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刑法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第三十七章
314/338

第二百四十六条 詐欺

第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。



人を(あざむ)いて財物を交付させた者は、10年以下の有期懲役とする。

2、第1項の方法によって、財産上不法利益を得たり、または他人に利益を得させた者も、第1項と同様とする。


第1項の詐欺罪を詐欺取財罪、第2項の詐欺罪を詐欺利得罪ということがあるんだ。

詐欺罪は最高裁判決昭和34年8月28日によれば『必ずしも財産的損害を生ぜしめたことを問題とせず、むしろ、個々の財物に対する事実上の所持それ自体を保護の対象としているものと解すべき』という判決があるんだ。つまり、実害があったかどうかではなく、所有を保護すべきとしたんだ。また、詐欺罪の客体となるのは、大審院判決明治36年6月1日によれば、不動産も目的物となることができるということになっていて、動産だけではなく、不動産も客体となりうるんだ。大審院判決昭和13年10月4日によれば、この詐欺罪は不法というのは利益をとるための手段が不法だということであって、利得や果実のための行為が私法からみて有効か無効か、あるいは取り消しかについては関係がないという判示がなされているんだ。

詐欺取財罪は人を欺いて財物を交付させた者について、詐欺利得罪は人を欺いて、財産上の不法利益を得た者あるいは人を欺いて他人に利益を得させたもの、これらの詐欺罪にあたる人については10年以下の有期懲役となるんだ。


[作者注:以下の判決を参考にしました。

・最高裁判決>事件番号:昭和31(あ)4282、裁判年月日:昭和34年8月28日

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55780

]

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