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刑法私的解釈  作者: 尚文産商堂
第十三章
154/338

第百三十四条 秘密漏示

第百三十四条  医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

2  宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。



医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人またはこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6か月以下の有期懲役または10万円以下の罰金とする。

2、宗教、祈祷もしくは祭祀の職にある者またはこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、第1項と同様とする。


ここでいう医師には、歯科医師も含まれるとされているんだ。医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人の現職や引退した人たちは、正当な理由がないのにもかかわらず、業務として取り扱った事柄について、知ってしまった他人の秘密を漏らしたときは、6か月以下の有期懲役または10万円以下の罰金とされるんだ。人の秘密というのは、例えば医師ならば、精神科医が精神鑑定を行った際に知った内容といったことかな。この時には、精神鑑定を受けている人本人だけではなく、その過程で知った本人以外の人の秘密も含まれているとされているんだ。宗教、祈祷もしくは祭祀職の人や引退した人についても、同じようにされるんだ。

ちなみに、こういう感じでこの職やこの人でないと罪にならない、というのを身分犯と言うんだ。そして、秘密漏示罪というのは、いろんな法律で規定されていて、例えば『保健師助産師看護師法(通称、保助看法』という法律では、その第42条の2で保健師、看護師、准看護師の秘密漏示を禁止していて、同法第44条の3において刑が規定されているんだ。他にも、裁判員法と呼ばれる『裁判員の参加する刑事裁判に関する法律』の第108条で裁判員や補充裁判員の秘密漏示罪が、第109条では検察官や弁護人、さらに被告人についての裁判員の氏名等漏示罪が規定されているんだ。


[作者注:以下の決定を参考にしました。

・最高裁決定>事件番号:平成22(あ)126、決定年月日:平成24年2月13日

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=81997


また、以下のサイトを参考にしました。

・法令データ提供システム>保健師助産師看護師法

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S23/S23HO203.html

・法令データ提供システム>裁判員の参加する刑事裁判に関する法律

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H16/H16HO063.html


また、以下の条文を参考にしました。

・保助看法>第四十二条の二

 保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなつた後においても、同様とする。

・保助看法>第四十四条の三

  第四十二条の二の規定に違反して、業務上知り得た人の秘密を漏らした者は、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 2  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

・裁判員法>第百八条(抜粋)

 裁判員又は補充裁判員が、評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

・裁判員法>第百九条(一部略)

 検察官若しくは弁護人若しくはこれらの職にあった者又は被告人若しくは被告人であった者が、正当な理由がなく、被告事件の裁判員候補者の氏名、裁判員候補者が第三十条………に規定する質問票に記載した内容又は裁判員等選任手続における裁判員候補者の陳述の内容を漏らしたときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

]

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