(苦笑)。
まあ、どんな構成を採るにせよ。
常にちゃんと伏線を回収しきって、『結』まで書くようにはしたいですね。
すっきりしない結末を提示しては、やっぱり読み手にもモヤモヤを残してしまうでしょうし。




