第五十四条 一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合等の処理
第五十四条 一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
2 第四十九条第二項の規定は、前項の場合にも、適用する。
1個の行為が2個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段もしくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
2、第49条2項の規定は、第1項の場合にも、適用する。
第49条は没収の付加で第2項は2個以上の没収は併科するという規定だったね。
1つの行為が2つ以上の罪になるというところから説明しようか。これを『観念的競合』とか『一所為数法』とかいうんだ。今まで見てきた併合罪と大きく違うのは、併合罪ではないという点だね。あとで話す『牽連犯』についても同じことが言えるんだけど、複数の行為で複数の罪が発生するのが併合罪、一つの行為で複数の罪が発生するのが観念的競合や牽連犯ていうことになるんだ。たとえば、職務質問の警官を殴りつけたような場合。公務執行妨害罪と暴行罪が成立するわけだ。このように、1つの行為で2つの罪が成立する場合、これを観念的競合というんだ。
一方の牽連犯というのは、その続きの文章の部分で、犯罪の手段もしくは結果としての行為が他の罪名に触れる場合のことを指すんだ。たとえば、家に入って人を殺したような場合。家に入るという行為がまずは住居侵入に当たるわけで、さらに人を殺すことは殺人罪なわけだ。このように、複数の罪があったりするのが牽連犯てやつね。併合罪は独立しているけど、牽連犯になると一緒になるんだ。その結果、法的に裁かれる罪というのはより重い方の罪だけになるわけ。これを『吸収主義』と呼ぶこともあるよ。
今回の例でいえば、吸収主義により、観念的競合の場合は公務執行妨害罪だけが、牽連犯の場合は殺人罪だけが、処断されることになるんだ。
ちなみに、没収については、これらについて併科することができるよ。
[作者注:以下のサイトを参考にしました。
・Wikipedia>観念的競合
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%B3%E5%BF%B5%E7%9A%84%E7%AB%B6%E5%90%88
・Wikipedia>牽連犯
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%BD%E9%80%A3%E7%8A%AF
また、以下の条文を参考にしました。
・刑法>第95条(抜粋)
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
・刑法>第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
・刑法>第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。
・刑法>第208条
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
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