第四条の二 条約による国外犯
第四条の二 第二条から前条までに規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第二編の罪であって条約により日本国外において犯したときであっても罰すべきものとされているものを犯したすべての者に適用する。
第2条から第4条までに規定するもののほか、この法律は、日本国外において、第2編の罪であって条約により日本国外において犯した場合でも罰するべきものとされているものを犯した全ての者に適用する。
第2条はすべての者の国外犯について、第3条は国民の国外犯について、第3条の2は国民以外の者の国外犯について、第4条は公務員の国外犯についてだったね。
これら以外にも、日本国外で第2編の罪のうち条約で決められている罪について、その犯罪を犯した人物についても刑法を適用することができるんだ。有名なところでは海賊行為があるね。国連海洋法条約第101条には「私有の船舶や航空機において、乗組員や旅客が私的目的で行う不法な暴力行為、抑留、略奪行為で、公海上あるいはいずれの国の管轄権でもない場所の船舶や航空機や船舶航空機器内にある人や財産に対するもの。船舶や航空機を海賊船舶や海賊航空機としていて運行に自発的に参加する行為。さらにはこれらを扇動したり故意に助良する行為」を海賊行為というんだ。さらには、「乗組員が反乱を起こし支配している軍艦や政府所有の船舶や航空機は、先ほどの海賊行為でいう私有船舶や航空機」とされ、これもやはり海賊行為とされることになるわけ。それ以外にも第100条から第107条を中心にして海賊行為の条文があるから、一度読んでおいたらいいと思うよ。
海賊行為というのは、どの国であっても一定の法益を侵害しているとされるんだ。こんなふうに、どこの国であっても共通している法益を侵害する犯罪を罰することを、『世界主義』といったりするね。
[著者注:以下、参考ページ。
法庫>海洋法に関する国際連合条約
http://www.houko.com/00/05/H08/006.HTM
Wikipedia>世界主義(刑法)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%BB%E7%BE%A9_%28%E5%88%91%E6%B3%95%29
Wikipedia>海賊
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E8%B3%8A
]




