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面白い小説にするためには

初出:2006年11月28日

面白い小説を書く。

それは小説を書いている人間の永遠の目標と言っても過言ではないでしょう。

というわけで僕なりに、どう書けば『面白い小説』になるのかを考えてみたり。


まずはキャラクターです。

魅力的な、ちょっとした会話が面白い主人公とヒロイン。これがあるのとないのとでは面白さがまったく違ってきます。特に男女の組み合わせにすることが重要。そうすることによって、ラブコメ的なシーンを入れることができるようになります。

たとえそんなシーンを入れる予定はなくても、読者は勝手にそういう展開を期待して読みますので、やっぱり主人公格は男女の組み合わせであることが望ましいです。


次に物語。

ギャグの要素を入れることは重要ですが、それはあくまでスパイス程度に留めたほうがいいでしょう。

それより、柱となる主人公たちの『目的』を早い段階で提示しておいたほうが物語の展開がわかりやすくなります。そこにギャグの要素を適度に入れられると、小説はすごく面白くなると思います。


そして、キャラの心理。

これをちゃんと理解できているのとできていないのとでは、シナリオ・キャラクターのとる行動や言動の根本に存在する『なぜこうなるのか』や『なぜそうするのか』の深みがまるで違ってきます。

よくキャラの設定を起こすときに『異性なら、結婚するくらいの気持ちで創りましょう』とあります。これは『マンガの描き方』からの引用ですが。

結婚、というのはつまり、そのキャラのことをそれほどまでに深く理解しよう、ということです。


例えば、勇敢なキャラ、事なかれ主義のキャラ、そして『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』に出てくるヒロイン――サーラのような優しいキャラがそれぞれ、モンスターと遭遇したとします。

このとき、勇敢なキャラは一気に突っ込んでいき、事なかれ主義のキャラは仕方なく戦うか、逃げるかし、優しいキャラはなるべくモンスターを傷つけずに追い払おうとします。

これは必ずそういう行動をとらせたほうがいい、というよりも、基本的にそれ以外の行動をとらせてはいけないのです。

なぜなら、そんなことをしようものなら、キャラの性格が破綻してしまうからです。キャラの行動に違和感が出てしまうからです。


論理的に考えれば、基本、勇敢なキャラが逃げ出すことはありえませんし、事なかれ主義のキャラがモンスターとことをかまえようとはしませんし、優しいキャラが問答無用でモンスターを倒そうとしたりはしません。

もちろん他の要素(絶対に護るべき人がいて、戦わざるをえない、とか)があって、事なかれ主義のキャラがモンスターに立ち向かう、なんて例外もありますが(というか、基本、これが成長につながることが多いのですが)、そういった『他の要素』抜きでキャラの心理と矛盾した行動をとらせるのは絶対にやめたほうがいいです。あちこちから叩かれますので。


また、この『キャラの心理』というのは、悪役にも強く適用されます。要は『なぜ悪いことをするのか』、という動機づけですね。

いまは悪役に『主人公と敵対する理由』を作ることが必要とされている時代です。『悪い奴は悪いことをするから悪いんだ』なんて理屈は通じないのです。

そして、この『主人公と敵対する理由』が納得できるもので、共感できるものであればあるほど、物語は面白みを増すと言っていいでしょう。


物語の軸はある意味、悪役が握っているのです。魅力的な物語には必ずと言っていいほどに魅力的な悪役――『名悪役』が存在しています。

この『名悪役』と、人間臭さに溢れた主人公たちをいかに作れるかが面白い小説を書くカギだと僕は思っています。

なにかを護り、戦う主人公。譲れないなにかを持ち、必死に戦う悪役。どちらも僕はとても格好いい存在だと思います。魅力的だと思います。


あ、そうそう。僕は基本、こういう考え方で小説を読んでいるためなのか、けっこう評価が辛口だったりします。いいところは素直に『いい』と言いますが、悪いところは『どうしてここが悪いのか』を徹底的に語ります。そしてそんなものがあるときは『こうしたらよりよくなると思う』ということまで語ります。

下手すると毒舌と取られかねません。あまりオブラートに包みませんので。

要はとことんその作品を読み込んで、『どうしてそうなるのか』を頭の中で整理してしまうのです。だから僕はただのギャグマンガが苦手なのでしょう。つじつまの合わない推理マンガも。


これから小説を公開しようと思っている方、もし僕に読まれたらけっこう辛口の評価をされることを覚悟しておいてください。なにしろ僕は『この作品が言いたいことはなんだったんだろう』まで考えるタイプの人間ですから。

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