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刑法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第七章 犯罪の不成立及び刑の減免
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第三十九条 心神喪失及び心神耗弱

第三十九条  心神喪失者の行為は、罰しない。

2  心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。



心神喪失者(しんしんそうしつしゃ)の行為は、罰しない。

2、心神耗弱者(しんしんこうじゃくしゃ)の行為は、その刑を減軽する。


心神喪失や心神耗弱という状態に陥った人がとった行為については、減軽や罰しないとしなければならないんだ。ここでは語尾に“できる”とかないから、そう認められるのであれば、そうしなければならないということを示しているんだ。

これは、後で出てくる第41条ともかかわってくるんだけど、責任能力の有無が関わっているんだ。つまり、自分が行ったという行為について、それがどのような結果をもたらすかがわかっていなかったり、悪いことだとわかっていないような状態であることが、心神喪失。心神喪失の状態ほどではないが、著しく減退しているような状態のことを、心神耗弱というんだ。

例えば、お酒に酔っぱらって、酩酊状態のような場合があげられるね。あとは精神障害、知的障害や発達障害というのも、心神喪失や心神耗弱とされることが多いよ。一方で、お酒を飲んだりして心神喪失や心神耗弱となるような場合は、昭和43年2月27日最高裁第3小法廷決定では、『酒酔い運転の行為当時に飲酒酩酊により心神耗弱の状態にあつたとしても、飲酒の際酒酔い運転の意思が認められる場合には、刑法三九条二項を適用して刑の減軽をすべきではないと解する』べきだという決定が最高裁で行われているんだ。つまり、故意にしようとして心神喪失や心神耗弱となった場合、この条文は適用されないということになっているわけ。

ちなみに、心神喪失や心神耗弱と判断され無罪や減刑になった者を対象として、医療行為をするべきだということで『心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律』という法律によって法に触れた精神障害者については、入院することもできるようになっているんだ。ちなみに長いからね、この法律名、略して心神喪失者等医療観察法と呼んだりするよ。


[作者注:以下のサイトを参考にしました。

Wikipedia>責任能力

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B2%AC%E4%BB%BB%E8%83%BD%E5%8A%9B

Wikipedia>心神喪失者等医療観察法

https://ja.wikipedia.org/wiki/心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律

法令データ提供システム>心神喪失者等医療観察法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO110.html

裁判所>検察結果詳細画面

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50838

]

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