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僕が小説を作るときの手順

初出:2007年11月16日

前回は『精神面』で語ったので、今回は『技術面』でいこうと思います。


本当は『論より証拠』というタイトルで、以前やったときには失敗した『具体的な伏線の張り方』でも語ろうかと思ったのですが、なんか、例とするストーリーが頭の中でしっかり固まっていないのと、ムチャクチャ長くなりそうなので今回はパスさせていただこうかと(汗)。


では、まず僕が物語を考える際の手順を一気に箇条書きで羅列してみましょうかね。

題して、僕の『物語の構築論その1』!


1.重要なワンシーンが頭に浮かぶ。

2.おおまかなキャラクターを設定する。

3.ラストシーンを考える。

4.一番最初のシーンを考える。

5.おおまかな、物語全体の流れを頭の中で考える。

6.煮込む。それはもうグツグツと煮込む。

7.寝かせる。寝かせている間、この物語はしばし忘却の彼方。

8.物語を自然に展開させるための伏線張り。

9.読み手を驚かせるための伏線張り。

10.細かい一話一話のプロットをノートに書きつける。

11.ようやく執筆開始。


まず『1』は完全にインスピレーション、思いつきですね。すべてはここからスタートします。これがないと僕は物語を書けません。


次の『2』ですが、この段階では『キャラクター』を設定するだけで、名前まではあまり決めなかったりします。

名前は大抵、『10』の段階で決めてますね。インスピレーションでだったり、本を読んで『いい名前だな』と思ったものを使わせてもらったり。

とりあえず、読みやすい名前を心がけてはいるつもりですが。


ともあれ、なのでこの段階では仮の名前で呼んでますね。

僕は例えば、声のイメージでキャラを作ったり、作風に合う性格にしたり、場合によっては、『あの作品のキャラ、魅力的だったな。よし、名前を変えて作品に出しちゃおう!』なんてこともよくやっていたりします。

はい、完全にパクりですね(苦笑)。案外、これが僕が二次創作を得意としている理由なのかもしれません。


で、声のイメージで決めたりパクったりした場合は、『○○っぽいキャラ』と呼んでいます。脳内で作っている段階なので、それで充分なのですよね。

この段階で正式な名前まで決まっているというキャラは『作風に合うキャラ』だけです。『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』のファルカスとサーラはもろにこのタイプでしたね(笑)。


さて、次に『3』です。これは必ずやっています。最後まで物語を紡いだ際に、絶対に破綻させないためですね。……と言えば聞こえはいいのですが、これは単に、僕が書きたいシーンが大抵、最後のほうであることが多いためです。

『1』の段階で大抵、ラストシーンまで決まってしまっているのですよね。


そして『4』。実はここを考えるのが一番難しかったりします。出だしですからね。

読み手の心をしっかりつかめ、なおかつちょっとテンション低めに書くようにしています。『ハーメルン』に掲載している『いつまでもあなたのそばに』の第一話は稀に見る例外ですね。


『5』では出だしのシーンを一番左にある点、『1』で思い浮かんだシーンを中間点、そしてラストシーンを一番右にある点に見立て、それを1本の線にするように作っていきます。だから僕の作品は非常に中だるみすることが多かったりするのですよ。中盤がつまらなくなりがちなのです。

と、まあ、ナンバーをふりはしましたが、ここまでの作業は大抵、並行してやっています。


さて、『6』を読んで『煮込むってなに!?』と思った方、けっこういらっしゃるのではないでしょうか?

これと『7』の『寝かせる』は、僕にとって絶対必要な作業だったりするのですけどね。

というか、これをやるから僕の小説は、ストーリーを思いついてから公開するまでの期間が長いんですよね……。


ともあれ、『煮込み』はいわば、『脳内で実行する、プロットの確認作業』です。展開に無理がないかを確認するわけですね。

ここで煮崩れてしまった作品はボツにします。煮崩れた例を挙げるなら、『死神とチョコレートパフェ』(富士見書房)の二次創作小説ですね。まあ、その要素は『黄昏色の詠使い』(富士見書房)の二次創作作品に受け継がれていますが。そしてその『黄昏二次』も企画立案の時点とは、だいぶストーリーが変わっていますが。


『寝かせる』のは、これもやはり確認作業です。ただしこっちは『衝動だけで書こうとしていないか』を確認します。

衝動だけで書いていると、物語は書いている途中で破綻してしまうことがままありますからね。

この『寝かせる』期間が長いのが問題なのかもしれませんが、まあ、それは僕のやり方ですので、必要ない方も多いかと。

ただ、この二つの作業をやると、きっと完成度は高くなると思いますよ。


さてさて、『寝かせる』作業を終えてなお、その作品を書きたいと思うのなら、いよいよ『伏線張り』に入ります。

伏線は『物語を自然に展開させるためのもの』と『読み手を驚かせるためのもの』の2種類を用意。

基本、この段階から断片的にノートに書き始めますね。この段階のノートは、はっきり言ってカオスですが。他の人が見ても僕の考えているストーリーは連想できないと思いますが。いえ、そもそも、あまりにも期間が空きすぎると(三年とか)、僕にすらわけのわからない単語が羅列されていることがままありますが(汗)。


ちなみに、この『9』の作業をしているときが創作活動中、一番楽しかったりします。

あと、『8』と『9』は執筆中に追加することもしょっちゅうですね。


ここまで出来たら、次はノートにプロットを書きます。

その話その話で必要最低限やるべきことを書き出すわけです。キャラクターの行動とか、絶対に言わせたいセリフとか。

ちなみに、ここまでくると、書いてあることのカオスっぷりはかなり薄くなります。第三者が読んで、普通に楽しむこともできる、はず……。


最近は『10』をやらないこともありますが、基本、やります。『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』でも一話単位でのプロットは書きました。


さて、ここまでやって、ようやく執筆に入ります。

実はこの段階ですでに、物語のすべてを書き終えた気分になっていたり(苦笑)。

なので、この『執筆』というのは、ノートに書いた設計図を肉づけしながらパソコンに打ち込んでいく作業になります。これ、実は割とつまらなかったり……。


さて、次は『物語の構築論その2』。

ここからは『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』を使って、具体例を挙げていきます。

そんなに長くはならないと思いますので、どうかお付き合いを。


で、僕はやはり、物語→設定→キャラクターという順に考えています。

まあ、『ザ・スペリオル』はすでに設定が出来ていましたので、設定が一番最初に来ていると思いますし、二次創作は同様の理由で設定が最初に、キャラも別の方が作っているので、必然的に物語が最後になりやすいですが。


ともあれ、『ザ・スペリオル~夜明けの大地~』を例にやってみましょう(大事なことなので二回言いました)。


1.ファルカスとサーラのバトルシーンが書きたいな。(物語)

2.じゃあ、サーラの性格は聖人君子じゃマズいか。(キャラクター)

3.とりあえず、最後はファルカスとサーラが一緒に旅をするように持っていかないと。(物語)

4.そもそもファルカスはどうしてサーラと戦うことになるんだ? (設定)

5.原稿用紙に書いた初稿を読んだ限りだとファルカスは裏組織に所属しているから、サーラに『親の敵』と思わせよう。(物語)

6.でも、最後は一緒に旅をするようになるんだから、ファルカスは悪いことをしていないことにしないと。(キャラクター)

7.よし、ブラッドが黒幕ということにしよう。でもそれだけじゃありきたりだから、クラフェルという真の黒幕を登場させよう。あ、ついでにもう一人、紅一点も出したいな。(物語・キャラクター)

8.クラフェルがファルカスに殺しを命じるところからスタートさせるか。でもそれだとインパクトが弱いかな。ファルカスのトラウマっぽいものを連想させるシーンから始めて、回想という形でクラフェルとの会話を入れたほうがいいか。(物語・キャラクター)

9.ファルカスとサーラには旅をしてもらうとして、その合間にさて、なにを起こそうかな。とりあえず、サーラがファルカスを殺そうとしている描写は入れないと。(物語)

10.あ、読み手を驚かすなら、そのあたりは上手く隠しながら進めて、最後のほうでドーンとばらしたほうがいいか。(物語)

11.あのラストシーンに持っていくには、ファルカスには裏組織から足を洗ってもらわないとな。そのあたりの説得はサーラに任せるとして、よし、この際『暗闇の牙』は壊滅させるか。(物語)

12.せっかくだし、魔族出そう、魔族。呪文の詠唱もさせたいし。でも黒幕は魔族じゃないから、魔族のハルクにはあんまり目立ってもらっちゃ困るな。チョイ役でいいや。(物語・キャラクター)

13.あ、ちょっと明るいラブコメ要素も入れたいな。よし、ファルカスを慕っているキャラを出そうファムレンさんたち、登場決定)。(物語・キャラクター)


とまあ、こんなところでしたね。もちろん、当時を完全に憶えてはいませんので、多少の違いはあると思いますが。

しかし、これを読んでいただけると、僕がいかに物語ばかり考えているか、わかっていただけると思います。どれだけキャラクターをないがしろにしているかも。


それと、ネタバレになりますので、ここには書きませんでしたが、ルスティンには途中で設定をつけ加えたりもしました。

それくらい、作品を考えるという行為は流動的なものなのですよ……。

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