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刑法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第二十五章
243/338

第百九十七条の五 没収及び追徴

第百九十七条の五  犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。



犯人または事情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部または一部を没収することができないときは、その価額を追徴(ついちょう)する。


第三者というのは、個人のみならず、最高裁判所判決昭和29年8月20日によれば法人に対しても行うことができるとされているんだ。これは、『没収又は追徴は法人に対してもこれを為し得るものというべく、法人が情を知つているというのは法人の代表者が情を知つている場合をいうものと解すべき』だとされているんだ。

没収できないものとしては、最高裁昭和32年12月20日判決では預金された賄賂、大審院判決昭和3年5月24日では通常の謝礼と賄賂が区分できなければ、全てを没収や追徴すべきだとした判決だね。これらの追徴については、もらった時から裁判の時まで長い時間が経っていたりして、いつを基準として追徴するかが問題となるんだ。これについては、最高裁判所判決昭和43年9月25日によれば、『収賄者は賄賂たる物を収受することによつてその物のその当時の価額に相当する利益を得たものであり、その後の日時の経過等によるその物の価額の増減の如きは右収受とは別個の原因に基づくものにすぎないのであるから、没収に代えて追徴すべき金額はその物の授受当時の価額によるべきものと解するのが相当』としたんた。つまり、受け取った時に利益を受けたのだから、受け取ったときの利益分だけ追徴することとしたっていうことだね。

犯人や事情を知った第三者が受け取った賄賂は、没収する。受け取った賄賂のうち、その全てや、その一部分が没収することができない場合には、受け取った時点での価額を追徴するということだね。


[作者注:以下の判決を参考にしました。

・最高裁判所>事件番号:昭和27(あ)4976、裁判年月日:昭和29年8月20日

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=55696

・最高裁判所>事件番号:昭和30(あ)2374、裁判年月日:昭和32年12月20日

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51412

・最高裁判所>事件番号:昭和41(あ)1257、裁判年月日:昭和43年9月25日

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=50783

]

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