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読むこともまた大事

初出: 2007年9月22日

先日、臨時収入があったので色々と本を買ってきました。

まず『憂鬱』・『溜息』・『退屈』・『動揺』を持っていた、『ハルヒ』(角川スニーカー文庫)の既刊五冊。

つまりは、『消失』・『暴走』・『陰謀』・『憤慨』・『分裂』。

そしてあともう一冊は『スパイラル・アライヴ』(スクウェア・エニックス刊)の第三巻。


さて、『アライヴ』はともかくとして、他の小説類はいつ読めるでしょうかね。なにしろ僕、まだ読んでない本が山とありますから。


あと『ハルヒ』の最新巻、『驚愕』はいつ出るんでしょうかねぇ(遠い目)。


さて、ではそろそろ本題に。

これだけ読むものがあると、小説書いてる時間がないのでは、と思われるかもしれません。そしてある意味では、その通りだったりもします。

また、小説を読んでばかりいないで、その時間を執筆に充てろ、とも思われるかもしれません。


でもですね、僕はこう思うのです。

小説は確かに、書かなければ上手くはなりません。

しかし書いてばかりでは、いずれネタが底を尽きます。

なので、読むことにも時間を割いて、知識や文法、他者の様々な考え方を取り入れるのも、また大事なことだと思うのです。

そう、なにもないところからなにかを生み出すのは、絶対に不可能なのですから。


実際、『無』から書かれている小説なんてものは、どこにも存在しません。

だからこそ、小説の腕を上げるには、他者とコミュニケーションをとるなり他の小説を読むなりして、その考え方や世界を理解し、自分の中で再構築する必要があると思うのです。

なにをするにも、まずは他者の真似から始めるものですしね。

まあ、もちろんのこと、プロになろうというのなら真似ばかりしてはいられないわけですけど(苦笑)。


さてさて、そんなわけですので、どんな本を読めば創作するにあたっていい影響を受けられるのか、ちょっと考えてみようと思います。


まず自分の思考パターンを自己分析し、それと同じジャンルを選びましょう。ファンタジーを書くのが得意ならファンタジーものを、コメディが好きならコメディを。自分と色が似ている作品こそが、もっとも真似しやすい作品となりえます。

ちなみに僕の場合は『マテリアルゴースト』(富士見書房)でしたね。あとコミック版の城平京先生の作品(『スパイラル~推理の絆~』・『スパイラル・アライヴ』・『ヴァンパイア十字界』)。


さて、ここからは一度でも小説を書いたことのある人に対する文になってしまうのですが、次に、出来る限り多くのジャンルに目を通してみましょう。

このとき、自分がいままで避けていたジャンルを敢えて読んでみることをオススメします。自分にとって新鮮な設定が盛り込まれていることが多いですよ。

実際、僕はコミック版『ひぐらしのなく頃に』をおそるおそる手にとってみて、色々とプラスの刺激を受けることができたと思っていますし。


さて、その次は、これはもう常識かもしれませんが、『ミステリ』と『SF』を特に重視して読んでみましょう。

前者は『起承転結』や『伏線』がしっかりとしている作品が多く、後者は自分の持つ常識をあっさりと、明確な理論を用いて覆してくれる作品が多いです。

僕は『名探偵に薔薇を』(創元推理文庫)と『僕たちのパラドクス』(富士見書房)でその事実を知りました。


もっとも、小説を面白く書くにはどうするか、というのを求めてさえいれば、自然と『ミステリ』と『SF』に興味を抱くことにはなると思います。遅いか早いかの差はあるでしょうけど。なにしろ、僕ですらそうなりましたから(苦笑)。

あ、一応言っておきますが、『ミステリ』と『サスペンス』はまったくの別物ですよ。お間違えのないように。


ところで、推理が必要になる事件を起こしたり、名探偵を出したり、そもそも登場キャラに推理をさせたりなんてしないから、『ミステリ』を読む必要なんてない、と思っている方はいらっしゃらないでしょうか?

これは、とんでもない間違いだったりします。

いいですか、『ミステリ』は長編を書く際に必要な『伏線』の宝庫です。『ミステリ』をちゃんと読んだことのある人とない人では、実力にかなりの開きが出てくるのですよ。


小説を書く上での実力とは、大まかに分けて『面白い掛け合い』・『すんなり読める文章』・『違和感なく最初と最後を繋げる構成』の三つだと僕は思っています。

これが書けるか否かでその人のレベルがはっきりします。

そして『伏線』は、その『構成』の部分に大きく関わってくるのですよ。


もちろん、オリジナリティにあふれた設定や魅力的なキャラが一番大事、という方もいるでしょう。

でも僕の場合はそれ、実は二の次だったりします。

というか、魅力的なキャラに限っていえば、『出来ていて当たり前』とすら思っていたりします。


大事なのは、まず『好感を抱かれるキャラ』と『面白い掛け合い』。

まあ、実際は『好感を抱かれるキャラ』が書ければ、自然と『面白い掛け合い』も書けたりします。

逆に言うなら、どんなに面白い掛け合いを書こうとしても、好感を持たれないキャラがそれを口にすると、場がしらけてしまったりするのです。


で、ここで僕が思うのが、『好感を抱かれるキャラのパターンはもう決まりきってしまっている』ということです。

設定や構成にオリジナリティを出すことは出来るかもしれません。

しかし、あちこちで見かける『オリジナリティのあるキャラ』というのは、実は根幹を見てみると、既に人気のあるキャラの性格のバリエーションのひとつにすぎなかったりするのですよね。

十人十色だのなんだのとは言いますが、結局、同じ『人間』という生命体が好感を抱く存在なんて、ある程度パターン化してしまっているのでしょう。少なくとも、いま現在に限っては。


もっとも、たまには居ますけどね、とんでもなくオリジナリティあふれるキャラというものも。

しかし、そういう要素で大賞を受賞した作品って、大抵、次の作品を出せずに埋もれていったりしてますよ?


『すんなり読める文章』は……うん、これはもう、ただひたすら頭の中に文章を浮かべてこねくり回してみるなり、他の小説を読んで表現方法をたくわえるしかありませんかね。『構成』にしても、ほぼ同様かと。

とにかく、読むことからすべては始まると、僕はそう思うのですよ。インプットしなければアウトプットすることも出来ませんって。きっと。


まあ、よく考えてみたら、『本格ミステリ』をまったくと言っていいほど読まない僕が語ることじゃないですね(汗)。

こんな長々と語っておいて、締めがこれというのもアレですが……。

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