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なにもかもを決めているとつまらないよね、というか決められないよね

初出:2008年4月4日

ちょっと今日はプロット及びストーリー展開に関する話をば。


まず、長編作品を執筆するときに僕は、『プロット』以前に『大まかな流れ』というものをノートに書きつけています。

例えば『ハーメルン』で連載している『いつまでもあなたのそばに』は、


『マルツ、地球へ』→『けいたちとニーナ、出会う』→『VSダークマター』→『サーラ、地球へ』という感じに書いてありますね、エピローグの部分まで。

その中には『蛍たち、蒼き惑星ラズライトへ』というのも、もちろん存在しています。あ、『ミーティアたち、地球へ』というのもありましたね。


で、そんな風に割と細かく決めてある『大まかな流れ』ですが、割と最後のほう(第六章、最終決戦直前)までくると『蛍の結論』としか書かれていなかったりします。


正直、この『蛍の結論』という項目はもう一年と半年くらい前に書きつけたもので(まあ、第一章の各話プロットもこの頃に書いたものだったりするのですが)、正直、どんな問題にどういう結論を出すのか、まったく書かれていなかったりします。

でも、それは当たり前。なぜなら、その段階で、僕はこの『蛍の結論』の内容を一切考えていなかったのですから。


ええと、本当は執筆したあとに『ここは最初からこうするつもりだったんだよ』という顔をしたほうがいいのでしょうが、でも事実、そうなのですよ。

そこまでに起こるいくつもの問題(人死にも出る予定です)を前に、ときに逃げ、ときに解決し、そうして積み重ねていった経験を基に『蛍の結論』を出そうと考えていたのですよ、いや、マジで。


だから書き手であるにも関わらず、僕にはこの『蛍の結論』というものが――蛍という主人公が最終的にどんな結論を出すのかが、サッパリわかっていなかったりします。

本当に、物語の流れに任せるつもりなのですよね。


いや、もちろん考えておこうと思えば、できるのですよ。

実際、『これでいこうかな』という案が出たこともありました。

でもストーリーの進行具合はまだ第一章の半ば。その段階から『蛍の結論』を僕の中で作っておくと、色々と悪い意味で『無難な展開』になっていってしまいそうなのですよね。

だったら、まだ不確定要素としておいてもいいかな、と。

実際、なにもかもを決めてから執筆を始めると、書きたいシーンに行くまでが長く感じられて仕方ありませんからね。これはこれでアリだと思うんです。


まあ、なんにしろ、ちゃんと読み手にわかりやすく、納得してもらえるものを書きたいものです。読み手を置いていくような作品には、したくないです。

置いてけぼりにしないために必要なのは、語り部と読み手のシンクロですかね。基本、読み手の知らないことは語り部も知らないようにしておく、というか。


感じとしては、


仲間「あ、今日は満月だったんだな」


語り部「本当だ。じゃあいつでも戦えるように準備しておかないとね」


ではなく、


仲間「あ、今日は満月だったんだな」


語り部「本当だ。綺麗だなぁ……」


仲間「いやいやいや! 『綺麗だなぁ』じゃなくて! 満月の夜にはモンスターの行動が活発化するだろ! だからほら、早く戦闘準備!」


語り部「あ、そういえばそうだったね。すっかり忘れてたよ」


にする、とでもいいますか。

ほら、『満月の夜はモンスターの行動が活発化する』という設定がすでに作中に出ているのなら前者の会話でもいいですけど、やっぱりわかりづらいことに変わりはないですよね?

だったら後者のように語り部と読み手の知識をほぼ同程度にしておいたほうが読み手は物語世界に入ってきやすくなるんじゃないかなぁ、と。


まあ、語り部をこういう『ポケポケ』な性格にするのが嫌だったら、この会話はアウトですけどね(笑)。

まあ、他にも地の文で前もってこの『設定』を説明しておくとか、やりようはいくらでもありますが。


で、そういうわかりやすいか否か、という点では、『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』におけるファルカスとサーラの和解(?)のシーンはどうだったかなぁ……。

いままで難色を示されたことがないという事実にはホッとしておりますが、サーラの言葉がファルカスに届いた際、もしかしたら『なんでそんな言葉でファルカスが立ち直っちゃうの?』という感じの納得いかない感想がくるかもと、内心、いまでもけっこう心配だったりするのですよ。


むぅ……。人の心は矛盾していることが多いから、あんな感じの展開でも説得力はあったのでしょうかね……?


それと、あれです。

同じく『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』において登場した<通心波テレパシー>という術の唐突さ。

『いつまでもあなたのそばに』を先に読んでくれていればなんの問題もないのですが、『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』という作品単体で見ると、なんというか、<通心波テレパシー>はすごくとってつけた感があると思うのですよ。実際は全然、前もって考えてあった設定なわけですが……。


あとはブラッドのこととか、クラフェルとハルクの契約シーンとか(契約に関しては、本当にまったく設定を作っていなかったり……)。

…………。ああ、色々と穴だらけだなぁ。振り返ってみると……。

そして、これからの展開は、読み手の皆さんに受け入れてもらえるのかなぁ……。


心配です。激しく心配。


まあ、心配だろうとなんだろうと。

僕には全力で物語を紡いでいくことしかできないわけなんですけどね(苦笑)。

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