妹がまいりました。(よーし逃げるぞ~。)
アサギが来たよ…たしかに私と同じ黒髪、青目なんだけど。
今風の華奢に身体付きだよ…似てるのに…なんか妹の方が綺麗だ。
「オズワルト殿下。」
妹が綺麗にレディの礼をした。
ああ、私、この間あそこ間違えたよ…。
「アサギ嬢、わざわざの御苦労だな。」
美形年下武人殿下が言った。
妹のアサギを呼びました。
カササダ竜騎兵団の詰所までほいほいきたよ。
「お姉さまもお元気そうですわ。」
まだ若い結婚適齢期(貴族的には)の妹は美形年下武人殿下より年下です。
というか、なんで私の身体付きをみるのさ。
「お姉さま、いいエステ紹介いたしましょうか?痩身コースなんていかがですの?」
アサギが言った。
悪かったね、貴族の姫 (エセ)としては太ってて。
「余分な事だ、私はこの体型を気にいっている。」
美形年下武人殿下がそういって私を抱き締めた。
やばい、捕獲された。
「そうですの?やっぱり…胸があった方がいいのかしら?」
アサギが口元に右の人差し指を当てて言った。
しぐさがいちいち可愛いんですが?
本当に私の妹ですか?
「…アサギ嬢、セツラはもう、実家に帰す予定はないので、荷物を運ぶ手配をしたいのだが…。」
美形年下武人殿下が勝手な事を言った。
「まあ…そうですの?うらやましいわ…私も殿下にお仕えしたいですわ。」
妹が妙に色っぽく言った。
「セツラで手いっぱいだ。」
美形年下武人殿下が言った。
ええ?困るよ。
「オズワルト殿下、私、帰りますよ。」
妹に椅子をすすめながら私を膝の上にのせた美形年下武人殿下に言った。
「…最初の子が出来るまで帰す気はない。」
美形年下武人殿下が言った。
「まあ、お姉さま、もう、そんな関係ですの?」
アサギが両手のこぶしを口元にあてた。
そんな、関係じゃありません!
抱き込まれてますが。
「セツラは恥ずかしいがりやなんだ。」
美形年下武人殿下が妖しく微笑んだ。
「そ、そうですの?お母さまと結婚式の相談をしないとですわ。」
アサギがたじろいだ。
アサギ、見捨てないで~。
「アサギ、冗談だから。」
本気っぽいな…。
「まだ、わからないのか?」
美形年下武人殿下がそういって首もとにキスした。
「お、お姉さま、私、失礼いたしますわ。」
アサギが言って帰ろうとしている。
「アサギ嬢ちゃん、お茶くらい飲んでいったらどうだ?」
アーウィングおじさんがトレーにお茶をいれて持ってきた。
「アーウィングおじさま。」
アサギが明らかにほっとしたように言った。
悪かったよ。
「オズワルト殿下、下ろしてください。」
もう、トイレいきたくなったよ。
「どこにいくんだ。」
美形年下武人殿下が言った。
「…言いたくないですが、トイレです。」
生きてるんだから仕方ないじゃん。
「すまん、すきだけしてきてくれ。」
美形年下武人殿下が気まずそうに言った。
ふだんしない膝上ダッコするから困っちゃったよ。
「お姉さまったら…。」
あきれたようにアサギが言った。
しょうがないじゃん自然現象だもん。
トイレか出てくると誰も監視がいなかった。
正確にはアサギがいるお陰で美形年下武人殿下の注意がずれてるらしい。
いこうかな。
脱出ルートのシュミレーションはすんでるんだよね。
実行力がなかっただけで。
静かに行動して詰所をでる。
竜騎兵な人たちはほとんど修練所いってる。
というかほとんど日中私、こっちにいるんですが?
王子殿下の許嫁って普通こういうところいるもんなのかな?
私は大丈夫だけどさ。
「セツラ姫、どこいくんですか?」
ヤヒコさんに声をかけられた。
「うん、修練所に。」
落ち着いて、あっちに逃げ道がね。
「……まあ、頑張ってください。」
ヤヒコさんが言った。
何を頑張るんだろう?
「うん。」
と言っていこう。
なんとか抜け出して物件確保だ!
そのあとはイアスダスに帰るんだ。
美形年下武人殿下にはかかわり合いになりたくないよ。