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刑法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第三十三章
282/338

第二百二十五条の二 身の代金目的略取等

第二百二十五条の二 近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

2 人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。



近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮(ゆうりょ)する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、または誘拐した者は、無期懲役または3年以上の有期懲役とする。

2、人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、または財物を要求する行為をしたときも、第1項と同様とする。


憂慮というのは、心配するということだね。

近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者、というのは略取や誘拐された人の安否を心配する人ということになるね。この人というのは、最高裁決定昭和62年3月24日では、『単なる同情から被拐取者の安否を気づかうにすぎないとみられる第三者は含まれないが、被拐取者の近親でなくとも、被拐取者の安否を親身になつて憂慮するのが社会通念上当然とみられる特別な関係にある者はこれに含まれるものと解するのが相当』だとしたんだ。これはつまり、単なる同情から心配する人は含まれないけど、血族や姻族でなくとも、例えば社長が誘拐されて幹部が心配しているような場合などには、これに含まれるということになっているんだ。

財物というのは、主にお金ではあるけど、いろんなものが該当するようになっているんだ。これは、『現に占有する財物に限定する趣旨ではなく、その者が事実上処分することのできる財物を広く意味するものと解する』ことと、大阪高等裁判所判決昭和53年7月28日でなっているんだ。そのため、第三者から手に入れた財物についても、この場合には含まれることとなっているんだ。

近親者など略取されたり誘拐されたりした人の安否を心配する者の心配している心に乗じて、財物を交付させる目的で、他人を略取した者、誘拐した者は無期懲役または3年以上の有期懲役となるんだ。さらに、他人を略取した者や誘拐した者が、略取されたり誘拐されたりした人の安否を心配する者の心配している心に乗じて、財物を交付させたとき、財物を要求する行為をしたときには、無期懲役または3年以上の有期懲役となるんだ。


[作者注:以下のサイトを参考にしました。

・Weblio>憂慮

https://www.weblio.jp/content/%E6%86%82%E6%85%AE


また、以下の決定、判決を参考にしました。

・最高裁判所決定>事件番号:昭和61(あ)688、決定年月日:昭和62年3月24日

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51214

・大阪高等裁判所判決>事件番号:昭和53(う)501、裁判年月日:昭和53年7月28日

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=22362

]

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